『カラシニコフ自伝』(エレナ・ジョリー聞き書き、朝日新書)と『失われた手仕事の思想』(塩野米松著、中公文庫)

カラシニコフは、世界で一番有名な銃の名前であり、それを作ったロシア人の名前。流刑農民の子供で、兵卒あがりの独学の人間が、自らの人生を語ったもの。ひとつの人生哲学と美学を持った頑固者で、まさに職人そのもの。

『失われた手仕事の思想』は、消えていく日本の職人たちを惜しむ作者の、職人仕事への考察。真の意味での創造や生産ということを考えるヒントがこの2冊にはあるかもしれません。「グーグル」では決して得られない、なにかが。