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久しぶりのシアトル、マイクロソフト訪問

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今月10日のことですが、久しぶりにシアトル、そしてマイクロソフトの「キャンパス」(彼らが本社を呼ぶ名称)を訪問してきました。ここを初めて訪問してから20年になろうとしています。この20年で目立って増えたのは、マイクロソフトのキャンパス内のビルの数とボクの白髪かな?!

海外通販で靴を買う

先月、「ロンドンでデザイン、ポルトガルで製造」を売りにしているスリッパを買いました。偶然ネット広告で見つけたブランドで、北欧風のリラックスした雰囲気。海外の初めて目にするブランドで買い物をするのに少々躊躇しましたが、それほど大きな金額でもないので、試しに買い物をしてみました。スリッパといっても、靴底にプラスチックのソールをくっつけることで、外履きの靴にもなります。

この会社、海外の顧客にも送料は無料となっています。その分、少々値段は高くなっているのかもしれません。

送られてくるまで2週間ほどかかったでしょうか。大丈夫かなとちょっと気になっていたのですが、郵便物としてきちんと届きました。

アマゾンを除くと国内通販でさせもそれほど利用しているわけではなく、ましてや海外から取り寄せるなんてことは、これまでeBayでアメリカからモハメド・アリの試合のポスター数点を購入したことがあるだけ。今回、初めてヨーロッパの会社から靴を買いましたが、きちんと届き、当然といえば当然ですが感心しました。

この会社の広告が、雑誌The New Yorkerのウェブサイトで見つけたことも、試してみようと思った理由のひとつかもしれません。

日本もクールジャパンだと騒いでいますが、英語でサイトを作り海外顧客までターゲットにしている会社はどのくらいあるのでしょうか?


夏の朝に想う。

若い頃は夏が一番好きな季節だったのに、年をとるに連れて東京の夏の暑さに耐えられなくなって、冬が一番好きな季節になった。とは言っても、夏の朝は気持ちがいい。犬たちにせかされるように5時前には起きて外に出てみると、とても爽やかな朝だった。ただ6時を過ぎるとだんだん暑くなってくる。暑苦しいというほど気温はまだ高くないけど、6時半から始まるラジオ体操をやっていると、第一だけでも汗がじわっと出て来る。

新聞を読むと、東芝の歴代3社長が辞任することになったという記事が一面に出ている。利益至上主義が今回の会計操作につながっているという記事が目立つ。
ルール違反というか、反則はよくないのは当然なんだけど、利益への強い志向は企業であるかぎり当然だとも思うし、より高いレベルへの「チャレンジ」も必要だ。
東芝ほどの規模と歴史の会社の経営者は大変だろうなと想像する。バブル崩壊後、経営環境はまったく変わってしまったのに、「人を大切にする」ことを求められることで事業のドラスティックな変化はそう簡単ではない。製造業のイノベーションは、金融やサービス業の「イノベーション」と比べると、地道なR&Dが必要だろうし、長い時間もかかることだろう。社員の人たちは年功序列と終身雇用を前提として考える人たちが多いだろうから、社内から変えていくことはものすごい時間がかかるような気がする。
結果、大きな事業変革にはM&Aということになるんだけど、ほかの会社、特に欧米の会社を買ってうまく経営していくことは決して簡単じゃない。

利益を至上とすることは別にしても、利益を強く求めていくこと(もちろん反則なしでなんだけど)は、決して間違っていない。アメリカはもちろん、ヨーロッパの会社と比べても、日本企業の利益率はまだまだ低いんだから。問題は、利益率の高い事業をどうやって作っていき、使命が終わった(と思われる)事業をどうやって終了していくのか。どちらも根本には人の問題(課題)があって、新しい考えの人たちが登場し、変化していくことができない人たちは舞台から退場し、同じ社名、ブランドであったとしても、中身はすごく変わったよね、という会社であることは、とても難しい。

ニュースを聞いていると、東芝は社外取締役の数を増やすみたいだけど、事業内容をよく理解していない社外取締役をいくら増やしたって中身は変わっていかない。会社が根っこから変わっていくことは本当に難しいし、それをやり遂げることができる経営者は大したものだと思う。ぼくも会社をやっていてその難しさをとても感じている。

夏の朝、日の出前後はとてもすごしやすいけど、すぐに厳しい暑さがやってくる。ほんのひと時の心地よさを楽しんだら、忍耐の一日が始まるね。

予定通りに行かないのが人生ゲームでしょう?!2月に行けなかった金沢へ。

ベンチャー企業への投資機会があったとして、「優秀な経営陣たちと平凡なビジネスプラン」の組み合わせと、「平凡な経営陣と優れたビジネスプラン」の組み合わせの、どちらに投資すべきか?という定番のような質問があります。「正解」は、たとえ平凡なビジネスプランであっても、優秀な経営陣たちに懸けるべし、ということになっています。それは、たとえ優れたビジネスプランであっても、プラン通りに行くことなんてほとんどない。現実がプランとは違って展開していくとき、優秀な経営陣であれば、それなりに対応していくことができるだろうけど、平凡な経営陣では、想定していない状況にうまく対応していけないだろうから、ということらしいです。

いいことも、起こってほしくないことも、考えていた以上にゆれてしまうことがあるのが、人生かと思います。
なので、サッカーニッポン代表メンバーたちが、「自分たちのサッカーができなかった」という言葉をはいているのを聞くと、「そんなこと当然じゃない?!」といまさらながらあきれてしまいます。

サッカーの試合も、プラン通りにいくはずがない。だって、相手があるんだもの!ビジネスだって、相手(マクロの経済状況、競争相手、お客さん、取引先などなど)がある話で、自分たちが思い描いたとおりになんて、なることの方が珍しい。特に始めた当初は。

2月はじめに脊柱管狭窄症から来る腰痛で動けなくなり、2月中に予定していた金沢訪問はキャンセルすることになりました。明日、その金沢に行くことになっています。お会いすることになっていたお取引先の方々にお会いします。今年前半の腰痛(いまもそれは続いているのですが、少なくとも日常生活は大丈夫)も、まったく予定外。

ところで、最初にご紹介した投資に関する組み合わせですが、この設定は現実とはちょっと違っているかなという気がします。
「優秀な経営陣と優秀なビジネスプラン」の組み合わせはあっても、「平凡な経営陣と優秀なビジネスプラン」の組み合わせは、例外ではないかな?平凡な経営陣が、優秀な経営陣たちが作った優秀なビジネスプランを、失敬してきたのでない限りは。

砂漠の中の農地「サークル」

先日このブログで、砂漠らしき場所にある「サークル」について、どなたかご存知の方、お教えくださいと書きました。

ダラスからサンフランシスコまでの機内から見た風景なのですが、お二人から、これらの「サークル」が、ネバダの砂漠に作られつつある「農地」であることをお教えいただきました。東十条の王子さま、スタンフォードでお会いした伊藤さま、ご教示いただき、ありがとうございました。

American Crop Circles, Nevada

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ASTD初参加。

以前から一度行ってみたいと思っていた、ASTD(American Society for Training & Development) の全国大会に初めて参加。(会場ダラスコンベンションセンター、2013年5月20、21、22日)

オデッセイコミュニケーションズが昨年出資したアレン・インターアクションズもブースを出展。

ASTDは世界でも有数の人材育成に携わる職業人たちの集まりで、アメリカだけでなく、アジア(韓国、台湾、中国、日本など)、ヨーロッパ、ラテンアメリカからも参加者がありました。毎朝8時から講演があり、おもしろい会社や個人の方とお会いすることができました。

アレンは創業者のマイケル・アレンが主要講演者のひとりで、彼の講演には多数の人が集まり、ぎりぎりに行った僕は、一回目の講演には入場制限にひっかかり、翌日あった同じ内容の講演を聴くことになりました。

マイケルは一昨年のASTDの大会でこれまでの功績に対して表彰もされています(以下、記事へのリンク)

ASTD Presents Michael Allen with its Distinguished Contribution to Workplace Learning and Performance Award

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内からの「グローバル化」を怖れる必要はない。

うちの会社も時々新聞広告を出すので、新聞社の広告局のひとたちと、すこしばかりはおつきあいがあります。今日も、某全国紙の方がお見えになりましたが、「グローバル化の必要性を言っているうちの会社も、経営陣はまったく国際化する気なんて、ないんです」という話を聞かされました。

「どうしてないんですか?」というボクの質問に、「外の人に内情をみられると、恥ずかしいので、できないのです」というお答え。

それに対して、「大丈夫、絶対にお宅の新聞社にも、自分たちが気づいていない、素晴らしいところがあるはずだ。ひとつだけでなく、きっといくつもいいところがあるはずだ。それを自分たちがわかっていないのではないか?怖れることはない、優秀な外部の人間にも、すこしずつ見せていけばいい」と、ボクの意見を言わせてもらいました。

江戸時代の終わり、欧米諸国の力を見せられたとき、われわれの先輩たちは、必死に追いつく努力をしました。

でも、彼らは大きな間違いも犯しました。それは自分たちのいいところ、素晴らしいところを、捨てようとしたり、過小評価したこと。素晴らしい芸術作品が、二束三文の値段で海外に売られていったことは、その一例です。自分たちの歴史や文化作品の、「普遍的価値」をよくわかっていなかった。それら作品の価値を認め、評価したのは、欧米の審美家たちだった。

また、太平洋戦争では、正反対に、自分たちの立場を、相対的に観ようとせず、独りよがりになってしまったのではないか?欧米の植民地主義にたいする大義名分がなかったわけではないけども、普遍的な魅力を持つ議論に発展させ、さらにそれを自らが実践しようとしなかったことに、大きな失敗の原因があるのではないか?

うちの会社のレベルでも、海外のお取り引き先から、非常に高く評価されていることが、いくつもあります。彼らに、まねることの出来ないことが、いくつもあります。

独りよがりの自信やうぬぼれではなく、まず自分自身を知ること、自分自身を大切にすること(甘やかすことではありません)。誰にも、どの企業にも、必ずいいところはある。ましてや何十年も存在してきた企業には、絶対に素晴らしいところがあるはず。

もっと自信をもって、内側に、自分たちとは異なる人材も入れてみること。きっとそこから、本当の意味でのグローバル化が始まると思う。

これぞ「商売の心構え」!

「資本主義の精神とはなにか?」なんて大きく構えることは、ボクみたいなクロイヌには似合わないと思っているので、「商売の心構え、とは」ということで書きますが、この「謙虚、誠実、勤勉」という言葉は、ほぼ毎週末買い物に行くスーパーマーケット「OK」にある看板で、まさに「商売の心構え」そのものではないかと、いつも思っています。

それも単に「謙虚、誠実、勤勉」であれ、というのではありません。

「極めて謙虚、極めて誠実、極めて勤勉であれ」と、これ以上ないほどに、強烈なメッセージなのです。

この会社の社長は飯田勧さんと言って、ボクはお会いしたことはありませんが、新聞の広告でお顔を拝見したことがあります。飯田さんのご兄弟は、日本でも有数の起業家たちの集まりで、長兄・博さんは「岡永」会長兼「日本名門酒会」最高顧問、次兄・保さんは居酒屋チェーン「天狗」のテンアライドの最高顧問。末弟の飯田亮さんはセコムの創業者で現在最高顧問となられていますが、実際はいまなおセコムの最高実力者です。ちょっと自慢させてもらうと、数年前、ボクはこの飯田亮さんには一度だけお目にかかったことがあり、1時間ほどマンツーマンでお話させていただきました。クロイヌは飯田兄弟のファンです。


毎週末、オーケーに翌週の「ご飯」を仕入れにいくのが、クロイヌの楽しみの一つ。写真は今朝撮りました。(写真をクリックしていただくと、メッセージがよく読めます)


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Img_1179クウ太郎、今朝、動物病院で。

エチオピアから来た靴-SoleRebels

先日、BBC World Newsチャンネルの"Ideas Exchange"という番組で、30代のエチオピア女性起業家が始めたオーガニックな靴の会社のことを初めて知りました。(見た番組は、こちら→BBC News)まだ年商は決して大きくないようですが、関心を持ったのでネットで調べてみると日本でもこの会社の靴が販売されているので注文してみました。先ほど届いたのですぐに試してみましたが、柔らかく、裸足で履くのが気持ちいい靴で、とても気に入りました。

テレビで観た創業者の女性も魅力的でした。これからの展開が楽しみにな、アフリカのemerging company!

SoleRebels Japan

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空港も変わっていく予感。

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この前羽田で国内便に乗ったとき、ターミナルに伊勢丹が入っていて驚きました。セレクトショップ風の品揃えで、「ゲーテ」や「レオン」で紹介されているような「男の小物」もあり、財布を引き締めながらさっさと店内を見て歩きました。

ここ数年、鉄道や地下鉄の駅構内がどんどんシッピングエリア化しています。デパートもうかうかしていられない状況です。

国際線のターミナル内には、免税店があって、空いた時間にウィンドーショッピングを楽しんでいましたが、これからは空港内で買い物をすることがますます増えるような気がします。買い物をゆっくり楽しむというような時間的余裕がなくなっていて、移動中の「すき間時間」を利用してでも買い物をしようという消費者のニーズを、企業側が掘り起こしているということでしょうか。

海外の空港内にはミニ美術館が入っていたりします。ヒースローのターミナルにはハロッズが入っていたりもします。先日の新聞によると、羽田空港で移動中の著名人に講演をおこなってもらおうという考えもあるようです。買い物はもちろんのこと、空港内における「婚活」、「コンサート」、「講演・講義」、「写真展」などなど、いろいろなイベントがでてくるかもしれません。これまで顧客を安全に、気持ちよく移動させることが主たる役目だった航空会社や空港管理会社の提供する価値が、すこしずつ変わっていくような気がします。

サイズのインフレ

先日、雑誌「エコノミスト」を読んでいたら、過去何十年かの間で、表示されている服のサイズが大きく変わってきているという記事がありました。("Size inflation": Why a size 10 is really a size 14)サイズ10と表示してあっても、かつてのサイズ14と同じ大きさからもしれないから、自分はかつてと同じスタイルを維持できているなんて、幻想を持たないことだという趣旨の記事でした。

リンクを貼った記事にあるグラフを見てもらいたいのですが、イギリスにおいて、1975年、女性服のサイズ10はウェストが24インチだったのが、2010年には28インチちかくにまでなっています。

女性服だけでなく、男性服にも言えることらしいのです。サイズがどんどん大きくなっていくと、購買意欲に悪影響があるので、小さめのサイズ表示でお客さんをいい気持ちにしようとする風潮が続いているということです。

減量に成功する(→スタイルが改善する)と、新しいファッションに挑戦したくなるのが人間の心理かと思います。

僕の場合は、まだそれほど減量に成功していないし、たとえ減量できたとしてもいまのスタイルが改善するかどうか、怪しいもの。最近はカジュアルな服で会社に行くことが多いので、かつてほど、スーツを買ったりすることはなくなりました。でも、たまに買うときには、ひとつでも小さめのサイズの服が入ると、うれしくなったりするので、「サイズのインフレ」(あるいは「まやかしのサイズ表示」と言った方が正確かな?)の心理的効果は確かにあるなと思います。

いわゆる「大手」とか「名門」とか、なのぼのものなの?

