『原点は夢_わが発想のテクノロジー』(佐々木正著)

もとシャープ副社長。日本のITベンチャーの育成という意味で、最大の貢献者のひとりなのではないかと思います。
今年100歳になられる方。戦前1938年に京大を卒業されたあと、ドイツ留学をされ、戦後はアメリカで幅広い人脈とビジネス経験を広げていかれた、いま風に言うと、まさにグローバルな人材。こういうスケールの大きな方が、「サラリーマン経営者」にもいたのかと、感心しました。
この本は14年前の2000年に出版された著者80代半ばの頃の本ですが、いま読んでも非常に的確かつ建設的な分析と提案が含まれています。「出る杭は打たれる、出ない杭は腐る」という言葉を紹介されていますが、まさに出まくって、何度も打たれながらも結果で、まわりの批判するだけの連中をギャフンと言わせてきた方と拝見しました。
日本企業や日本社会の問題点に関する指摘には、まったく同感のご意見ばかり。著者のこれら指摘は、この本が出た頃以上に当てはまるところもあり、日本の問題の根深さをあらためて感じます。(硬直化した日本人、日本の制度!)

アマゾンで古書を買いましたが、このような本が絶版になっていることはとても残念だと思いました。