違和感を感じるとき

1980年代後半だったか、立花証券の創業者だったと記憶していますが、日本は少子化に入るので土地や家は安くなっていくというようなことをおっしゃっていたと記憶しています。20代から30代になろうとする、まだ経験の乏しかった僕は、頭では理解できても肚から信じることはできませんでしたが、その後の展開を見るとさすがだなと思います。
もう20年前から日本経済の根本的な転換は始まっていたにも関わらず、ほとんどの日本人はそれを直視しようとはせず、刹那の暮らしを守ることにしがみついてきました。
民主党の一部議員たち(デフレ脱却議員連盟)が、デフレ脱却には思い切った政策(財政、金融を問わず)が必要だというようなことを言っているようですが、ものすごく違和感を感じます。過去20年間使いはたしてきた政策を繰り返すことでは問題は解決しないことは明白で、根本的な変化についての考えを国民と共有し、もう麻薬的な政策、刹那的な政策では問題は解決し得ないことを正直に議論してもらいたいです。
アメリカ、イギリス、日本など多くの先進国の財政赤字が桁外れの規模になってきていて、国家が破産する危機は侮れないと思います。70年代から80年代にかけて、中南米、東ヨーロッパ、アフリカの国々のなかには、破産した国がありました。いま、BRICKsといわれてもてはやされているブラジルもそのひとつ。あのころ、世界経済の中枢にあった米、英、日といった国々が危機的な財政状況にたち、ブラジル、中国、インドなど、経済的にはどちらかと言うと周辺国的な存在だった国々が昇り調子にある。それだけでも世界経済の構造が抜本的に変化してしまったなと感じます。
日本だけが孤立して存在しているわけではないのに、国民の気持ちは見ざる、聞かざる状況で、政治家たちは本当のことを言わざるという状況になっていることに、ものすごい違和感を感じてしまいます。