生まれてからずっとこの方、いわゆる「大手」とか、「名門」と呼ばれる会社や組織と、あまり縁がありません。卒業した大学、ビジネススクールは、いちおう「有名」どころに入るのかもしれませんが。

ずっと感じていることですが、日本で言うところの「大手企業」とか「名門企業」って、なんぼのものなのでしょうか?
案外せこい商売やっていたりするし、なりふり構わずというような行動をとることもあるし。あるいは意思決定者の腰が座っていなかったり、信じられないほど穴があいていたりすることもあります。

「最低限、法律に反していなけりゃいいでしょう」なんて、「名門企業」「大手企業」に言われると、「でも、法律以上のことをやるから『名門企業』って言われるのでは?」なんて思ったりもします。

でもほとんどの人は「大手企業」や「名門企業」と言われるところに対して、かなりの安心感や信頼感を持っていたりします。あそこの商品だから、まあ問題はないだろう。なにか問題があったとしてもちゃんと対応してくれるだろう、って。

問題が起こったとき、実態が見えてくることがあり、また懐の深さがわかったりします。平時、特別大きな問題が起こらず、大きな変化が発生しない限り、「大手企業」や「名門企業」の「なんとなくクリスタル」なブランドはそれなりに輝いているのですが、ちょっと問題が起こると案外もろいものだな、平気で裏切るんだな、まったくプライドなんてないんだな、というようなことが。

昨年の東日本大震災は、「大手企業」「名門企業」と言われてきたところで、どこがホンモノで、どこがニセモノかの、ひとつのリトマス試験紙だったように思います。

国内経済が右下がりになり、個々の企業でも余裕が無くなってくると、ホンモノとニセモノがこれまで以上に見えてくるだろうと想像します。うちの会社は吹けば飛んで行くような零細企業ですが、やっぱりニセモノだった、と言われたくないので、やせ我慢してでもホンモノをめざします。

メガバンク合併を巡る当事者の裏話。

1月16日朝刊の朝日新聞「再編を生き抜く」というシリーズで、住友信託銀行前会長の高橋さんが興味深い「証言」をしている。日本の銀行界に関するおもしろい記事はすくないけど、これは珍しく興味深い記事だと思った。

どういう内容かというと、2004年のUFJ(旧三和銀行)の三菱東京による吸収合併に関して、その前からUFJ側は、「三菱は相手としてありえない。やるなら関西同士で、住友だ」と言っていたのに、どうして三菱といっしょになったのか、その疑問が最近出版された三井住友フィナンシャルグループの西川社長(2004年当時)の回顧録「ザ・バンカー」で解けた、というもの。

はしょって結論だけ書くと、UFJからアプローチを受けた西川さんが、部下の幹部行員たちの意見を聞いて、UFJとの話を進めなかったということが、その本の中に書かれているらしい。西川さんは、「正直に申せば、大魚を逸した」と総括されているとのことで、高橋さんは、三井住友フィナンシャルグループは大局観を欠いていたことが今もって悔やまれるとまで記事の中で発言されている。

日本は、アメリカやヨーロッパと比べると、首相を始めとする政策決定者の回顧録でまともな内容のものが少ないようにいつも思っている。歴史を大切にし、過去のケースをしっかり勉強してそれらから学んでいくためにも、当事者には詳細な回顧録を残してもらいたいと思う。ビジネス書も同様で、「私の履歴書」程度のものしかない。西川さんの本も読もうとは思っていなかったのだけど、昨日の朝日新聞の記事を読んで、ちょっと興味を持った。

ところで、UFJと三菱東京の合併に関して、いつも思うことがある。それは、うちの会社が入っているビルには、旧三菱銀行のATMがあるのだけど、隣のビルにある旧UFJのATMと比べると、スピードが遅い。それもかなり遅いように思う。いまでは同じ、三菱東京UFJという看板を掲げていても、旧銀行のシステムが別々に動いているのか(詳細はまったく知らないので勝手な想像)、旧UFJのATMの方に好感をずっと持っている。ところが、吸収合併された側の悲哀で、システム全体をUFJ側にそろえることなく、バラバラのままになっているのだろうか。日本のメガバンク同士の合併で本当に理にかなった意思決定とその後の統合作業が行われたケース(たとえ合併される側であろうと、優れたシステムや人材をそろえていたとすると、それらの資源が十二分に活用されることを含め)があるのか、疑問だ。

ビジネス関連の書籍(回顧録)というと、「私の履歴書」程度しか思いつかないというのもちょっとさびしい話で、内容を伴った回顧録を、渦中の当事者がしっかり残してくれるようになるといいのにと思う。それがハーバードビジネススクール風に言うと、ケーススタディのための好材料になるわけだから。

追記
本当に蛇足ですが、新潮新書ででている某元総理の回顧録を読むと、よくもまあ、こんな軽い人が一時期とは言え、日本の総理大臣を務めていたものだと思ったことがあります。戦後の政治家で、まともな回顧録を残した人って、だれでしょうか?(吉田茂?)

格付け会社「ヴィジオ」

今朝の朝日新聞(オピニオンページ)の「ザ・コラム」というコーナーで、大野編集委員が、ヴィジオというフランスの格付け会社を紹介している。90年代半ばまで10年間金融業界で働いたボクも初めて聞いた社名。

この会社は、SRI(社会的責任投資)に参考となる格付けを提供している会社だという。採点には、財務データよりも、コーポレートガバナンスや環境、雇用への取り組みを評価基準としている。この会社の格付けで、東京電力は2年も前からかなり低い評価を受けていて、とりわけ評価が低かったのが企業統治部門。100点満点中、たったの2点だったという。3.11以降の東電を見ると、この格付け機関の「宣託」のあまりにも正確な「先見性」に驚く。環境部門も悪く、07年の柏崎原発の放射能漏れ事故後の情報公開があまりされていない、自然エネルギーへの熱意がないということで、7点しか与えられていないとか。

記事によると、ヴィジオから情報を買っているのは100機関、欧州勢が大半で、日本からは2社のみ。

今年改めて思ったことだけど、日本はまだまだ「発展途上国」モデルから卒業できていないのかもしれない。多くの企業は、目先の利益、利害を優先し、個人や家族、コミュニティの利益に配慮することが不十分に思う。理念も持たず、ただ大きなものに流されていくだけ。理念では食えないと思っている人が多いけど、理念がないから付和雷同になり、利益率も低い企業活動しかできず、ある程度の豊かさを達成しているのに幸福度が低い社会になっていると言えるのではないだろうか。

もしドラッカーが日本赤十字の社長だったら。

 ドラッカーはマネジメント(経営)は、企業だけでなく、非営利事業団においても重要だと言っていた。いや、非営利団体においてこそ、マネジメントは大切だとまで言っていたような記憶がある。

 今回の東日本大震災にあたって、多額の義援金が国内、国外から集まっていると聞いている。うちの会社も、社員の提案で、「あなたのがんばり、被災地へ届け」というキャンペーンを行っている。(→キャンペーンHP)

 でも「いいこと」を実行することは、実はものすごく難しい。英語でもこんな言葉がある。Good will does not always lead to good results. (善意は必ずしも、いい結果につながっているわけではない。)善意を、いい結果につなげるには、マネジメント力が必要だ。この部分を僕らは忘れがちだし、見落としがちだ。気持ちだけでは、いい結果にはつながらない。知恵、そして人間の本性というか、人間の性(さが)を見通す力が必要になってくる。いつまでも援助モードでいるのではなく、適当なところで『自立支援モード」に移っていかないと、人はいつの間にか「依存モード」から抜け出せなくなってしまう。気仙沼の魚市場の再開を漁業組合の人たちが話し合っている風景をテレビで見たけど、海の男たちの心意気を感じて、僕は「勇気をもらった」。

 うちの会社でも、ふたつの奨学金制度をやっている。ひとつは「オデッセイIT奨学金」、もうひとつは「オデッセイコミュニケーションズ奨学金」。前者は、AFS高校留学の支援、後者は一橋大学の学生への奨学金。当然、善意でスタートしているのだけど、こちらが意図するような人に、有効にお金を使ってもらうような結果につなげていくのは、簡単なことではない。チャリティやボランティアというのは、「マネジメント力」が必要なのだ。(でも、それをしっかりと認識している人は、本当に少ない)

 僕のビジネススクールのクラスメイトで、アメリカの赤十字に勤務している人がいた。2007年にボストンであった卒業20周年パーティで会ったとき、「民間セクターで働いた後、公的な事業に貢献したくて、いまは赤十字にいる」と言っていた。彼はまだアメリカの赤十字にいるのだろうか。

 いま、日本赤十字をはじめとする各種団体には、多額の義援金が集まっていると聞く。彼らにマネジメント力があることを心から願っている。

萎縮する必要はないよ。

 東北3県でパソコンスクールを展開されているお取引先の方と電話で会話。まだまだ復旧作業が終わらない模様。皆さんを元気づけるためにも、一席設けたいと思っていますが、数ヶ月先になりそうです。
 
 今日午後、ちょっと用事があって銀座に行きましたが、震災前にはあふれ返っていた海外(特に中国)からの観光客の姿がまったく見られず!銀座の大通りがなんとも寂しい風景でした。丸の内界隈のレストランでもお客さんの入りが3、4割減ってしまっているようだし、タクシーの運転手の話では売り上げが2割以上落ちたとか。

 これまでのライフスタイルを見直す、いいチャンスだと思っているけど、世の中の雰囲気に呑まれて自粛というか、「萎縮」してしまうのは、反対!

 社会の雰囲気や空気にいつの間にか、自らの「気」を抜かれていくのは気をつけようよ。

あきず、あせらず、あきらめず。

 家で食事をするときには、時々玄米を炊いて食べているけども、今読んでいる本によると、玄米食で体にいい変化が起こり始めるまでには一年くらい続けないといけないと書いてある。努力しているけど物事がよくならない、結果がでないとぼやく人は多いけど、案外本人が思っているほどは努力をしていないし、継続できていないのかもしれない。
 
 基本的なことをきちんと積み重ねていくことが結構難しい。結果が出始めるまで、時間がかかることが多いので、忍耐が続かないのだ。本のタイトルを見ても、一週間で結果がでる「なになに法」なんてハウツー本ばやりだし、ダイエットや美容にしたってすぐ効果が出るという宣伝文句ばかり。食事だってでてくるまで待つことができない。スピードばやり。

 でも、自分自身を変えること、ビジネスにおいて結果を出すこと、どちらも時間がかかる。

 それに同じビジネスを5年も、10年もやっていると、あきてしまう人が多い。小社がマイクロソフトオフィスの資格試験を始めた1997年、98年頃、パソコンスクールを始めたところは多かったけど、一体そのうち何カ所が現在もスクール事業を行っているだろうか。また現在も続けていたとしても、飽きることなく、同じような熱意でビジネスを継続できているところはどのくらいあるだろうか?

 自分が自分のビジネスや人生に飽きて(あるいは厭きて)しまったら、危ないよね。少々努力しているようでも結果がでるまでにはそれなりの時間がかかる。一年やそこらの努力ではまだまだ足りていないのだろう。「石の上に3年」って昔の人はよく言ったもの。昔の人が言ったことって、案外本質的だなって思うことが多い。
 
 「あきず、あせらず、あきらめず」。今年はこれを口癖のように言い続けるよ。

「東京には獲物が跳ね回っている」って。

 某地方都市で起業し、現在は地元だけでなく東京にも拠点を構えて、全国展開している企業を顧客としてビジネスをされている方と、昨日、昼食をした。その方によると地方都市にはビジネスの獲物が少ない。見つけるための努力がたいへんだ。そもそも獲物がいないのではないかと思うことさえもある。ところが東京に来ると、ここにもあそこにもという感じで獲物がいる。地方に閉じこもっていないで東京にでてくるべきだ、とおっしゃっていた。
 また東京の未来の姿は地方にあるかもしれない。その主旨は、東京もどんどん高齢化が進んで、いまの地方都市のように老人ばかりが目立つ、活気のない街になっていくのではないか、と。
 僕もこの数年全国各地のお取引先を訪問しているけども、東京以外の町はたいへんそうなところが多い。高知や松山に帰ると、こんな感じだったかなと思うことがある。小さい頃、もう30年以上も前のことなのだけど、子どもの僕の目にはもっと松山や高知は輝いていたような記憶がある。
 東京以外の方が生活の質はいいのかもしれない。でも金を稼ぐという意味では、東京は日本で一番いい市場だろう。ただ、東京も人材の面からは案外だめだ。人材の幅、深さ、専門性、まだまだ十分ではない。東京でさえもそうだから、地方ではいい人材を見つけていくのはたいへんだと思う。それが起業を一層難しくし、企業の発展の大きな障害になっている。東京でも起業時の人材募集はたいへんなんだから地方はもっとたいへんだろう。

 それでも前に進んでいかないといけないのだけど。

John Sculley On Steve Jobs

かつて一時期アップルの社長だったジョン・スカリーが語ったスティーブ・ジョブス。
John Sculley On Steve Jobs

以下、オライリーのメルマガでの紹介文。

"the full interview text is fascinating reading. Sculley gives Jobs full respect, and his insights make for very interesting reading. It’s okay to be driven a little crazy by someone who is so consistently right. What I’ve learned in high tech is that there’s a very, very thin line between success and failure. It’s an industry where you are constantly taking risks, particularly if you’re a company like Apple, which is constantly living out on the edge. Your chance of being on one side of that line or the other side of the line is about equal."

