「人生は自ら創る」(安岡正篤著、PHP文庫)

安岡正篤(やすおかまさひろ)の読者はいまどれほどいるのか?昭和58年(1983年)の死から30年です。

東洋学の泰斗として、昭和の政界、財界で陰に陽に影響力を持ったとされる安岡正篤ですが、僕は彼の本は何冊かしか読んだことはなく、それほど影響を受けた著者ではありませんが、先週、出張先の札幌駅構内の本屋で偶然見つけたこの本の帯にあった以下のようなコピーが、最近考えていることとまったく同じだったこともあってすぐに買い求めました。

「本当に知るとは、創造すること」

古代ギリシアに、「汝自身を知れ」という格言があります。大学生の頃から考えてきた言葉の一つです。
いまでは、「自分を知るということは、自分自身を創造していくことである」と、僕は解釈しています。すでに出来上がった自分があって、固定的な自分というものを「知る」のではなく、いまこの一瞬も変化しつつある自分自身を、自らの意志で作っていくことが知るということではないか、と気づくまでとても時間がかかりました。これから先、「自分自身を知る」という言葉に違った解釈を加えていくかもしれませんが、「いま、ここでとる一瞬一瞬の選択を通して、自らを創っていくこと」が、自分自身を知るということにつながることだと考えています。
同じことは、会社についても言えます。

自社のことを知るとは、創造することであると思っています。なにを、どう創造するのか、それは簡単な問いではないのですが。