寂聴さん、ありがとう(「恋と革命」に生きよ!)

昨日、松山に用事があって久しぶりに「帰りました」。生まれは高知県ですが、小学校から高校まで愛媛県南宇和郡御荘町(現在の愛南町)で育ち、大学のころも、東京から松山経由で帰省していましたので、愛媛、そして松山には「帰る」という感覚です。今回は時間がなかったので、お会いしたい方々にもお目にかかることができませんでした。

それというのも、今日から始まったブックフェアにでるため。今朝、朝一番の飛行機で松山から羽田に「帰り」、到着するとすぐに東京ビックサイトで開催されている東京国際ブックフェアに行きました。お目当ての10時半から始まった瀬戸内寂聴の基調講演を聴くために。

もうこの「おばあちゃん」、すごい!
最初から感動の連続で迂闊にも涙がでてきちゃった。

最近では、東京新聞夕刊に連載された「この道」(青鞜や大逆事件に関連する女性たちの生き様を紹介するエッセイ)を愛読していましたが、この連載は「烈しい生と美しい死を」というタイトルで新潮社から最近発刊されています。
今日の講演では、この本のことも含めて、ご自身のお仕事のお話がたくさんあったのですが、なんと言っても、最大のメッセージは、「恋と革命」に生きよ、ということでした。出版業の変遷、電子ブックへの期待などのお話はあったのですが、でも、やっぱり、「恋と革命」。

「恋と革命」に生きる。この言葉って、われわれ男性が口にすると、なんとなく様にならない気がする。それって、ボクだけの「照れ」かな?きっとわれわれ男たちは、たとえ「恋と革命」に生きたとしても、決して自らの口から、「俺は恋と革命に生きる(生きた)」と言えない。

でも女性が「恋と革命に生きる」という時、なんとも言えない潔さと、ひたむきさと、大胆さと、強烈な魅力を感じる。

今年の5月で90歳になったという寂聴さん、10時半から始まった講演では11時40分までずっと立ったままでお話になられました。お話の口調もしっかりされていて、ハートも、体も、とても若々しい方でした。ステージに立たれる前の寂聴さんを至近距離で拝見しました。きっともう近くで拝見する機会はないと思いますが、その存在自体がとても「有り難い」ものに思えました。ご本人も、講演の中で、自分はあと2、3年でいなくなるだろう、きっと皆さんとお会いするのは、これが最後だろうと数回おっしゃっていました。

でも、ぜひとも100歳まで健康にお仕事を続けていただきたいと切に願っています。
100歳になっても、「恋と革命に生きなさいよ」って、叱咤激励していてほしい。