雑感

1政権交替後初めての死刑執行が行われ、弁護士資格をもつ法務大臣は、自ら執行の場に立ち会い、死刑執行に関する国民的議論の必要性を提起されています。前回の参議院選で落選されつつも法務大臣のポジションに継続してついていらっしゃる大臣ということで野党側が問題視していますが、このテーマについて議論を求められ、ご自身が執行の場に立ち会われたということは、非難されるべきことではなく、逆に真摯な姿勢のあらわれなのかもしれないと思いました。
2宮崎県の口蹄疫にかかったから殺されていって29万頭の牛たち。農林水産大臣は、その殺処分(なんて嫌な言葉!)の現場に立ち会ったのでしょうか。霞ヶ関の雲の上から、電話と書類でこの問題を「処理」していったのでしょうか。最後の最後まで大切にしていた種牛たちは、本当に殺されないといけなかったのでしょうか?海外では、口蹄疫にかかった牛たちは、必ずしも殺処分するのではない対処の仕方をとっているという話も聞きます。また日本の法律は何十年も前に作られ、その後の科学的調査でわかったことを取り入れていないという意見もあります。
3牛たちの気持ち、牛たちの飼い主たちの気持ち。彼らの気持ちは現場を知らない自分には理解できていないと認めます。でも、飼い主の方たち、特に最後の5頭の種牛のオーナーの方は、「悪法も法なり」と言って死んでいったギリシアの哲学者と同じような立場にあったのではないかと思えてなりません。