ショッキングなこと。

 最近、ちょっとショッキングなことがあった。2年くらい行っていなかった都内のレストランとカフェが、どちらも通常営業を止めていたこと。レストランは前日まで予約をしないと食事ができず、予約がないと閉店状況。店員の数も大幅に減らし、結婚式の2次会やパーティなどに会場を貸すことを中心にしているとか。カフェは僕が大好きな映画(「バベル」!)でも使われたところなんだけど、ここもイベントやパーティなどへの貸出しの場所に変わってしまっていた。どちらも人件費や在庫などの固定費を抱えてやっていけなくなったということだろう。

 街を歩くと、「すべての商品270円」「飲み放題500円」なんて居酒屋の看板や、やたら駐車場が目立ったりする。クルマに乗る若い人は少なくなっているというのに。

 これがデフレということかと、恐ろしい気持ちになった。
 
 今朝の朝日新聞に、天野祐吉さんがケータイゲームのCMがやたら多いと書いていた。「ぼくもゲームは好きだ。ゲーム歴も長いし腕も立つ。だからケータイゲームにも、よくできたものがあることは知っている。が、CMがこんなに多いのは、やはり異常だと思う」と。

 ケータイゲーム、パチンコ・パチスロ、そして低料金の居酒屋しかはやらないなんて、異常だ。まだ経済がまわっているように見える東京でさえもそうなっているとしたら、恐ろしい状況だ。いや、もしかしたら、お金を持っている中高年やシニアには関係ない話なのかもしれない。だって、丸の内や銀座を歩いていると、日本は本当に不況なのかと聞きたくなるから。

 天野さんのコラムはこんな言葉で終わっていた。「もちろんケータイゲームにも、ゲーム仲間の連帯感を生む効用はあるだろう。が、ケータイそのものが持っている人間的な可能性を、もっと面白く感じさせてくれるようなゲームやCMはできないのか。ケータイが泣いているよ」

 カネがないと言っている若い人たちに話を聞いてみても、ケータイにはそれなりのカネを毎月払っている。ケータイないと友達を確保できないし、就活もできないということなのかもしれないけど。「なにが生きていく上で大切なのか、もう一回出発点に帰って考えようよ?!」なんて言ってると親父のお説教になってしまうかもしれないけど、日本で一人であったとしてもそれは言い続けたい気持ち。

 レストランの話から始まってケータイの話になってしまったけど、いまの日本って、かなりショッキングな状況にあるかも。それに鈍感になっているとしたら、それもまたショッキング。