『これを見ればドラッカーが60分で分かるDVD』(PETER DRUCKER: AN INTELLECTUAL JOURNEY)

 ほとんどの経営者は、自社が永続性を持った強い組織であり、社員、取引先、そして社会にとって価値ある組織でありたいと希望しているはずです。ボクもそんな経営者の一人です。多くの経営者にとって、経営(=マネジメント)を考えつづけていく上で多くのヒントを与えてくれるのか、ピーター・ドラッカーです。ドラッカーについては、これまで何度も書いてきました。(→一番最近ドラッカーについてかいたものは、2009.11.29 ドラッカー生誕100周年記念の国際会議
 DVDのタイトル、少々安直な感じがする日本語タイトルですが、英語の原題は、"PETER DRUCKER: AN INTELLECTUAL JOURNEY" という真面目なものです。
 このDVDの中には、ドラッカー自身の発言と、彼から多大な影響を受けた主にアメリカの経営者たち(GEのジャック・ウェウルチを含む)のコメントが紹介されています。たとえば、ドラッカーはこんな発言をしています。「長過ぎた成功は、新陳代謝の妨げになる」(バブル崩壊後20年にもなろうとする日本のことでしょうか?)。あるいはこんな言葉があります。「中国ではかつては自動車は贅沢だったが、今では人々は必需品と見なしている。これがグローバル化だ。それは経済現象ではなく、心理現象だ」。
 60分の短いビデオですが、あらためてドラッカーの魅力を認識します。
 僭越ですが、ぜひ現在の日本政府の中枢にいらっしゃる政治家の皆さんに、ドラッカーを勉強していただきたいです。労働運動、学生運動のご経験はお持ちの方々は多いようですが、起業やビジネス経験をお持ちの方は少ないようにお見受けします。政府関係の方々は、ビジネスを「商売」として、官の仕事には劣るものであるとお考えの方が多いように思いますが、国益といわれるものは実はその大部分が経済的な利益のことです(特に、戦後日本において)。「雇用、雇用」と叫ぶのはいいのですが、雇用を作り、雇用を増やしていくために、どのような考え方があり、なにをしないといけないのか、ぜひドラッカーから「マネジメント」について学んでいただきたいです。かれには、非営利法人のマネジメントについても数多くの発言と著作があります。

学び続ける組織。

『ザ・トヨタウェイ』(日経BP)の著者、ジェフリー・ライカーが、「日経ビジネス」(2010年10月18日号)の巻頭インタビューで以下のような発言をしています。

1 「トヨタの強みは規模の大きさにあるのではありません。問題点を発見して、『カイゼン』を続ける企業文化にあると考えています。」

2 「米国は転職社会ですが、トヨタは長期雇用を前提に、従業員を雇っています。ベテラン社員が若手を熱心に指導して育てる。だからトヨタが重視する価値観や技能が伝承される。この文化があれば、時間がかかっても、トヨタの収益力は再び高まるでしょう。」

こういうことが、「学び続ける組織」ということだと思います。
当社も、見習いたいと思っている点です。

銀座三越を訪問した外人は日本が不況とは信じない。

 先日、テレビで特集されていたリニューアル後の銀座三越に、昼休みを利用して行ってみました。すごい人、人、人。
これだけ見ていると、日本が不況だとは誰一人、信じないと思います。絶対に確信をもって言えます。リニューアル後、まだ一週間程度だとはいえ、たいへんにぎわっていました。海外の旅行者であれば、日本のどこが不況なのかと不思議に思うはずです。今年の春、ニューヨークから来日したお取引先の方をデパ地下に案内したら、「日本は不況なんかじゃない!」とひとこと。
 うちの会社がある丸の内、そこから歩いてすぐのところにある銀座、このあたりで毎日生活している限り、日本の不況は見えてきません。(ただし、注意しているとちょっとだけ見えてきます。東京駅周辺にはホームレスが結構います)
 ここ数年、全国各地のお取引先を訪問していますが、東京だけです、それなりに回っているのは。大阪だって、福岡だって、リーマンショック以降は名古屋でさえも、調子はイマイチ。東京と東京以外の格差こそ、日本の最大の課題の一つだと思います。
 銀座三越の話に返ると、百貨店にはぜひ頑張ってもらいたいです。それほど百貨店で買い物をしたりするわけではないのですが、百貨店の良さは大切にしたいです。日本の大切な買い物文化の一つだと思います。ユニクロ、コンビニ、ネット通販だけになってしまったら、買い物はつまらなくなってしまいます。(もちろん、それらも重宝しているのですが)

 写真は、3連休中、のんびり昼寝をしていたカイ(♀甲斐犬)。(首の周りのプラスチックは、エリザベス・カラー。失明後、顔を守るために我慢して付けてもらっています) 飼い主もこんな感じで休みたいです。

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円高なのか、円安なのか?

 FTやEconomistを読んでいると、名目的には円高になっているかもしれないが、実質的にはまだ円安である、この10年ほどずっと円安であったにもかかわらず日本経済は拡大しなかった、海外市場でも日本製品のシェアはどんどん低下してきた、日本は世界の消費者が求める商品を提供できていない、グローバル市場への対応に遅れをとった。そんな記事が目につきます。
 一方、日本の新聞を読んでいると、15年ぶりの円高水準だ、急激な円高に政府はまったくの無策だ、このままでは企業はやっていけない、中小企業はもう死にそうだ。そんな記事ばかりです。
 立場が違うとこれだけ見方、感じ方が違うものかとも思います。頭では円安(理論値ではそうかもしれない)、でも気持ちで感じるものは円高(だからもっと円安にしてくれ!)というところでしょうか。
 確かに、何年か前から昨年くらいまで、日本に来る海外の友人、知人たちが口を揃えていっていたことは、「日本のホテルは安くなった」ということ。彼らにとっては円安だったのかも。彼らの羽振りもよかったのでしょうが。
 主要国の自国通貨を安くしようとする競争はどうなっていくのか?お互い、自国通貨を低くして輸出で稼いで時間稼ぎということを、順番にやりあいっこできればいいのですが。
 日本に対する主要国の本音は、これまでさんざん円安を容認してきたじゃないか、時間をあげたのに国内の規制緩和は進めず、自分から変化しようとしない、小泉以降は総理をとっかえひっかえしている。リーマン以降、こっちだって余裕ないんだからしばらく円高を受け入れなさいよ、というところでしょうか。

Jリーグの経済学(2)ー「社長・溝畑宏の天国と地獄」(木村元彦著)

 この前、レイソルの試合を観たあと思ったことを「Jリーグの経済学」として書いたら、お読みいただいた何人かの方がリンクを張ってくださいました。ありがとうございます。

 先週末、「社長・溝畑宏の天国と地獄」(木村元彦著)という本を、興味深く読みました。溝畑という人に関しては、新聞紙上で読んだこと以上は知りませんでしたが、非常に面白い人物だなと思います。大分FCの社長をやめた後、今年の1月に国土交通省観光庁長官に就任されています。新しい職務でのご活躍を心からお祈りしています。

 大分のサポーターの方々、および県関係者たちは、溝畑さんに対するさまざまなご意見があることと思いますが、木村さんがこの本で書かれている「事実」をどのように受け止められるのでしょうか。

 プロスポーツチーム、あるいはプロスポーツを主要な事業とする会社の経営は非常に困難なことだなと、あらためて思います。映画や音楽のビジネス以上に難しいのではないか?サッカーチームを経営する主要な国の企業で黒字を継続できている会社はどのくらいあるのでしょうか。

 この本に関してですが、溝畑さんという稀有なキャリア官僚以外にも、ユニークな人物が登場してきます。朝日ソーラー創業者の林さん、マルハン創業者の韓さん、市民運動家(オンブズマン)の永井さん、平松前知事などなど。皆さん、とてもユニークな方たちで、それぞれが魅力もお持ちです。特に、著者がかなりのページを使って紹介されている、マルハンの韓会長のお考えは立派だなと、共感を覚えるところがありました。在日韓国人として差別と闘いながら会社を大きくされた経営手腕や経営努力には敬意を表します。(ただ、僕の個人的な価値観としては、パチンコにはもろ手をあげて賛成というわけではありませんし、Jリーグのスポンサーの業種に関する「規制」には賛同しています)

 J2に落ちた大分はかなり苦戦しているように見えますが、ぜひJ1復帰を目指して、県、サポーター、地元企業は、一体(トリニティ)となって頑張ってください。小社はアビスパ福岡のユニフォームスポンサーとなっていますが、Jのすべてのチームを心情的には応援しています。特にこの本を読んだあとには、大分トリニータも。

 

『問題は、ビジネスセンスを磨くことだ!』(吉越浩一郎著)

 副題に「資格とスキルに頼るな!」とあって、ちっと気になって読んでみましたが、合理主義者(であると、著者のことを想像しています。お会いしたことがありませんが)らしい、またいい意味での常識人である、結果を残された経営者のお話です。(著者はトリンプインターナショナルの、それこそ、「伝説的な」経営者。2006年に退任)

 資格に関しては以下のようなことを述べられています。

・日本のビジネス社会で案外役に立つのが「資格」です。

・「資格」は、転職先に自分を売り込むときにも、有利に働きます。

・社内においても、資格を持っていることが昇進の際に有利に働くことはありうることです。

・世の中には疑問符の付く資格もありますが、TOEICなど、自分の知識レベルの証明になるようなものは活用してみてはどうでしょうか。

・職務経歴書に書ける専門性を身につけにくい日本のビジネス社会では、資格は自分のチャンスを広げていく上でかなり有効です。

・ないよりはあったほうが得をすることが多いですから、知識のベンチマークのつもりで、資格取得を目指してみるのも一つの方法だと思います。

 お会いする機会があれば、小社で行っている資格についてもご紹介させていただきたく存じます。

Jリーグの経済学。

 今日はある方にお会いさせていただくために午後都内へ。大学生のころからファンだったかたなので、お会いできてうれしかった。

 その後、柏まで行ってレイソルとヴァンフォーレのJ2一位、二位対決を見た。アウェー側には、写真のとおり、山梨から大勢のファンが来ていて力の入れようがしっかりと伝わってくる。甲府は甲斐犬たちのふるさとということもあり、甲斐犬愛護会の展覧会にもなんどか参加している我が家としてはひいきにしているチームというか、フランチャイズのひとつ。

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試合はレイソル楽勝ムードだったのに、一人退場者がでてからは完全にヴァンフォーレに試合は傾き、終わってみると2−2。最後の10分程度でやられてしまった。終了後はヴァンフォーレ勝利のムードが漂っていた。
ナイターの試合としては最高の天気で空には写真のような月が。

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 ところで、Jリーグは、一体、なんのためにやっているのだろうか?
というのは、最近発表された昨年度の各チームの収支報告を見ながら、これだけ赤字でいいのだろうか?!という素朴な質問があるからだ。これだけの規模で行われている活動であればおカネの帳尻があわないものは長続きできない。厳しい言い方をすると、黒字でないものは社会から求められていないのかもしれない。

 一見黒字になっているチームも、広告収入の比率が異常に高いところは、株主となっている企業や自治体からの実質的な補助金で支えられているということだろう。そんなところは、親の考えが変われば(日本テレビ)、子どものサッカーチームはたいへんなことになる(ヴェルディ)。

 カネの亡者なんて大嫌いだけど、カネの帳尻があっていない人間の活動は、継続できない。カネのことを忘れていられるのは子どもの特権で、大人になるとそういうわけにはいかないよ。

 J1チームの中で感心するのは山形。ここは入場料収入(3億39百万円)が、広告収入(1億94百万円)を上回る。僕の会社がユニフォームスポンサーになっている福岡よりも、入場料は多い(福岡は入場料収入2億1百万円、広告収入4億24百万円)。人口でいうと圧倒的に大きな福岡のチームが、絶対金額でも、山形のチームよりも少ないとは、残念な話だ。福岡のみなさん、もっとレベスタに行って下さい。(そして当社の資格試験も受けて下さい!)

 入場料収入>広告収入となっているチームは、山形以外では、仙台、東京Vしかない。

 プロ野球チームの経営はどうなっているのだろうか?野球の場合には、チーム名の一部に、株主企業の名前をつけることができ、それが大きな広告効果を生んでいるのだろうし、株主側には大きな満足感もあるのかもしれないが、Jリーグの場合、背中や胸にスポンサー名が入ったりする程度。アビスパの場合も、福岡市がかなりの資金援助をしてきたとお聞きしている(それは公表されていることだけど)。
 
 Jリーグの理念は立派だと思うけど、あまり「清貧の思想」にとらわれていると、継続できないし、考える事、やる事のスケールも小さくなってしまう。

 もう一度、最初の質問にかえるのだけど、Jリーグは一体なんのためにやっているのだろうか?

 土曜日の夜、満月の夜空のもと、「そこそこのレベル」の試合を楽しみ、なんとなくハッピーな気持ちなって家路に着く人達は、もしJリーグの試合がもう見られなくなったとしたら、どうするだろうか。スペインやイタリアでは、サッカーは人生の一部になっているといわれるけど、日本ではどうなんだろうか?日本にはバレーもあれば、バスケットもあり、柔道、相撲、野球などなど、遊びというか、楽しませてくれるものが、実に多い。だからサッカーがなくなると、ちょっと寂しくはあるけど、他のもので代替できるだろうか?

