地元の大学で一生懸命勉強すればいい。

 日本中、物わかりのいいオトナが増えているようなので、こんなことを書くとご批判を受けそうです。このごろ、経済的事情で東京の大学に行かせてやれない子供がかわいそうだという話を聞きます。でも、そんなこと、20年前も、30年前もありました。大学に行かせてもらえるだけでもまだいいと思うのです。
 運動会で競争をさせず、みんな仲良くゴールインなんてアホなことをやっていると、すべての高校生に、東京にある大学に進む「権利」があるみたいに考えるようになるのでしょうか?地元の大学でしっかり勉強すれば、きっと東京に来るよりも、ずっといい結果になると思います。もし自分の希望がかなわなかったなら、その悔しさをばねに必死に勉強すればいいだけ。
 ボクが尊敬している人たちの多くは、東大卒でもないし、松本清張や安藤忠雄みたいに学歴と言えるようなものさえ持っていない人たちもいます。
 大学で成功が約束されるほど、世の中甘くないよ! 不確実性にあふれていることだけが確かなこの世の中で、入った大学や就職時の試験の順位で一生が決まるなんてことは、幸か不幸か、もう通じないのに、世の中が一見平和だからそう思い込んでいるだけ。現実は、不確定さと偶然性に溢れているというのに。
 ボクは四国から東京の大学に出てきましたが、もう一度、人生やりなおしができるなら今の東京には来ないかもしれません。東京には若い人たちに対する誘惑があまりにも多すぎて怖いくらいです。