「サバイバル登山家」服部文祥さんとのインタビュー記事

 昨日の朝日新聞朝刊にあった、服部文祥さんとのインタビュー記事はとてもよかった。(こんな記事が時々あるだけでも、新聞には価値があるというのが僕の意見です。)服部さんについては、過去にもご紹介したことがあります。(→黒犬通信バックナンバー)人間が生きていくことの本質的なことに触れた発言をされているなと感じました。このブログの中で簡単に紹介できないほど、最初から最後まで、この人の発言は、都会化された社会に住むわれわれ(田舎に住む人間も、「都会化」された生活をしています。ハローワークに通うのに、車で行くことが当然になっているほどですから)を、根底から揺さぶってくれるような内容を含んでいます。
 20年近くにわたって養老孟司先生の本や発言を読んでいますが、養老先生は、都会の人間が一年のうち半年でも田舎にいく「参勤交代」を提言しています。服部さんのやっているサバイバル登山(テントもコンロも持たず、入っていく山の中で食料を見つけていく)は、半端でなく激しい話しですが、養老先生の提案は、やわな我々が「なんちゃってごっこ」レベルでできることを言ってくれているのだと思っています。都会化、バーチャル化された社会の中で、人間が自然の一部だということ、死と生が見えなくなってしまっています。解決方法のひとつとして、服部さんはサバイバル登山を実行されているし、養老先生は「参勤交代」を提案していると思います。
 インタビュー記事のなかで、服部さんは93年パキスタン北部の山岳地帯で、肉屋が客の前で牛を殺して解体して売ったことを紹介しています。今週は20代の社員のひとたちとシュラスコ料理を食べにいったことを書きました。僕らは牛たちが屠殺される現場なんて一度も見たことはないし、多分、到底見ていられないと思います。でも、人間が動物性タンパク質を得ることの意味を本質的に考えることは、エコだとか、動物愛護だと口で言っていることが吹っ飛んでしまうような訓練のような気がします。(「肉食女子」も考えてみてね!)
 服部さんには、小社がインターFMでラジオ番組を提供していたときにご出演いただいていますが、一度お会いしてみたいです。