 試合後、グループで来ているサポーターたちの楽しそうな話に耳を傾けながら、日立のグラウンドから駅近くの駐車場まで歩いている間、そんなことを考えていた。

クルーグマンの「斬り捨て御免」

ノーベル賞受賞者は、紹介されるときには必ずそのことが枕詞になる。クルーグマンも、名前の前に「ノーベル経済学賞受賞」あるいは「ノーベル賞経済学者」がつく。この記事によると日銀なんてけちょんけちょんにされていて、ノーベル賞経済学者になると、「斬り捨て御免」なのかね。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/994

このなかで、ひとつ共感する点がある。それは以下の文章。

 「今の景気停滞は、特に若い人々をひどく傷つけている。日本だけでなく、アメリカでも大学を卒業した若者たちに仕事がない。実証的に言えることですが、これは彼らの一生をねじ曲げてしまいます。卒業後、長期間にわたって就職に失敗し続けたら、その後遺症からは一生回復できない。」

 一生回復できないかどうかはわからないけど、最初につまずくと、面倒なのは確か。だからこんな言葉も紹介しておきたい。

 「人生でもっとも輝かしい時は、いわゆる栄光の時でなく、落胆や絶望の中で人生への挑戦と未来への完遂の展望がわき上がるのを感じたときだ。」(ナイチンゲール)

Five hallmarks of the great CEOs.

From the FT article by Robert Sutton ("Separating the best CEOs from the dolts")

1 They have what psychologist John Meacham calls "the attitude of wisdom"-the courage and confidence to act on what they believe, in concert with the humility and self-doubt.

2 Good bosses do not deny or gloss over their own weaknesses.

3 They devote seemingly compulsive attention to how others respond to their words and expressions.

4 They know how to lead and join a good fight. Good bosses "fight as if you are right, and listen as if you are wrong."

5 Regardless of how well their company is doing, good leaders keep challenging their assumptions.

Tesla Motors のプレゼンを聞いた。

 久しぶりに、新丸ビルに入っている東京21Cクラブの集まりに久しぶりに出席、電気自動車のベンチャー企業、テスラ・モーターのアジア代表の方の話をお聞きした。テスラについては、昨年か、一昨年、サンフランシスコであったWeb 2.0 Summit でも創業者の方の話をお聞きする機会があった。かっこいいスポーツカーが完全に電気自動車となっているのに、ちょっと驚いた。
 トヨタが出資するとかしないとかの話もあり、引き続き話題を呼んでいる自動車メーカー。
 テスラが日本で成功するのかどうかもそうだけど、本国のアメリカでどれだけ売れるのか?でも、日本で買うと1500万前後のようなお金がかかるみたい。どちらかというと、その10分の1で買えるHONDAのフィットのハイブリッドの方に興味がある。ずっと前から言っていることだけど、トヨタがプリウスワゴンを出してくれて、後ろの荷台に犬のケージが入るようだとすぐにでも買いたい。犬たちのことさえなければ、通勤や週末のスーパーへの買い物には、HONDAフィットで十分だよね。
 だから、僕はテスラには縁がないだろうけど、試乗とかはしてみたいし、この会社の車が自動車産業にどんな影響を与えうるのか、関心はとてもある。
 テスラのあとは、ケータイ広告の会社のお話をきいたけど、こっちはもうチンプンカンプン!ケータイの広告ビジネスが拡大しているのはもちろんわかっているけど、自分自身がケータイの広告などまったく見ないし、ゲームにもまったく関心がないので、日本のケータイ・ユーザーの層がどれだけ大きいか、その結果、ケータイ広告ビジネスも大きい、なんて話にどうしても関心が持てない。
 このケータイ広告配信会社、日本の会社ではなくって、アジア発の会社。ヨーロッパ、アメリカでもビジネスを行っているそうだけど、国際比較のデータを聞いていると、日本人の特定のケータイサイトへのアクセス数はもう異常なくらいの規模になっている。みんなケータイ・ゲームの中毒になっていない?!こんなことを言っていると、「クロイヌはもう年だね!」って、反論されそうだけどね。
Tesla Motors

「実体を変えない仕事は意味がない」

 タイトルの言葉は、今日の日経新聞「インタビュー_領空侵犯」にでてた三菱ケミカルホールディングス社長・小林善光さんの言葉。「マネーの世界にはスイッチ一つで、もうかった、もうからないというビジネスがある。楽ですよ。私は自然科学で育った人間ですから、実体を変えない仕事は意味がないと思います。仮想的なものは体質的にウソっぽく見えてしまうんです」
 そのほか、メモした言葉。
「経営に二面性はやむを得ない。高い理想を掲げながら、現実の問題に対処しているわけです」
「今の経営学は企業のやっていることを、後から整理するだけでしょう。何が面白いのですか」
「後講釈の経営学は要りません。(中略)いまだに欧米の学説を翻訳しているような学者が多いのではないですか」
「MOS(=Master of Sustainability、時間軸、永続性を考えた経営)の理念に基づく日本発の経営学をぜひ発信してもらいたい」
 理学博士でもある経営者の発想はおもしろい!

モノの消費時代からの卒業。

 アメリカ滞在中、ホテルのテレビでCNNの株式情報をみていたら、コメンテーターが「アメリカは消費経済。皆さんが消費しないと経済は良くなりません!」と叫んでいた。確かに、日本企業もアメリカの皆さんにモノを買ってもらって助かっているのはわかっているけど、「アリとキリギリス」の話に例えて言うと、キリギリスの役を続け過ぎではないかと思う。またわれわれ(日本、ドイツ、中国など、過剰貯蓄、過剰生産の国々)も、過度なほどにアリであり続けることを良しとしてきた面もあるかもしれないし、アメリカの消費市場に頼りすぎたし、アメリカの消費社会を「容認」し過ぎてきたと思う。アメリカと日独はどちらもバランスがとれていない。
 アメリカで買って来た本の一冊は、"TINY Houses" (RIZZOLI 発行)という本なんだけど、この本は世界中の「小さな家」(100平方メートル以下の家で、7平米の家なんてのも含まれている)を紹介した写真集で、この本の前書きに著者がこんなことを書いていた。
 "It seems that given an economy that runs on consumption, even the consumption of green products, there is a general feeling that it is miserly and judgmental, somehow against the American Dream, to reduce how much we take in and how much space we take up. According to the National Association of Home Builders, the average home size in the United States was 2,330 square feet in 2004, up from 1,400 square fee in 1970."
 「消費社会のアメリカで、モノや空間を節約しよう、もったいないなんて言葉は、アメリカン・ドリームに反するって言われるかもしれない。アメリカの家の平均的な広さは1970年には130平方メートルだったのに、2004年には216.5平方メートルになっている。」
 日本の平均的な家の広さは、100平方メートルにも達していないのではないか?
 多くのアメリカ人にいくら説教しても消費社会からは抜け出せないだろうなと思う。アル中、麻薬中毒にかかっているようなものだから。(日本のパチンコ中毒やギャンブル中毒、ケータイ中毒みたいなもの?!)特に、一部の裕福な連中の消費行動にはあきれる。だからアメリカ人お得意の言い方をすれば、市場が強制しない限り、アメリカの消費社会は変わらないのだろうと思う。
 もうすでに「消費から投資」の時代をさけんでいるアメリカの金融関係者はいるので、すこしずつ変わっていくことを期待しているけど、アメリカも日本同様、「ポピュリズム政治」(投票権者に厳しいことは言わず、聞きたいことだけを約束する政治、別名、増税なしのばらまき政治)だから、2012年の大統領選挙に向けて、どのような展開になるのか。
 国や他の人たちのことはいいとしても、すくなくとも我が家というか、クロイヌたちと僕はモノの消費時代から卒業しつつある。「モノよりもサービス、モノよりも経験、思い出」!
"TINY Houses"

企業価値向上の長い道

 日経新聞夕刊に連載されている「人間発見」、今週はフィデリティ・ジャパンの蔵元康雄さんのインタビュー記事が続いているが、おもしろい。ご紹介されている企業、たとえば京セラ、丸井、ニトリ、キーエンス、イトーヨーカ堂、しまむら、コメリなどがまだ地方の知る人ぞ知る優良企業として、全国的に名を知られるまえからアナリストとして訪問され、各社の経営者とのお付き合いの中から気付かれたことを、インタビュー記事の中でお話になられている。

 各社とも、真の企業価値向上のために、地道な努力を継続された結果が、現在見る姿につながっているかと思います。参考にさせていただきたいです。

iPad on Business 出版記念パーティ

知人の大木さんが今月末、iPad on Business という本を出版します。もちろん僕はアマゾンで予約をいれていますよ。長くソフトバンクに勤務された経験を持つ、ITと人材育成の専門家の方です。8月4日小社の会議室で、出版記念セミナーを開催します。
詳細は大木さんのブログをご覧ください。
「走れ!プロジェクトマネージャー!」

大木さんのお話、僕は楽しみにしています。

台湾うなぎの広告

台湾のうなぎのほとんどは日本向けに養殖されているとか。地下鉄車内で見かけた台湾うなぎの広告です。メッセージがいいです。(「日本で育てられたうなぎもいいけど、日本のために育てられたうなぎも、いいかもなあ。」)
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「理論的な洞察力」

今朝の日経新聞のコラム「大機小機」にいい言葉が紹介されていた。1976年2月特別号の文藝春秋からだが、下村治の以下のような言葉だ。

「転換期を説明するには過去のデータに基づくモデルではだめで、転換期をつかむことができるのは理論的な洞察力だ。」

これは起業あるいはビジネス一般にもあてはまる。起業やマーケットを作っていくには、過去のデータを参考にしつつも、「理論的な洞察力」、あるいは「動物的な知的感覚」が必要だ。

ATMの発明家、84歳で死亡。


YouTube: In Memoriam May 23, 2010

先週末のFinancial Timesを読んでいたら、世界中で使われている銀行のATMの発明家が、5月15日、84歳でなくなったという記事。1965年、お風呂に入っていた時に思い浮かんだそうです。バークレー銀行が最初に取り組んでくれたそうですが、アメリカに売りにいったら、誰も相手にしてくれなかった、そして日本に持っていったら、「アイデアありがとう。ロイヤルティを払うから、自分たちで開発したい」と言われたとか。(なんとなく日本の会社がいいそうなこと) →NewsScotsma.com記事

パーキングエリアはビジネスチャンスが多いかも。

 カイ(♀甲斐犬)とドライブに行ったのですが、帰り高速のパーキングエリアで富士重工がレガシーの新シリーズのプロモーションをやっていました。僕が好きな女優の一人、石田ゆり子を使ったCMが目を引くのですが、追突をさける自動ブレーキングシステム、Eye Sight を売りにしている新シリーズです。
 高速道路のパーキングエリアで自動車のセールスプロモーション(SP)をやるのは非常にいいアイデアだと思いました。特に自動車関連。これからもパーキングエリアではいろいろなSP活動を見かけることになるような気がします。

 それから今日の富士重工のSPに関しては、ちょっとしたアンケートに答えると、レガシーのミニカーをもらえるのもうれしい話でした。

パソコン操作は情報リテラシーではない。

 僕らの会社はパソコンの資格試験を生業として、社会の中で、ほんの少しかも知れませんが本業を通して社会貢献させてもらっていると思っています。MOS試験だけでいうと過去10年間で250万人の方に受験いただきました。多くの方にとって、就職、転職などの人生での転機、あるいは日頃のパソコン仕事において、小社で行っている資格がお役にたっていると信じています。
 僕らのやっていることは、あくまでもパソコンソフトの使い方、パソコン・リテラシーの向上に貢献することが中心で、決して情報リテラシーというわけではありません。そのあたりのことを、日経BPの記者の方が日経ビジネスオンラインに書かれていて、良い記事だったと思うので、社員のひとたちやうちの試験会場になっていただている全国のパソコンスクールの方たちにもお読みいただければいいなと思っています。
 パソコンリテラシーを身につけること、それをお手伝いすること、それは情報リテラシーを身につけることとは違ったレベルで、大切なことだと思っています。
 ドラッカーは、仕事をする上でパソコンを使わず、道具はファックス、電話、そしてタイプライターだけだったそうです。でも、それはドラッカーがパソコンが存在しなかった時代に育った世代だったからです。いま彼が20代、30代、あるいは40代くらいまでであれば、好奇心の固まりのドラッカーは、パソコン、デジカメ、ケータイなどの仕組み、使い方、将来性をとことん考え、使いこなしていたのではないかと想像します。経営に関する彼の仕事の中身は変わったかもしれないし、変わらなかったかもしれない。どちらにしろ彼が考えたことは人間の本質に関わることだったと思います。
 情報リテラシーというのは、そう簡単に教えられるものではなく、そう簡単に測れるものではないと思います。情報リテラシーというのは、その人の生き方、好奇心、周り(他人)に対する配慮、心配り、感度の良さなど、生まれてから経験したことの蓄積の上に出来上がった、人物そのもののようにも思います。情報リテラシーと書くと、正直言って、すごく薄っぺらいものに聞こえます。
 カタカナ言葉(たとえば「リテラシー」!)は便利ですが、軽いなあと思います。もうすこしカタカナ言葉を減らして、ふわふわとした頭の中をもっと地に足の着いた議論をしたいです。

日経ビジネスオンライン記事「パソコン操作は情報リテラシーではない。」

Barrabes.com

4月14日のFT記事で読んだスペインのネット企業。

山で生活し続けたいという希望を持った起業家が起こした山岳用品販売の会社。お金よりも自分のライフスタイルを作っていきたいという希望が原動力。好感を持った。

barrabes.com

男は、カッコよくないとダメという話。

話題の男性矯正下着が、日本にも年内上陸という話題。どんなものか、ちょっと気になります。

ロイター記事

Equmen

Office 10以降の販売戦略

クラウドコンピューティング、無料化の流れが、マイクロソフトオフィスの販売戦略にどのような影響を与えていくのか。われわれも高い関心を持っています。

→「Office 2010」での大きな転換--無料版提供に見るMSの販売戦略(CNET記事)

