『野生のうたが聞こえる』(アルド・レオポルド著)

久しぶりにいい本に巡り合ったなと感じています。本の裏表紙にある紹介文から一部を紹介すると、こんな本です。

「あるがままの自然への慈愛と共感、失われゆく野生への哀惜の情をみずみずしい感性でつづり、自然が自然のままで存在しつづける権利や、人間と生態系との調和を訴える先駆的思想を説く。(中略)ソローの著作とならび称される一方で、自然との共生の思想により環境保全運動を支える役割をになってきた」。

わが国の環境大臣がこの本を「セクシー」と思うかどうかはわかりません。彼が勉強家なのか、読書家なのかも存じ上げません。
ただ、環境大臣には、こういう本もぜひ読んでいただきたいと思いました。
特に、この本の一番最後に置かれた「土地倫理」という文庫本で36ページほどの論文。倫理は個人、人同士の間を越えて、土地(環境)にまで及ぶべきであるという思想。

著者は1887年に米アイオワ州生まれ(ぼくが16から17歳までの1年間生活した土地!)、森林官からキャリアを始め、最終的にはウィスコンシン大学の教員。
動物たちの挿絵もはいっているとても素敵な講談社学術文庫の一冊です。