「ドル終焉」(浜矩子著)

浜先生、最近よくマスコミに登場されます。朝のNHKラジオ等でもしばしばお声を拝聴。

この本の帯には、「二番底どころの話ではない。暴走と転落を繰り返す恐ろしい世界へ!」なんて、それこそ映画エクソシストか、ヘルハウスかというようなコピーがあります。内容は、かいつまんで戦後の国際金融のたどった道を案内してくれています。

「グローバル恐慌は、ドルの最後の舞台となる!」と本の表紙にあります。浜先生はドル弱気派なのかもしれません。確かにアメリカ経済もめちゃくちゃかもしれませんが、贅肉と成人病、生活習慣病の経済運営は、ヨーロッパも日本もかなりのものなので、これから一体全体、どうなっていくのか、誰にも予想がつかないのではないかと思います。中国を筆頭とする新興国経済はどのくらい強いものなのか。中国の不動産マーケットのバブルはどうなるのか?

それから、ヘッジファンドが悪者だという誤解をしている人が多いというご指摘は正しいと思います。

僕はそう簡単にはアメリカ帝国、「IT+金融帝国」は崩壊しないのではないかと思っています。アメリカの金融ビジネスの規模は大幅に縮小するかもしれません。でも、ドル終焉と言っても、ドルに代わってリーダーシップをとる通貨、そして国家経済はどこなのか?実はアメリカに人口が流入し、国内でも人口が増え続ける限り、アメリカはある意味、「永遠の新興国」なのではないかと思います。

最後に、「ザ・シティ 金融大冒険物語」よりかは、こちらのご著書の方がいいかなと思いました。