語学の問題

 以下、語学の問題に関して、ちょっと「乱暴な議論」。
 英語を「公用語」にしようという提案に対しては必ず反論、反発がでてくる。当然の議論もあるけども、反論の中には自分たちの英語力のなさへのコンプレックスを根っこに隠し持っているような印象を受けることがある。英語を勉強したから日本語ができなくなるとか、日本文化を知らない日本人になってしまう、というような「雑な議論」を聞いていると、結局自分の力のなさを隠した言い訳ではないかと感じてしまうことさえある。。
 かくいうクロイヌだって、大して英語ができるわけじゃない。ビジネススクール卒なんて箔をつけてもらっていたって、自分では全然駄目だなと思うことの方が多い。英語がずっと続くとしんどいなと思うし、英語での議論についていけないこともしばしばだ。でも、このごろの日本の内向き議論の多さにはうんざりする。世界の競争を見よ!
 日本人が英語ができないことで海外で失っているものが多いことは、自分の体験からもよくわかっているつもりだけど、それに加えて、もうひとつ大きな問題があることを最近感じる。それは、英語ができない日本は、日本国内で受け入れる外国人に、日本語を話すことを強要する、あるいは過大に期待するということ。その結果、日本語ができない外国人は受け入れようとしないこと。
 たとえば、看護師。彼らに要求する日本語レベルは妥当なのだろうか?
 たとえば、研究者や専門家。それぞれの専門分野での知識や経験に加えて、日本語まで期待していて、どれだけ世界で活躍する専門家が日本に、あるいは日本企業に来てくれるのか?(残念だけど、特に理科系の日本人研究者や専門家の多くは英語が苦手だという話をよく聞く。)そのような外国人と接する日本人はTOEICで何点ですなんて言っているレベルではもうまったくだめなのに、そのTOEICレベルでさえ、800点だ、900点だと言って汲々している人が多い。
 韓国との比較で言えば、明治維新前後に置ける日韓のメンタリティの違いが、まったく逆転してしまっているのではないかと思う。なぜ李朝は近代化に遅れ、新興国である日本に併合されるようになってしまったのか。日本は司馬遼太郎のマジックに酔ってしまっているので、明治維新の一面ばかり見ることが多いけど、僕が興味があることのひとつは、どうして朝鮮が日本に遅れてしまったのかということで、それは現在、なぜ日本が国際競争の中で遅れてしまっているのかということにつながってくるように思う。
 韓国はアジア通貨危機のとき、IMFの管理下に置かれ彼らからすると国辱的な思いをした後、ものすごい勢いで「国際化」と海外進出をはかっている。ほんの十数年前の話だ。それに引き換え、どうも日本は「お公家さん」になってしまっている。今年、中国にGDPで抜かれるということが話題になっているけど、このままだと1人あたりのGDPで韓国に抜かれる日さえも、来るのではないか?
 語学(英語)の議論はある意味物事の表面のことなんだけど、今の日本にとっては、ものすごく大きな問題だなと思う。僕が無理してでもできるだけ海外のビジネスマンたちとつきあう努力をしているのは、彼らの動きを知ることで自分をできるだけ客観視するようにしたいから。語学(英語と言ってもいいけど)への姿勢は、つまるところ、世界の競争へ向き合う姿勢の反映かなと思う。もしかして、「世界の競争」だけでなく、「競争の世界」への姿勢も含めて。(小学生の運動会で、みんなで仲良くゴールしましょうと指導しているのは、みんなで仲良く談合しましょうと教えているようなものでは?)

小売業者としてのJR東日本

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クロイヌもしばしば使う東京駅。
その駅構内にできた「エキナカ』の「東京ステーションシティ サウスコート」。先月28日にオープンしたからということもあると思いますが、たいへんな賑わいでなかに入っていく気がいっきに失せるほどでした。JRは小売業者としてものすごい地の利を持っているなと思います。百貨店もがんばってほしいです。
サウスコート

「人材作り」

 『日経ビジネス』2010年3月15日号の「今週の焦点」という巻頭インタビュー。成城石井の社長で、かつてユニクロや無印のコンサルタントとして結果を残している、大久保恒夫さんが、デフレ中毒ともいうべき経済を作った責任は小売業者にもあると、発言されています(「小売り業界は苦しくなると、すぐに価格を下げてしまう」)。

 そして最後のところで、「小売りはヒトがヒトにモノを売る仕事ですから、人材の成長が、そのまま企業の成長につながる。デフレのいまこそ人材の成長を。」と発言されています。 この点は、小売りよりも、われわれのように目に見えない商品である資格というものを取り扱っている業界により強くあてはまるように思う。

 社内でよく言うことだけど、資格取得のためには、お金も払っていただかないといけないし、勉強もしていただかないといけない。世の中の大半の人たちは、そんなことに時間もお金も使いたいと思っているはずがない。ディズニーランドに行く方がずっといいと思っているだろうし、どうしても何らかの資格が必要だということになると、できるだけ簡単にとれる、できるだけ安い、それでちょっと履歴書にかける、そんな資格があればいい、というのが多くの方たちのホンネかと思う。でも残念ながら、達成感や充実感を得るためには、苦しい時間がちょっと必要になる。苦しい時間なくして人は成長なんてしない。企業の中でも人材が育つためには、夏ばかりではだめで、冬がないと絶対にダメだ。

 僕らの資格をより多くの方たちに理解し、「買っていただく」ためには、われわれ関係者がまず成長していくことだと思う。

 

賢いだけでなく実践にも関心がある優秀な学者の卵。

もともとは須賀さんの紹介だったと思うけど、最初に会ったのは秋田の国際教養大学でだったと記憶しています。
アメリカって、頭がいいだけでなく、実践にも関心を持ち、自らが汗をかくことをいとわないというタイプの方がいて感心することのひとつです。今日は須賀さんといっしょにうちのオフィスに来てくれたDavid Brunner ですが、彼は日本で自らが起業すること、日本に起業文化を根付かせられないかと考えていて、彼みたいに優秀な人がまだ日本を見捨てていないでいてくれることに感謝しなくちゃ、と思います。「でも、このままで日本は10年持ちますかね?」という話にもなったんだけど。
David Brunner blog

香港でのYPO International Forum

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YPO International Forumのメンバーのひとりの香港オフィスから見た景色。これまで以上に埋め立てを進め、新たなビルの建設が進んでいるように見える。Hong Kong, a symbol of dynamic Asian businesses!

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今日一日メンバーのオフィスでフォーラムのミーティングがあって、夜はセントラルのChina Clubで香港のYPOメンバー3名にも加わってもらって夕食会。3名のうち2名は、ヘッジファンドやプライベートエクイティなどの投資会社を経営していて、中国や日本の投資環境に関して彼らがどのように見ているのか、話を聞かせてもらう。

「ケインズ対ハイエク」

YouTube: ケインズvsハイエク

MITのスローンスクールに留学中の方のブログで見つけた「ケインズ対ハイエク」というビデオ。アメリカの経済学の学会ではやっているということですが、こんなビデオを作ってしまうユーモアと余裕がアメリカの好きなところ。デフレだ、少子高齢化だと騒いでいるけど、ユーモアと実行力が足りないのがわれわれ日本?

ちなみにこのブログの書き手の方、とても素敵な方だと思いました。

My Life in MIT Sloan

作りすぎた「幸運祈願落花生」

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クロイヌ御用達スーパーで見かけたメッセージ。
「2010年幸運祈願落花生、気合いを入れすぎたので、作りすぎてしまいました。
お一人様一袋買っていただくと、在庫が減ります。応援してください。」
微笑ましい!

ANAの航空会社コードがNHなわけ

この記事を読んで初めてANAの航空会社コードがNHとなっている理由を知りました。ANAがもともと日本ヘリコプターとして出発したこと、その出自、創業時のことを忘れないようにしようという気持ち。元ANAのCAだったこのライターの話しはとてもよかった。JALの知り合いたちにも、それからうちの社員のひとたちにも読んでもらいたいと思いました。
ANA客室乗務員は見た!JAL全盛期の光と陰

メーカーはこれで儲かるんだろうか?

 バンクーバーオリンピックが始まる前には、テレビを買い替えたいと思っていましたが、ついに意思決定。東芝Regzaに決めました。別に福山雅治のファンではないですよ!(福山雅治がCMにでているテレビが欲しいと言ってくるお客がいると聞いたこともあります)
 55インチは部屋には部屋には大きすぎるので46インチに。当初考えていた値段よりもずっと安くなっていました。クロイヌ御用達の有楽町ビックカメラに何度も足を運びましたが、前回話しを聞いた店員に担当してもらい、「またお越しいただいたので、お安くします」という言葉にのせられました。確かに、安い!LEDバックライト、ハードディスク付きで30万円を切ります。
 こんなに速いスピードで価格が落ちていく時代、ハードのメーカーはこれで儲かるのだろうかと、人ごとながら気になります。
有楽町のビックには、韓国メーカーの液晶テレビは置いていないようですが、サムソンの液晶テレビの画質は日本製と比べてどうなんでしょうか?日本のメーカーにはぜひがんばってもらいたいです。値段だけでなく、品質でも韓国メーカーは脅威になっていると思います。今はP(パナソニック)のケータイをつかっていますが、その前はSC(サムソン)のケータイを使っていました。デザインが気に入っていたので使っていました。
 東芝のテレビを買ったのは人生初めて!東芝のテレビを買うなんて、思ってもいなかったです。

追伸
ロイターにこんな記事が。→
ロイター

古我知史さんとのアイデアエクスチェンジ

先日もご紹介しましたが、ビジネスインキュベーションをなさっている古我さんとのアイデアエクスチェンジがスタートしています。→アイデアエクスチェンジ「古我知史さんとの巻き」

ユニクロ、モスクワへ

モスクワ在住の友人から写真が送られてきました。"From Tokyo To Moscow"
Uniqlo1

日本航空とJリーグ

 日本航空が昨日ついに会社更生法申請を行い倒産。そして今朝の新聞には一面広告で「JALは飛び続けます」という一面広告。すべて予定通りということなのでしょう。
 日本航空がだめになった原因のひとつに、政治家と役人たちが、黒字になるめどもない地方空港を作り続け、赤字路線をJALに押し付けていたということが言われています。伊丹、神戸、関空もそうだし、静岡、茨城も、いったいこれからどうやって維持していくのか。政治家も役人も、個人保証をしているわけではないし、役人にいたっては結果責任でくびになるわけでもなし。みんな税金で後始末すればいい、もともと地元の住民がほしがるから作ってやったんじゃないか、と考えているのかもしれません。
 で、Jリーグの話しにとぶのですが、百年構想はいいと思うのですが、ちょっとJリーグも全国各地にチームを作りすぎていないでしょうか。四国で言えば、愛媛と徳島にJ2のチームがあって、徳島の県知事はJ1をめざしてがんばるって言っているようですが、本当に四国に2チームも持つ経済的余裕と選手層の厚さがあるのか?J2チームも上位であればいいのですが、下位チームになると、プロとしてやっていくのは少々無理だと思えるような選手が多いとお聞きしますし、チームは金欠でへとへとになっているようです。
 Jリーグもかなりの県にチームがあるように思いますが、地方空港とだぶって見えてしょうがないです。そりゃ、おらが村(県)に空港もあり、プロチームもあれば、うれしいし、便利なのは確かだけど、そのコストはいったいどうするの?僕はビジネスマンだから、すぐにそれやってお金がまわっていくの?と考えてしまいます。便利なのも、楽しいのもいいけど、「楽しみは自分、費用は他人(税金)」って考えは、勘弁してよね。

1989年12月29日、そしてEconomist誌記事

 昨年末、12月30日になりますが、読売新聞の首都圏版(といっても東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、茨城、栃木、山梨、静岡の各都県をカバーしています)に広告を出したので、当日の新聞に目を通していたら、経済面に「株_失われた20年:1989年3万8915円→2009年1万638円」という見出しの記事が。 そう、20年前の日経平均株価はなんと今の3倍以上あった。そして今の日本の国内総生産(GDP)は1992年の水準さえも切っています。

 この20年間は一体何だったのか?経済的なこと、お金や物質だけがすべてだとはまったく思っていないけど、日本は経済活動においてベストを尽くしてきたのか?物質主義を否定したとしても、それじゃ、この20年間でどれだけ豊かな精神生活を送ってきたというのか? ずっと変化を嫌い、豊かな社会作りのためのシナリオを自分たちの手で作ることもできないできたように思います。戦後、日本全体のプランやビジョンを、まがりなりに提出した政治家は、田中角栄が最後だったのかもしれません。取引先の方と夕食をしていて、どうしてこんなに日本は変化を嫌うのか、厭うのかという話になりました。1500兆円の貯蓄をあてにし、自分たちが現役の間は嫌われる改革は行わず、リーダーを育てず、リーダーを作ろうともしない、なんとも中途半端な国になってしまっているのか?

 Economist 誌の"Deflation in Japan: To lose one decade may be misfortune..."という記事には、若者にとってはまだまだ厳しい10年がさらに続くのではないかというコメントがありました。→Deflation in Japan:To lose one decade may be misfortune...

