橘玲著「雨の降る日曜は幸福について考えよう」を読む
posted at 2006.02.04
Hot Wired 編集長の江坂さんのご紹介で、橘玲著「雨の日曜は幸福について考えよう」を読んでみました。作者は、僕と同じ1959年生まれということもあり、ちょっと親しみを感じながら、本を手に取りましたが、内容にも共感するところがありました。
この本は、端的に言うと、お金が僕たちの「幸福」とどうかかわっているのかを考えさせてくれる本です。借金をすること(特に住宅ローン)、生命保険、投資などの身近なお金に関することから、医療や年金などの国民的課題に関して、わかりやすい言葉で、橘さんの考えを知ることができます。
橘さんの本の中で、もっとも大切なキーワードは、ファイナンシャル・フリーダム=経済的自由だと思います。かつて言われた「恒産なくして恒心なし」ということと、広義では同じ意味だと僕はこの「経済的自由」をとらえています。
僕にとっても、ファイナンシャル・フリーダムは、最も重要な課題のひとつです。この前、ある新聞の囲み記事を読んでいたら、10億円あれば、毎月100万円を使ったとしても40年間生活できるという話がでていました。サッカーで言えば、6-0で勝たなくても、1-0で勝つことができれば十分。僕には10億円なんて必要ありませんが、ファイナンシャル・フリーダムを得るために、ある程度のたくわえは必要かと思っています。
ファイナンシャル・フリーダム、簡素な(シンプルな)生活、本を読む生活、愛する人たちや動物たちといっしょの生活、そして政府をはじめとする他人の干渉からの自由。(あ、最近はこれに、サイクリングをする生活も加えないと!) 「雨の日曜は幸福について考えよう」にならって僕なりの幸福をあらわせば、こんなところでしょうか。
橘さんは、アメリカの自由主義者の考えからさまざまな影響を受けているようですが、僕もあらためてロバート・ノジック(「アナーキー・国家・ユートピア」)、ミルトン・フリードマン(「選択の自由」)、ディヴィッド・フリードマン(「自由のためのメカニズム」)、マリー・ロスバード(「自由の倫理学」)などを読んでみようと思いました。この人たちが投げかけている議論(例:最小規模の国家こそ、ユートピアである)は、いままさに、日本で真剣に議論すべきことだと思います。