『アメリカの黒人演説集』(岩波文庫)

 アメリカは演説集をたくさん出版する国だなと思います。記念講演の類も多いように思います。ボクが、2年前出版した『グラデュエーション・デイ』も、アメリカの大学の卒業式で行われる記念講演を集めたものです。

 岩波文庫から最近でたこの本には、アメリカの黒人リーダーたちが行った21の演説が含まれています。マーチン・ルーサー・キングの有名な演説、「私には夢がある」("I have a dream")も含まれています。そして21番目には、今月大統領に就任するオバマが、2005年6月4日、イリノイ州にあるノックス大学(Knox College) の卒業式で行ったスピーチも含まれています。Change という言葉は出てきませんが、Challengeはたくさん出てきます。人生の焦点をカネ儲けだけに合わせるのでなく、「国家が直面している挑戦を、あなたがたの挑戦と捉える」こと、「あなたがた自身への義務があるから、挑戦を引き受けねばならない」、「あなたがた自身の可能性を認識するのは、自分より大きなものに関与したときです」と訴えています。

 このときは、前年に連邦上院議員になったばかりですが、現在につながるビジョンを繰り返し提示しています。

 講演の録音は、英語のテキストとともに、以下のサイトで聞くことができます。

American Rhetoric: Barack Obama