『サバイバル登山家』(服部文祥著)

 今日は日帰りで大阪。東大阪にある近畿大学を訪問。近畿大学の関係者の方々には日頃からご愛顧いただき、たいへん感謝申し上げます。
 帰りの新幹線で読み終えたのが、『サバイバル登山家』。
 こんな文章に共感を覚えながら読み進めました。
 『「野生生物のようにひっそり生まれて、ひっそり死んでいく。死んだことすら誰にも確認されない」それは僕が山登りで究極に求めているものの一つだった』
 あとがきで、登山のこんな役割について言及されています。
 『登山はまだ大きな役割をもっている。地球のサイクルから離れた現代文明人に、もう一度、身体感覚をとり戻させ、地球規模の視点を与える役割である。人が自分を地球の小さな生命体として意識したとき、社会を見る目が変わってくる。その視点こそ、バランスを失ったこの文明社会を元に戻す力になると僕は考えている。人間の地球に対するかかわりが問われるいまの時代、登山で体験できる自然感や、登山そのものがもつ環境に対して人を謙虚にさせる効果は、今後ますます重要になるのではないだろうか』
 明日、オデッセイマガジンの巻頭インタビューのために著者の服部さんに初めてお会いさせていただくことになっています。楽しみにしています。