スポーツとビジネス

昼食をかねた勉強会で、スポーツジャーナリストの二宮清純さんの話しをお聞きしました。伝統を重んじる相撲界が、過去においては改革的なこと(たとえば、他のスポーツではみられない判定におけるビデオの導入)を行なってきたがゆえに繁栄してきたこと(ただし、現状はまったく正反対の状況)から始まって、サッカーにおける日本人FWの決定力不足、スポーツにおける決断力のこと、スポーツと企業の望ましい関係など、われわれビジネスマンにも大変示唆に富む話しを聞くことができました。

 「判断力よりも決断力」ということが今日の話しの大きなテーマでした。判断することには優れた日本人は、残念ながら決断することにはたいへん貧しい経験しかないことが、世界の中で勝負強さに欠ける大きな理由なのではないかと思います(フランスワールドカップでは32か国中、最低の決定力)。スピーディな意思決定を行い、その決定の実行に自分を賭けるだけの勇気を持つこと。

 僕も日本の教育の産物の一つだと自覚しています。(日本の教育は、決断することを経験させないということでは、世界でも最悪の教育制度の一つかもしれません。) 自分に欠けているものを、スポーツの世界の勝負事の中で直視することも、エンターテインメントとは別の意味でスポーツが与えてくれる経験かと思います。

 来年は、american book & cinemaから何冊かの本を出すことになっています。ツール・ド・フランス前後には、ランス・アームストロングが所属していたDiscovery Teamの監督の手記を出版する予定です。スポーツをビジネスにしようとは思っていませんが、われわれビジネスマンがスポーツから学べることはたくさんあります。