文春新書『ポスト消費者社会のゆくえ』(辻井喬/上野千鶴子)

 毎週土曜日の読売新聞朝刊に連載されている、辻井喬/堤清二による「回顧録」とあわせてこの本を読むと、経営者としての堤清二さん、作家としての辻井喬さんのことをよりおもしろく知ることができます。ちょうど、今朝の読売新聞朝刊には、三島由紀夫が市ヶ谷で自殺したときのことが紹介されています。ほぼ同じ話が、この本の中にもでてきます。三島は辻井さんの2歳年上のようですが、親しくされていたことを知りませんでした。

 大学時代の友人の一人は、堤清二が作り出したセゾングループの文化事業への関心から、西武百貨店に就職しました。1983年、セゾングループが躍進していた頃です。作家(辻井喬)でもある経営者(堤清二)は、バブルの崩壊とともに消えていきましたが、挑戦した事業はおもしろかったし、その視線は高いものを見ていたのではないかと思います。今では、作家・辻井喬が残っています。
 上野千鶴子さんが、この本の中で、非常に鋭い質問者、コメンテーターの役割を果たしています。新書でも900円ですが、320ページほどの充実した対談で、非常におすすめです。

YouTubeに、セゾングループ(堤清二)に関するおもしろいプレゼンテーションが出ています。


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