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『群衆_機械のなかの難民』(松山巖著、中公文庫)

20世紀の日本を主題に、「一体となった感情を有し、ときには怒り、苛立ち、ときには哀しみ、泣き叫ぶ」群衆という現象について、「だらだらと述べる」作品。日露戦争以後の日本、夏目漱石、石川啄木、大杉栄、夢野久作たちが見た新しい群衆。この本は1996年、〈20世紀の日本〉の12巻目として出版されたもので、読売文学賞(評論・伝記部門)受賞作。
この1996年は日本においてもインターネット社会が本格的に始まる頃。この本の中にはインターネットが作りつつあるバーチャル世界が取り上げられてはおらず、著者がネット社会における日本の「群衆」をどのようにとらえているのか、たいへん興味がある。