イチゴ離れ

 夜、事業仕分けで有名になられた加藤さんが代表をされている構想日本のフォーラムにお伺いし、「ゆずりは」の田中陽子さんの司会で、北東北の職人さんたちのお話をお聞きしました。みなさんの、東北弁を交えながらのお話にたいへん感動しました。「キャリア」なんて横文字はいっさい出てきませんが、生きるということ、働くということについて、地に足の着いた考えを持った人たちのお話でした。東京で毎日気ぜわしく働いているわれわれの仕事が本当に薄っぺらなものに思えてなりませんでした。
 田中陽子さんのお話で、「イチゴ離れ』という言葉を知りました。野イチゴの季節(7月初め)、子グマが夢中で野イチゴを食べているうちに親グマがそっと姿を消す。子グマがふとわれに返って周りを見回しても、そこには親グマの姿はない。いつか必ず来る親離れ、子離れ。そんな熊の親子の別れを東北の人たちは、イチゴ離れと呼ぶそうです。親子の切ない別れを、なんて素敵な言葉で表現しているのかと思いました。(「ゆずりはの詩」田中陽子著)
ゆずりは