福山雅治、大活躍。

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今晩から「龍馬伝」がスタート。今年は土佐の龍馬が人気者。主役の福山雅治もこれまで以上に人気者になることでしょう。
我が家の薄型テレビは37インチの2005年型モデル。有楽町のビックカメラで、福山雅治がCMにでている東芝の
REGZAを見た後に家に帰ってチェックしてみると、画質の荒さ、シャープさのなさなどが歴然としていました。東芝のこのテレビはものすごく評判がいいみたい。ちょっと、いや、かなり心が動きました。ただ、46インチ、55インチのZXモデルはまだ高値なので、いましばらく我慢かな。

Personalized Portraits

写真からイラストを作ってくれるサービス。ちょっと利用してみたいです。
allPopart.com

British Library Business & IP Centre

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British Museum から独立したBritish Libraryの中に、Business & IP Centreという部門があり、起業家向けの情報を提供しています。HPのコーナーをチェックしてみました。どのくらい成功しているのかはわかりませんが、日本の国会図書館が起業家支援のコーナーを持つようなものでしょうか?(国会図書館がそんな活動をしているかどうか、知りません。)
 昨日から実質2日間の滞在スケジュールでロンドンに来ています。こちらで会うビジネスマンが予約を取ってくれたホテルが偶然、British Library の横にあります。マグナカルタ(大憲章)、サミュエル・ジョンソン博士、シェイクスピアはもちろん、ビートルズの手書きの歌詞なども展示されている立派な博物館でもあるようです。
BL Business & IP Centre

不況時にはやるもの2

丸の内にある洋菓子屋さんの前には、いつも列が。フィナンシェ、マドレーヌを食べるためには寒空の下、何十分か並ばないといけないこともあるようです。
昨日、昼食をごいっしょした丸の内の大家さんからいただきました。

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日によってはこんな列もありえます。
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「シアワセのものさし」

日経ビジネスオンラインの連載記事。高知県在住のデザイナー梅原さんを取り上げた非常におもしろかった記事です。
高知県生まれだからというわけではありませんが、とてもいい内容だったので、みんなにお勧めしたいです。(特に地方に住む人たちに)
「シアワセのものさし」

起業家教育ひろば

大学・大学院起業家教育推進ネットワーク」のウェブサイト。経産省の委託事業のひとつ。須賀さんが推薦図書として、ABC(American Book & Cinema)の『経営の才覚』を挙げてくれました。須賀さん、ありがとうございます。

起業家教育ひろば

「経営の才覚」推薦ページ

ABC

馬には草を、虎には肉を

毎月通っている鍼灸院の中国人が今日吐いた「名言」。

Stress and risk_the secret of happiness

 Financial Times で必ず読んでいるコーナーがあります。Luke Johnson というベンチャーキャピタリストが毎週水曜日に書いている"The entrepreneur" (起業家)というコーナーです。ボクはこの人の記事(エッセイというべきか)が一冊の本になったら、ぜひ日本で出版したいと思っています。日本に足りないのは、起業家精神です。大企業での安定、役所での安定。大多数が安定を望む社会は、実は変化に対して脆弱な社会です。今の日本がまさにそうです。この閉塞感はどうしたものか?出口を見つけることが非常に難しくなっています。
 11月11日の記事は、"Stress and risk_the secret of happiness" というものでした。このエッセイの最後に、第26代米国大統領、T.ルーズベルトの言葉が引用されています。"Far better it is to dare mighty things, to win glorious triumphs, even though chequered by failure, than to rank with those poor spirits who neither enjoy much nor suffer much, because they live in a grey twilight that knows not victory nor defeat." 勝利も敗北もない、グレーの黄昏の中に住むよりも、たとえ負けたとしても、人生を生き抜く方がましだ。
Stress and risk_the secret of happiness

(デフレの時代に)安すぎると思うもの

 最近の新聞広告は、HISに代表される旅行代理店と、サントリーセサミンのようなサプリメント、それから大人のおむつ、そんな商品で成り立っているような感じです。どの商品も60歳以上をターゲットにしているものでしょうか?
 パック旅行の広告を見ていると、飛行機代、ホテル代、そして食事代が付いて、一日一万円ちょっとの商品(旅行)をしばしば見ます。退職者で、ちゃんと年金が払われ、ある程度貯金がある人なら、毎月旅行ができるだろうなと思います。「理論値」ですが、一日一万円のパック旅行を組み合わせて、一年過ごすことだってできます。400万円あれば可能ということになります。
どうもこの一日一万円のパック旅行はおかしいです。たとえば、この前新聞でトルコ旅行13日、トルコ航空で往復、ホテル、食事付きで14万円弱という商品を見つけたのですが、普通なら、エコノミーで飛行機代だけであっても、トルコ日本往復って、14万円程度、かからないでしょうか?
 それに飛行機代って、環境破壊のコストなんて、現在はまったく入っていないと思うのですが、これから国際的に「環境税」なんてものが当然のことになれば、こんな安値では飛行機には乗れなくなるはずです。
 もうひとついつも安いなと思うサービスがあります。それは宅配です。アマゾンを頻繁に利用しますが、古本だけ、340円の宅配料金がかかります。新刊の場合は、宅配のコストは、商品の値段に含まれています。この宅配も、ガソリンをどんどん使い、夜遅くまで担当の方達は働いていますが、安すぎないかと思います。ネットで買い物をする人たちがどんどん増えていますが、ネットでの買い物は、宅配サービスが支えているとボクは思っています。社会コストとして全体を見たときに、特に環境に対する負担を考えたとき、どのような計算になるのか、関心があります。

ドラッカー生誕100周年記念の国際会議

今年の11月19日でドラッカー生誕100周年。Financial Times のコラム記事によると、それを祝って、先週、ドラッカーが生まれたオーストリアのウィーンでドラッカーの偉業をたたえる国際会議が開かれたようです。(→Global Drucker Forum)
ドラッカーのいいところは、平易な言葉でビジネスはもちろんのこと人間性に関する洞察、見識を示してくれたことだと思います。ウィーンであった会議で頻繁に使われた言葉は、「目的」だったと、Financial Times の記事にありました。すべてのビジネスマネージャーたちは、企業の目的を常に考えていないといけない、と。ドラッカーの残した、最も重要な5つの問いかけとして、以下のようなものが記事であげられていました。

1 われわれのビジネス(使命)はなにか?
2 われわれの顧客は誰か?
3 顧客は何を求めているのか?
4 われわれの結果は?
5 われわれの計画は?

生産性の向上のみ

さっきちょっと「感傷」にひたった文章を書いたので、別のトーンの話を。
John Taylor (スタンフォードの経済学教授)のブログによると(池田信夫さんのブログからのリンクで読みました)、過去50年間、アメリカで3倍になった実質賃金を説明してくれる要因は、生産性の向上であって、法定最低賃金の増加、組合活動、差別を禁止する法律、賃金格差の是正でもないということです。
(→
John Taylor "The Answer is productivity.")

結局、個人の教育レベル、組織の経営力、創造力を育てていく努力からしか、賃金の上昇、雇用の安定はないということでしょう。政府の施策ではなく、ましてや自分たちの既得権を守ることしか考えていないような談合組織やグループでもなく、企業のもつ経営力や個人の努力にしか答えはないということで、根本的には「天は自ら助くる者を助くる」ということかと思っています。
これは日頃社内でも社員の皆さんに話し、自分自身も信じていることです。

人間安売りの時代

 コールセンターを持っていくのが、地方に仕事を作る常套手段のひとつになっています。コールセンターは、お客さんからの問い合わせやクレームを受けるインバウンドの電話と、営業、販売のためのアウトバウンドの電話に大まかに分けられます。この業界には90万人程度の人が働いていると聞いています。ひとつの立派な業界です。
このごろ、コールセンターに関わっている人たちと話をすることがあるのですが、たいへんな仕事だなという印象を持っています。
 第一に働いている人たちは、客からのクレームなどを真っ正面から受け止めないといけないので、精神的に非常にストレスがたまる仕事であるということ。
 その割には、あまり待遇がよくない。地方にコールセンターを持っていく最大の理由はコストが低いからです。時給700円、800円からスタートなんて話があると聞いています。
 さらに、コールセンター内におけるキャリアパスがはっきりしていない。一番下のランクからスタートして、その後、どのような仕事の展開があるのか明確でなく、一部、「使い捨て」が見られるとも聞きます。特に、販売、営業の電話をしていて、その成果に応じて成功報酬が払われるような仕組みになっている場合は、結果が出ない人に対してその傾向が強い、とか。
 コールセンターを活用する企業側はできるだけ安く「クレーム処理場」を運営しようとしています。その結果として、そこで働く人たちはかなり厳しい環境で働いているのではないかと想像します。
 日本経済がデフレから脱却できないでいるという記事がでています。(今朝の朝日新聞には、「デフレ3年ぶり認定_景気再び悪化懸念」の記事)デフレの定義は、記事によると、「すくなくとも2年、物価下落が続く状況」とあります。物の値段がさがることには文句がないのですが、その物を作っている人間の値段も下がっています。そういう意味では、まさに人間安売りの時代だと思えてしょうがないです。
 人間安売りの時代は、単純に低コストで働いてくれというだけではないです。少々いい加減な食べ物でも値段を安くして平気で食べさせるようになっています。(こんなことを書くボクも、コンビニのおにぎりとカップスープを、会社の机で食べて昼食とすることが多いのですが)食べるもの、見るもの聞くもの(端的に言うと「言葉」ですが)、それらが人間を作っているのに、手抜きしたもの、不純物を多量に含むもの、そんなものを体や心に入れているのに、消費する側は便利さを中心に追求していて、口にいれているもの、頭に入れているものをよく見ていないです。人間安売りの時代は、「不誠実」と「投げやり」の時代でもあるように見えます。
 安売りと便利さを徹底追及しているうちに、いつの間にか「人間」が消えていっているようにも思います。がんを直すことに熱中しているうちに患者が見えなくなった医者みたい。手段と目的がすり替わった時代。
 企業の多くが「人間尊重」、「個性尊重」を口にするけど、それらが現実の場でどのように発揮されているのか。
 ボクも小なりとはいえ、会社をやっている経営者の端くれとして、人ごとではない話です。

アップルがマイクロソフトに追いつく日?

スティーブ・ジョブズがアップルに復帰して以来、アップルの快進撃は続き、株式市場における時価総額は、98年の50億ドルが、現在では約1800億ドル。マイクロソフトの2500億ドルが視野に入ってきたという記事がロイターにあります。
ロイター記事

馬路村のゆずがカントリーマアムに

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高知・馬路村のゆずがカントリーマアムに使われているのを発見。(→以前馬路村のゆずについて書いたバックナンバー

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来年、NHK大河ドラマで龍馬伝が始まると、高知県の話題がもっと出てきそうな予感!

不況期でも売れているもの1

 この何年か、全国でパンのブームが続いていると聞きます。女性誌などでもパン特集がしばしば組まれています。
首都圏にあるZというパン屋は、テレビで紹介された後、店頭販売のみならず、通販サイトも人気度抜群で、なかなか商品を買うことができない状況になっています(まだまだテレビの力はあるようです)。パンに詳しい知人の話では、このZというお店は、異常な人気のようです。

 
 

『成功は一日で捨て去れ』(柳井正著)

 著者は、ご存知、ユニクロの創業者。ボクが尊敬している起業家、経営者です。このブログでも以前からなんどか書かせていただきました。(→バックナンバー1、→バックナンバー2バックナンバー3
 この本自体は、ユニクロのPRのひとつとも言えるのでしょうが、それを割り引いても、経営者、起業家にとっては参考になる本です。アパレルの小売業は、うちの会社のビジネスとは性格がかなり異なるため、簡単に比較したり、真似たりできるわけではありませんが、柳井さんの姿勢、考え方、またその勉強熱心さは非常に参考になります。
 1「企業の目的は顧客の創造である」(ドラッカー)。企業は自分たちがなにを売りたいかよりも、お客様が何を求めているかを考え、お客様にとって付加価値のある商品を提供すべきである。
 2「企業の目的は、それぞれの企業の外にある。」(同じくドラッカー)。本来、我々がターゲットにすべきなのは、まだお店に足を運んでくれていないお客様、つまり潜在的な需要をつかまえることだ。
 3 顧客を創造するためには、付加価値を持った商品を開発するということ以外に、テレビコマーシャルや雑誌などを使ったイメージ戦略や企業の姿勢を伝えていくPR活動が大切だ。
 もうひとつ響いたこと。ボクらのビジネスは、顧客にある程度努力(それをボクはよく「苦行」と言っているのですが)をしていただかないといけない性格を持っています。そんなビジネスを行っているボクには、次のような柳井さんの言葉がとても響いてきました。
「よく、先行している商売人が流行を作り出すとか、お客様の心理を作り出すといった類の話があるが、そんなことは実際にはあり得ない。こちらから心理状態を変えるなんて滅相もないことだ。重要なのは、お客様の心理状態に合わせて商品を作り出すことなのだ。」
 実は、昨日福岡のセミナーでお話させていただいたとき、ITビジネス、あるいはITのトレーニング、資格ビジネスは、売りたいものを一方的に売ろうという姿勢が強すぎるのではないか、という発言をしました。そういうこともあって、福岡からの帰りの飛行機で読みはじめ、自宅に帰って読み終えたこの本の中の柳井さんのさまざまな言葉に、とても共感したのかもしれません。

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(写真は、昨日、福岡であったセミナー会場のAIビル9階から見た夕方の百道の海の景色。とてもきれいな眺めでした。)

カップリング/デカップリングの議論

 2008年の1月と言えば、もう2年近く前になりますが、アメリカ経済と世界経済の「カップリング」について、駄文を書いたことを思い出します。(→バックナンバー
 ロイターのニュースでおもしろい記事を見ました。それは、日銀の白川総裁が、「先進工業国の超金融緩和政策が、新興国の経済発展を押し上げている」と指摘したことです。この10年、日本はずっと超金融緩和政策でした。その政策が、世界のバブルの原因の一つであった時期がありました(いわゆる、円キャリートレード)。現状は、円にドルが加わり、加えてその他の先進工業国の金融緩和策が、ミニバブルを引き起こしているように思います。
 アメリカ経済とアジアを中心とする新興国経済が、相関関係にあるかどうか、つまり「カップリング」あるいは「デカップリング」の議論がありました。それに対する答えとして、経済がお互いに依存し合っているネットワーク化した世界においては、すべての国の経済が強い相関関係にあることを、いろいろな局面の中で発見しているように思います。
ロイター記事

変わる学校、変わらない企業

 昨日は名古屋でお取引先7社(校)を訪問させていただきました。お時間をいただきました皆様に心より感謝申し上げます。

 学校(特に専門学校)の方とお話ししていて、18歳人口の大幅減少のなか、これまで以上に海外からの学生や社会人向けの教育ビジネスに入っていかざるを得ないというお話をお聞きしました。これは変わっていこうとする学校の例。
 企業の方とお話ししていて、なかなか休みがとれないという状況をお聞きしました。一週間の休みも、なかなか取りづらい、とか。これは変わらない企業の実態?

