「社会人」って、なに人?

卒業する学生に向かってしばしば発せられる「これからは君も社会人だね」という表現。「お前も、これからは社会人の自覚を持て」なんて言い方もある。社会人って、いったい、なに人なの? a man (or woman) of society?

そもそもすべての人間って、社会的存在のはずなんだけど。一番小さな「社会」である家族から始まって、ほとんどの人間は、学校(すくなくとも義務教育の中学校までは)という「社会」で存在を持つわけだし。

一方学校という空間は、小学校から大学まで、社会に対して閉ざされている印象がある。学内には外部の人間は許可なく立ち入れない。学問的にも、社会の課題を解決していこうという姿勢をもって学問を行っている先生たちは、分野を問わず、少数派だ。(日本人ノーベル化学賞受賞者が、学者たちは、象牙の塔に安住するのではなく、もっと現実社会の課題解決に取組むべきだという趣旨のエッセイを書いていた)

学校は社会から隔離された存在である限り、学生たちはまだ「社会人」ではなく、学校外にでて初めて「社会人」という存在で呼ばれるのも、理屈に合っているのかもしれない。