「たった一人の30年戦争」

Dscf0140 週末は、小野田寛郎さんの「たった一人の30年戦争」を読みましたが、その中の一節が心に残りました。以下、引用です。

私は戦場での30年、「生きる」意味を真剣に考えた。戦前、人々は「命を惜しむな」と教えられ、死を覚悟して生きた。戦後、日本人は「命を惜しまなければならない」時代になった。何かを”命がけ”でやることを否定してしまった。覚悟をしないで生きられる時代は、いい時代である。だが、死を意識しないことで、日本人は「生きる」ことをおろそかにしてはいないだろうか。

われわれの大部分は、モノが溢れ、自然の厳しさから守られた毎日を送っているわけですが、30年間、フィリピンのジャングルの過酷な状況の中を生き抜いた話からは、考えさせられることがたくさんありました。

この方が1974年2月に「発見」されたときの写真を見ると、厳しく、鋭い目つきをしています。それがお歳をとられたせいもあるのでしょうが、最近の表情を拝見すると、たいへんおやさしい表情に変っています。

小野田さんはブラジルで牧場を経営されていますが、日本でも「小野田自然塾」という活動をされているとお聞きしました。日本の子供たちには、とても必要な経験を提供されていると思います。

追記

ケーブルの「ディスカバリーチャンネル」で、「Globe Trekker (グローブ・トレッカー)」という番組があります。その中の、北京紹介のシリーズを見ながら、これを書いています。アメリカ人(らしき)娘が自転車や地下鉄で北京市内を回っていくのですが、僕もまた北京に行く機会があれば、仕事以外の時間をとって、市内観光をしてみたいです。