 名古屋からは夜9時10分の新幹線に乗ったのですが、荷物を動かして、席を空けてもらいました。隣には、フリーランスのキャリアウーマンらしき女性が座っていたのですが、窓わくには、缶チューハイが置かれていて、なんとなく複雑な気持ちになりました。女性が新幹線の中でアルコールを飲み、ぐったり疲れて眠っている。働く女性たちも、たいへんな状況にあるのかと思います。なかなか休みも取れないようですし。

 ストレス社会日本、でしょうか?

 

"The First Billion Is The Hardest" (T. Boone Pickens 著)

 アメリカからの帰りの飛行機の中で読みはじめた本です。『どん底から億万長者』というタイトルの本は、この本の翻訳本かもしれませんが、表紙のデザインはちょっと安っぽくなっている印象を受けました。
 日本では、80年代、ピケンズが小糸製作所の株を買ったことでマイナスの記憶を持っている人も多いかもしれませんが、日米問わず、大企業のサラリーマンとはまったく違う価値観と生き方をしてきた人です。まだ読み終えていませんが、印象は決して悪くないです。自分でリスクをとり、体を張って生きてきた人かと思います。
 ピケンズは、アメリカが海外(中東)の石油に依存することが、外交、防衛において危機的な状況を作り出していることを、身銭を切ってキャンペーンしています。石油マンのキャリアを持ちながら、代替エネルギー(風力、ソーラー)の開発に投資をしています。現在すでに80歳をこえていますが、そのバイタリティには敬意を表します。
 YouTubeにも彼の動画がかなりアップされています。


台風の日に遅刻しないで出勤する

 昨日、台風が関東地方を襲った朝、交通機関の多くが麻痺し、定時に出勤できなかった人たちが多かったことだと思います。朝早い電車であれば、遅れることもすくなかったようですが、ちょうど通常の出勤時に家を出た人たちは、たいへんな目にあったように聞いています。
 派遣社員と正社員は、こんな時に扱いに差がでてくるのでしょうか?つまり、正社員は、たとえ遅刻したとしても給料が特に減らされるわけではないでしょう。でも、派遣社員は会社について仕事を始めた時間から、勤務したと見なされるのでは?そんなところにもある意味正社員の甘えがあるのかもしれないし、ちょっと派遣社員の人たちはかわいそうだなと思います。
 うちの会社で言うと、普段から早く出勤している人たちの多くは、昨日も早くから会社に出て仕事をしていたようです。
 台風が出勤時刻前後に関東地方を襲うことが事前にわかっていて、普段よりも早く家をでて頑張って会社に遅刻しないようにした人たちは立派。(一部路線では、その意志はあっても、電車がまったく動いていなかったでしょうが)
 こんな話が、今夜いっしょに食事をした、かつては超体育会系だったという広告代理店の方たちとの話題にでました。(かつてこの会社の雰囲気としては、前夜、会社のそばのビジネスホテルに泊まってでも、翌朝遅刻するなというものだったとか。モーレツな時代だったと言えば、それまでですが)

カンファランスもウェブ2.0っぽく

招待状をいただいて、ニュースコーポレーションのルパートマードック氏のお話をお聞きする機会がありました。ニュース社傘下のダウジョーンズ社が、読売新聞と提携したことを記念してのイベントです。
遅くついたこともあり、一番前の席しか空いてなかったので、講演者からすぐのところに座りました。なるほど、この老人が「世界のメディア王」なんだと、ちょっと感心も。

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ボクがおもしろかったのは、ウェブ2.0の「ツール」。会議の参加者へのアンケートが途中、途中にあって、回答がすぐに表示されました。一番最初の質問は、2010年末の日経平均は、1 1万円円以下、 2 1万円から1万1千円の間、 3 1万1千円以上。写真のようなハンディ端末で回答し、結果はすぐに表示されます。

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組織のDNA

 昨日の朝日新聞朝刊に、「JAL再生タスクフォース」の一員に指名された富山和彦さんのインタビューが出ていました。富山さんとは、今年始め、靖国神社であった薪能の火付け奉行のお役でごいっしょでしたし、過去にも何度かお会いしたことがあります。富山さんが今回どのようなお仕事をされるのか、関心を持ってみていますし、いい仕事をされることを心からお祈りしています。

 このグログでも何度かJALに関しては書いたことがあります。何人かの友人、知人はJALに在籍していますし、「卒業者」である知人もいます。JALについては、2年前に「地に墜ちた日本航空_果たして自主再建できるのか」(杉浦一機著)というような本もでていて、世の中の関心は高いかと思います。
 JALはANAとどこが違うのか。その一つとして、「親方日の丸」意識がしばしば指摘されます。多分、心ある社員の人たちは、それを乗り越えていこうという意思をお持ちだと思います。ところが、終身雇用で他の会社や業界を知らない人たちの集まりの中では、自分たちの考え方のどこが「親方日の丸」なのか、それに気づき、関係者の間で問題意識を共有するという、問題解決のために必要な出発点にさえなかなか立てないのではないか。入社段階で、JALとANAの間で社員の質に違いがあるわけではなく、どちらの研修プログラムが優れている、というようなこともないのではないかと思います。ところが何年かのうちに、会社の文化や雰囲気に染まっていく間に、「競争意識」において差がついてくる。
 これはJALだけの問題ではないと思います。うちの会社も含めて、すべての組織が常に意識していないといけない落とし穴です。学校しかり、役所しかり、政党しかり、そして国家しかり。組織は常に自分とは異なるものを排しようとします。(同じような価値観、学歴、経歴の人間を入れたがります。)人間の生理がまさにそうであるように、組織もまったく同じ作用を持っています。それは自己保存として当然のこととも言えます。大きな変化がない間は、そんな行動を続けていても存在を脅かされることはありません。
 ところが競争条件が大きく変わるとき、過去の継続では不十分になり、組織の存在は危機にさらされます。が、同質の人間の集まりである組織のメンバーからは、その危機を乗り越えていくための新しいアイデアもリーダーシップも、なかなか出てきませんし、逆にそのような芽をつぶそうという動きがでてきたりもします。

 ある銀行系の証券界社で役員をなさっていた先輩からお聞きした話です。「日本の会社の経営者は劣性遺伝を行ってきた。退任する社長は、自分が気に入った、でも、自分よりも劣る後継者を指名していく。何代かにわたって、それを繰り返している会社が多い。」JALがその一社かどうかはわかりませんし、今の西松社長は異なるのでしょうが、あまりにも大きな負の遺産を背負ってご苦労されているのでしょう。
 先日から、
『がんと闘った科学者の記録』(戸塚洋二著、立花隆編)という本を読んでいます。1998年、世界で初めて素粒子ニュートリノに質量があることを発見し、ノーベル賞にもっとも近い日本人と言われながら、昨年ガンでお亡くなりになられた物理学者のブログを、立花隆が編集したものです。この本の中で、病気のため去っていったかつての職場を訪れたとき、以下のような気づきがあったとされています。
 「昔の職場を訪問し、一緒に仕事をしてきた若い諸君が大変活躍しているのを見たとき、大切なことに気がつきました。家族、さらには生物の進化と同じように、仕事も世代交代によって進化を遂げる、ということです。古い世代は自己の痕跡を残さずに消え去るべきなのです。しかし、ほんの少しですが、自分のDNAが次の世代に受け継がれているのを感じ、大いに満足しました」と。組織の経営者は、自分のDNAを、次の世代がすこしでも受け入れてくれたならば、それを密かな喜びにして、静かに去っていけばいいのではないか?
 自らのガンを真っ正面から見つめる戸塚さんの姿勢は感動的です。本物の科学者というのは、自らのガンに対してさえも、こんなにも明晰なのかと、あきれるほど感心しました。(「未知の現象に対して理論的に解明できないとき、私のような物理学者なら、まっ先に何をするか。それはデータベースの作成です。詳しいデータを集め、解析し、現象の全体像、ヴァリエーションを捉える。こうして現象の背後にある本質を抽出していくわけです。」)
 最初の話に返りますが、富山さんたちの「JAL再生タスクフォース」がいいお仕事をされることを期待しています。JALのDNAを変えていくというかなりの荒療法が必要な仕事かと思いますが。

 

企業内ではまだオフィス2003が半数以上

机の上につみあがっていて、まだ開いていない雑誌に急いで目を通しています。

「日経パソコン」7月27日号の「企業の情報化実態」特集記事から。(国内8000社への調査の結果。)

「最も多く使用しているオフィスソフト」は、以下の通り。

Office 2003_55.6%、Office200_22.2%、Office XP_14.8%、Office 2007_5.5%、Office 97_1.5%、Office 95_0.1%

OSはXPが主流のようですが、Windows 7への関心と期待は高い、とか。

引用_悲観と楽観

今日のアジア版Financial Timesに掲載されていた、投資に関するJonathan David のエッセイから。Peter Bernstein は今年亡くなった金融に関する著述家。Pigouは20世紀前半の経済学者。

"In their calmer moments, investors recognise their inability to know what the future holds. In moments of extreme panic or enthusiasm, however, they become remarkably bold in their predictions: they act as though uncertainty has vanished and the outcome is beyond doubt." (Peter Bernstein)

"The error of optimism dies in  the crisis, but in dying it gives birth to an error of pessimism.  This new error is born, not an infant, but a giant." (A.C. Pigou)

値段だけでは決められない

 以前、雇用訓練の授業を受託することを躊躇するパソコンスクールがあることを書きました。(→黒犬通信7月29日)その時紹介した理由は、受講者の就職の世話をしないといけないことが負担になっているということでしたが、今週は別の理由で、受けたくないという話を聞きました。

 それは、このビジネスを受託する際の入札の存在です。値段だけで委託の可否が決められ、自分たちのサービスの質が評価されないという理由で雇用訓練のビジネスを受けたくない、というものです。

 公共事業において、一納税者としては、もちろんできるだけ費用をおさえて欲しいと思うのですが、こうやって受託する企業側の当事者から直接お話を伺うと、そちらのお気持ちもよくわかります。

 医療においても、まったく同じような話を聞きます。自分の技術が評価されない、一律の対価しか払ってもらえない、違いを理解してもらえない、と。

 一円でも安い方がいいというのもわかります。特に公共事業の場合には、特定の企業との関わりに不透明さがないように、数字で表すことができる値段が決め手になってしまうこともあり得ると思います。

 でも、一般論としてですが、世の中には、値段だけで決めてもらいたくない商品やサービス、あるいは値段以外の理由で買い物をするというケースがあっていいように思います。教育や医療、介護などはその一例でしょう。

 日頃の買い物に関して言うと、商店街での「ごひいき」というような言葉がだんだん僕らの記憶から薄れていき、いろいろと失ったものが多いように思います。どちらかというと最近の僕は、ネットよりも、現実に手に触れることができる空間や街並みを大切にしたいと思っている人間です。マクロ的に観たとき、ネットとリアルのビジネスのバランスがもっと考えられてもいいように思います。それは、これまで何百年、何千年の間に作り上げられた、人間にとってもっとも最適な空間と時間という観点からです。ネットビジネスの人間には、理想のバランス像を持っている人、そのようなことを真剣に考えてきた人は、ほとんどいないように見えます。

 最初の話にかえると、パソコンスクール全般は、現在厳しい状況にあるので、雇用訓練のビジネスは欲しいというところは多いのですが、それに頼り切ることなく、自分たちでビジネスを切り開こうとしているスクールも一部にはあります。そんなところには、頑張っていただきたいと心から応援しています。

トロントからニューヨーク経由で帰国

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現地時間の土曜日、トロントで終わったマイクロソフトオフィス世界大会、今年は中国本土、香港の学生たちが優勝しました。日本から参加してくれた中村さん、木村さん、お疲れさまでした。
ボクは今日日曜日朝、トロントからニューヨークに移動、明日月曜日のお昼の飛行機で帰国します。ニューヨークではユニオンスクエア周辺のホテルに一泊しますが、ホテルはほぼ満室だそうです。このホテルでは、4月くらいからビジネスは回復基調だとか。ニューヨークはそれなりの水準のビジネスを維持できているのでしょうか?街の様子を見ているだけでは、人々の財布の中身まではわかりませんが、こちらで会うビジネスマンたちと話をしていると、金融バブルの時代は過去のもので、これからは堅実な生活の時代というような話をしている人間が多いです。基本的に楽観的で消費中毒のアメリカ人たち、ちょっとでも回復してくるとまた元の木阿弥なるかどうか?

