『丸山眞男・回顧談』を読む

2006年10月にでた『丸山眞男・回顧談』岩波書店)の上・下をここ数日で読み終えました。立花隆だったでしょうか、最近、南原繁を高く評価しているというようなことをどこかで読んだこともあって、丸山の先生である南原繁の大きさが、丸山の話振りから伝わってきます。

東大法学部の中での人間関係の話がしばしば出てきて、うんざりするような話が多いのですが、下巻の「太平洋戦争を省みる」、「アジアへの目」、「思想史研究と講義」などの章はおもしろく読みました。

それから上巻には、入試対策を優先させた高校レベルでの授業が、1930年前後にもあったことがでてきて、エリート学校に入るための受験勉強の弊害は、今に始まったことではないことがわかります。

丸山眞男の『現代政治の思想と行動』は、大学時代の必読書のひとつだったことを記憶しています。昨年、新装版が出されているのを知っているのですが、今回、この回顧談を読んだことをきっかけに、再度、『現代政治の思想と行動』を読んでみようと思っています。