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『シンプルに生きる』(ドミニック・ローホー著)

 シンプルに生きるというのは、ずっと憧れていることのひとつだけど、なかなか実行できてこなかった。つまるところ、単なる憧れ程度にしか思っていなかったから、実行してこなかったのかと反省してる。でも、51歳にもなり自分の人生の時間がもう永遠ではないことも実感するようになると、そういつまでも引き延ばしていくことはできなくなってきている。
 そもそもシンプルに生きるということが具体的にどういうことか、それを考えることが大切。そんなこともあって、いま話題になっているフランス人女性による本を読んでみた。

 アマゾンとかのコメントをチェックしてみると、この本に対して否定的なコメントが多い。でも、僕はこの本に書かれていることにはすごく共感を持つし、本当に大切なことは実行してみることだと思う。「ものを過剰に所有することをやめると、ものに対して使っていた時間が減り、自分自身にかける時間が増やせる」こと。「シンプルにすることは、暮らし全体の風通しを良くすること。ものを減らすことからはじめて、時間の使い方やひとづきあい、自分との向き合い方までシンプルにすると、心が豊かになる」こと。
 ファッションや美容のことにも具体的に触れていて、これらの章は女性を対象に書かれているのかもしれないけど、われわれ男にとっても参考になる考え方だと思った。

 各文章の最後に、先人たちの言葉、小説からの引用などがあるのだけど、クンデラの小説からは以下のような引用がある。「私は質素を私の存在の統一原則とした。必要不可欠な基本的なもののみを取っておくことに徹した。この禁欲的かつスパルタ的な方法にはどこか天の恵みが秘められていて、私はこの恵みが自分のものとなるようにこれについて瞑想した。」残念ながら、まだ僕にはこの天の恵みの後ろ姿さえも見えていない。

 この本の中にはすごく目新しいことが書かれているわけではないけども、何度も繰り返し読んでみる価値があることが書かれている。何度も読み返し、すこしずつ実行していくこと。それが一番大切。実行してみないとわからない。