残酷な時代_190キロ体重の女性

 昨晩、ツールドフランスを見ようと思ってテレビをつけると、190キロからの減量に挑戦する女性が登場する番組があり、こちらも減量に挑戦中の身なのでちょっと目が止まってしまいました。
 この前読んだある本(「肥りゆく人類)には、肥満というのは今の社会が制度的に作りだしている病ではないかというような考えがありました。ギャンブル依存症にしても、タバコ依存症にしても、アルコール中毒症にしても、そして借金中毒症にしても、消費しろ、もっと買え、気持ちよくなるぞ、人生楽しく生きろと、われわれを洗脳し続けようとする企業の大声を、朝から晩まで聞かされる、そんな社会が制度的に作りだしたものだという考えです。
 イスラム圏の国々の様子をテレビで見たりすると、宗教の戒律が生活を縛っているように見え、ちょっと不自由な感じがしますが、われわれの生活も、家の中にいては、テレビやネットで消費への衝動を強烈に刺激され、一歩外に出ると交通広告や電飾看板などが目に入ってきて、ある意味、イスラム圏以上に強い「戒律」がこの社会にはあると思うことがあります。
 企業社会が押し進める消費生活の洗脳があまりに強すぎて、意志の弱い人間にとっては、とても残酷な時代になっているのでは?夕べ見た190キロの女性を、そんな社会の犠牲者のように見てしまいました。