派遣社員のままでいることを望む人たち

 今日昼食をいっしょにした、会社を経営している友人が言っていた話です。彼の会社で働いている派遣社員40名全員に、希望があれば正社員にしてあげるという提案をしたそうです。結果は、40名中8名だけが正社員希望だったそうです。

 正社員を希望しない理由としては、以下のようなものがあげられたそうです。

1 週末勤務が発生する可能性は困る

2 責任が発生する立場はいやだ、会社にコミットしたくない

3 好きな時間だけ働きたい、好きな時に休みを取りたい

 派遣会社の経営者からも聞く話ですが、これらと同様の理由で、正社員ではなく、派遣社員の立場を望んでいる人たちが結構の数いるということです。ただ、このような「贅沢な」、あるいは「恵まれた」ことを言っていられる人たちは、今の時代、少数派になりつつあるのかもしれませんが。

 昨年話題になった「派遣切り」のせいか、派遣社員、正社員の議論が、現状をしっかり把握し、事実関係を幅広く調べたうえでの議論になっているのか、少々、疑問に思うことがあります。一方的に企業側が悪いという議論には、賛成できない点もあります。就労者側の意識、ニーズに関しても、現状の正確な把握と、論理的な議論の必要を感じます。

 われわれの資格を受けてくださっている人たちの中には、多数の派遣社員の人たちがいます。彼ら、彼女たちの中にも、さまざまな理由で派遣社員であることを望んでいる人たちがいるはずです。 また、資格は派遣のライフスタイルを望む人たちにとって、会社に代わるひとつのアイデンティティになっているような気もします。