『無印ニッポン』(堤清二・三浦展共著、中公新書)

 時差があるとどうしても夜中に起きてしまい本を読んでしまいます。『無印ニッポン』は、セゾングループの総帥だった堤清二さんと、その堤さんのセゾングループに大学を卒業して入社、雲の上の存在だった堤さんと初めて会った作家、三浦展さんのふたりによる対談。堤さん(1927年生まれ)と三浦さん(1958年生まれ)とは、親子ほどの年の差がありながら、副題にある「20世紀消費社会の終焉」とともに、現在とこれからの日本の消費と消費者について、自由に語り合っています。各章のテーマは以下の通り。
 1「アメリカ型大衆消費社会の終わり」
 2「戦後日本とアメリカ」
 3「無印ニッポン」
 4「日本のこれから」
 (ビジネスの)「24時間化が日本人の暮らしをすごくゆとりのない、貧しいものにしたと思います。これがわたしのファスト風土論のテーマの一つでもあります。(中略)正月も休まず24時間営業となると、働く方は生活が解体していく。買う方も、生活にゆとりや落ち着きが、かえってなくなっていく。生活を愛せない人が増えたと思うんです。」(三浦)
 「他人と違うということに耐えきれるのは、ごく少数の人だけでしょう。ふつう、どんな人でも、ローカリティに支えられて、その上で個性を保っていると思うんです。そのローカリティの部分が根こそぎになって、浮遊してしまっているのが、現在の日本人ではないでしょうか。ただ、根無し草では不安だから、拠り所は求めていて、それでいきなり『日本』に飛んでしまう。」(堤)
 この対談は、三浦さんの『下流社会』を読んで、新しい才能を感じたという堤さんからの依頼で実現したもののようです。読売新聞に連載されていた堤さんの「叙情と闘争」にもでてくる逸話もあり、経営者・堤清二に関心を持つボクにとっては、非常に面白い対談でした。
 

スーパーとメーカーの綱引き

 雑誌「日経ビジネス」(2009年7月13日号)によると、イオンのPB(プライベートブランド)であるトップバリュのビールは、サントリーが製造している「第3のビール」(税金が安い)。ただしその商品には、トップバリュとサントリー、2つのロゴが入っていて、イオンはそれをPBとし、サントリーはPBとは考えていないという、奇妙な状況が発生しているという記事を出しています。

 そして今日の日経朝刊は、「サントリーとキリンが経営統合を検討」という、特ダネが一面を飾っていました。

 この頃クロイヌは、「OK(オーケー)」という、現金払いのみ、買い物袋は持ち込み、でもメーカー品の値段が他よりも安いというスーパーを愛用しています。昨晩、久しぶりに近所のダイエーに行くと、イオンのPB商品が多くなっていることに驚きました。ヨーグルト、牛乳、菓子、ビール、お茶などはほんの一例。こんな調子だと、PBの牛、マグロ、パイナップルなど、あらゆるものがPBになりそうで、そんなスーパーだと買い物に行くのも、楽しくないなと思いました。(きっと、かつての共産主義国での買い物は、そうだったのではないかと想像します)

 国内市場の伸びが期待されない日本で、大きな地殻変動が起きつつあることを感じます。

Fortune 500 企業で初の黒人女性CEO

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 今週は株主総会のラッシュです。僕も2社ほどの株主総会をのぞいてみました。大手総合商社2社の株主総会です。つねに比較されるこの2社ですが、かなりの違いがあることに気付きました。(ただし、その違いに関してはここでは書きません)

 どちらの株主総会も、都内の大きなホテルの、それも一番大きなホールを使った盛大なる催しです。ひな壇には、役員の方たちが2、3列で並びます。司会役の社長をはじめとしてその会社の経営責任者の方たちのお披露目でもあります。

 ホールの真ん中よりかなり後ろの席から、ひな壇を見ていて、日本の大企業、特に総合商社は完全な男社会であることを、改めて実感しました。役員には、誰一人として女性がいません(社外役員を除く)。

 さて、今日のFinancial Timesを読んでいたら、アメリカのゼロックス社では、7月1日付で、黒人で女性のCEO(経営最高責任者)が誕生するという記事がありました。お名前は、Ursula Burnsさん。年齢は1958年9月生まれの50歳だとか。

 黒人初の大統領が誕生したアメリカですが、今度は、黒人で女性でもある方が、ゼロックスというアメリカを代表する大企業のトップに立つという話に、多様性と女性の社会進出における日本とアメリカの差を感じます。

 ビジネスウィークにも記事があります。→ビジネスウィーク記事

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ペット専用の航空会社がアメリカに誕生だそうです。感心すると同時に呆れもします。
エネルギー危機だの、エコだのと言っているこのご時世に、いつまでこんなビジネスが続くものやら。
Pet Airways

さすがJTの社長

 さすがJTの社長ともなると、記者インタビュー中でもタバコを吸うのでしょうか。
(→
ロイター記事の写真をご覧ください)
ボクはタバコを吸わないのですが、ビールは飲みます。キリンやアサヒの社長が、記者インタビュー中にビールを横において一杯口にしながらインタビュー対応という風景はちょっと想像しがたいのですが、タバコはOKということでしょうか。先進国ではタバコの社会的地位は危うくなっています。タバコメーカーの社長であったとしても、マスコミ向けの写真で、タバコを持っているポーズは想像できないです。

福岡の「スモール・ジャイアンツ」_辛子明太子の「ふくや」

雑誌「日経ビジネス」でも取り上げていただいたおかげで、アメリカン・ブック&シネマの「Small Giants/スモール・ジャイアンツ」を手に取っていただく方が増えています。読者の皆様、ありがとうございます。
来月福岡訪問を予定しています。県内のお取引先訪問、地元のFM局出演、アビスパの試合観戦などがあるのですが、もうひとつ、(アビスパを応援している)地元企業の経営者の方たち何名かと一晩ご一緒させていただくことになっています。
辛子明太子で有名な「ふくや」の川原社長がその中心なのですが、「予習」もかねて「ふくや」のHPの中にある動画を拝見。「この会社は福岡の『スモール・ジャイアンツ』だ!」と思いました。
現社長のお父様が創業者のようですが、戦争直後、朝鮮半島から引き上げてからの創業物語は、とても感動的。
「ふくや」HP (ふくやTV内の川原社長インタビュー)

Too big to fail

アメリカ国債の格付けがAAAから下げられることなど、ほんの数年前には想像もできませんでしたが、今、「ありうる」という人たちが出てきています。シティにしろ、AIGにしろ、大手金融機関に関しては、Too big to fail (潰すには大きすぎる)として、アメリカ政府はこれらの金融機関を支えてきました。(バブル崩壊後の日本政府も同じようなことをしましたが)

で、実はそのアメリカ政府自体が、Too big to fail なのではないかと思います。これまで日本政府は相も変わらずドル国債を買い支えてきました。円建ての債券であれば、為替リスクもないのに、常にドル建ての債券を。ある意味、日本国政府は、アメリカ政府を買い支えてきたとも言えます。もちろん、アメリカが倒産するなんてことを言っているわけではありませんが、まったくあり得ないというように思い込んでいることが健全なのかどうか。一昔前、ブラジルやアルゼンチンなどの中南米国は、対外債務の支払いに困り、事実上の倒産のような状況に陥りました。

アメリカの場合、ドルを印刷すれば、支払いには問題ないわけで、かつて1970年代、ニクソン政権のある高官は、The dollar is our currency, but the problem is yours. 「ドルはわれわれのものだけど、通貨問題はお前たちのものだ」と、海外に向かってのたまわったという逸話が残っています。その前提は、海外の投資家たちが、ドルを信頼して投資続けてくれるということですが。

この頃、「ドルはあなたの通貨、そしてそれはあなたの問題でもある。」と言いだしているのは、中国です。アメリカはもう際限なく、おカネを印刷しつづけています。これからドルへの信頼がどうなるのか、ある意味、楽しみにしながら、その展開を見ていきたいです。 さっき、ロイターを見ていると、ムーディーズがアメリカの格付けAAAを確認したという記事がでていました。アメリカの会社であるムーディーズやS&Pが格付けをやっている限り、よっぽどのことがない限り、自国政府の格付けを下げるようなことはないのでは?彼らが自国政府の格付けを下げるような事態になるということは、よっぽどのことでしょう。

金融プロフェッショナルに対する不信感

 海外の知人、友人たちと話をしていて、各国の一般ビジネスマンの間、あるいはわれわれ庶民レベルで、金融プロフェッショナルに対する非常に強い不信感が固まってしまったなと思います。あいつらは自分たちのカネのためになら、平気でうそをつく連中だ、というような。

 ここ数日、金融機関、特にアメリカの金融機関ですが、お互いの株価見通しを上げていくケースが出ています。たとえば、ゴールドマンサックスがバンカメの株価見通しを上げ(→ロイター記事)、シティがゴールドマンとモルガンスタンレーの株価見通しを上げる(→ロイター記事)というふうに。

 金融不安は一応落ち着いてきたのだと思いますが、それでも個人破産などは高水準でとどまっています。皮肉な見方かもしれませんが、なんとなく、お互いをかばいあい、お互いの間で値段を釣り上げているようにも見えるのですが、お門違いでしょうか?

 今回の世界不況で徹底的に改革が進めばいいと思っているセクターがあります。それはまさにアメリカの金融業界です。実体経済をこえて、あまりにも過大な報酬を取ってきた状況に対して、なんらかの規制が入らざるをえないのではないか?そうでないと、アメリカ社会内における治安が非常に悪化し続けるのではないかと思っています。

 

益多

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クアラルンプールのホテルの朝食ビュッフェに、ヤクルトがありました。写真をクリックしていただければ、読めると思います。「益(いいこと?)が多い」ヤクルト。ヤクルトの海外売上げ比率は知りませんが、以前、日経ビジネスで、ブラジルにおいても、「ヤクルトおばさん」がヤクルトを売り歩いて成功しているという記事を読んだ記憶があります。

クルマよりパソコン?

 社団法人日本自動車工業会が、「乗用車市場動向調査_クルマ市場におけるエントリー世代のクルマ意識」を発表しています。最近の若い人たちは、かつての若者ほどクルマに強い関心を持っていないと聞きます。この調査では、対象となった大学生たちは、クルマよりもパソコンに関心を持っているという結果が出ています。(パソコンは1位、クルマは17位) 

 「幼い頃から多くのモノに囲まれ、興味関心のある財の幅が広がり、情報通信機器やコンテンツなど、クルマ以外にベネフィットを感じる財がでてきた結果、エントリー世代において、クルマへの関心が相対的に低下している」とされています。

 この調査結果を読んでいると、若者は、あまり家から出ないで、一人パソコンやゲームをやって過ごす時間が増えているような感じです。「書を捨てて、街に出よう」と言った作家がいましたが、今は「ネットを閉じて、クルマを走らせよう」でしょうか。

 この調査結果が正しいとすると、確かに自動車産業は国内市場に対して、危機感を強くせざるをえないかと思います。

日本自動車工業会

アメリカ自動車メーカーの存在意義

 フィアットがクライスラーの救済に乗り出すというような話があります。偏見かもしれませんが、かつて潰れそうだったフィアットにクライスラーの救済ができるなんて思えません。クライスラーとイタリアの組み合わせは、かつてクライスラーを救済したリー・アイアコッカがイタリア系だったということくらいで充分なんじゃないでしょうか。
 ボクも自動車には関心がない方ではないと思いますが、これまで関心を持ったアメリカ車を思い浮かべることができません。関心を引いてきた車は、ドイツ車であり、イタリア車であり、そして日本車でした。
 この30年、40年間、いったいアメリカの自動車産業って、一度たりと、まともな車を作ったことがあるのでしょうか?財テク主導の経営、カネを貸して買いやすくした車。クライスラーにしろ、GMにしろ、一度として買って乗ってみたいと思ったことはありません。(社員の方達には申し訳ありませんが。)
 マスキー法ができ、燃費のいい車が必要とされはじめたのは、1970年代の始めのように記憶しています。マスキー法をチャンスとして果敢に挑戦したのは、ホンダでした。それに対して、アメリカのメーカーは、これまでも散々チャンスがあったのに、まったくやる気がなかったわけで、潰れるべくして潰れつつあるという印象です。まさに敗戦直前の日本における戦艦大和のように。
 ビッグスリーにはもう存在意義ってないのではないでしょうか?新しい存在意義を持った自動車企業がアメリカで誕生するとしたら、デトロイトからではなく、シリコンバレーから生まれてくるのではないかと思います。
 

アイデアエクスチェンジに村藤功さん登場

「アイデアエクスチェンジ」に村藤功さんが登場。「さん」と書くと、ちょっと「違和感」があります。彼とボクとは、社会人として初めて職を得た会社で、ふたりだけの「同期」。1983年、もう26年前の話です。なので、村藤クンと書かせていただきます。
 村藤クンは、いまでは九州大学のビジネススクールの責任者として、大先生になっています。ボクと違って、とても勉強家なので、大学教授というのは、彼には天職なのではないかと思います。
 4回分の配信では、毎回、話題が飛び跳ねていますが、彼の関心の広さや問題意識をご理解いただけるのではないかと思います。司会役不在で、お聞き苦しいところもあるかもしれませんが、あと2、3年で30年にもなろうとする長き友人です。ぜひお聞きください。
アイデアエクスチェンジ「村藤教授の巻」

百年に一度の不況でも、化粧品ビジネスは不況知らず?

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 今月に入って、知人から紹介された整体院に通うため、時々表参道周辺に出没しています。腰痛のためですが、文字通り、体の姿勢を正しく整えるための「指導」を受けている感じです。あらためて分かったことはこれまでの姿勢がよくないこと、体が非常に硬いこと。股関節を中心とした屈伸運動を、一回ごとにはわずかの時間を利用しながら、1日のうちで何度か行っています。おかげですこしずつ明かりが見えてきました。来月あたりからは、少しずつ、サイクリングを始めようかと思っています。
 整体院までの道の途中で、シャネルの店の前を通るのですが、写真のような列ができていました。不況になっても、女性は化粧をやめない、あきらめないと聞きます。(それだけ化粧に関する刷り込みが行われているということか?)新聞の広告からは、化粧品、健康食品、そして団塊の世代をあてにした旅行は、ビジネスとして、ちゃんと成立しているように見えます。
 今回整体の指導を受けて思ったことですが、へたな食品ダイエットなど行うよりも、きちんと姿勢を整えることから始めた方が、根本的なダイエットになりそうです。ボクの場合、体重計の数字としてはそれほど減っていませんが、体の筋肉がしまってきたかと思います。正しい姿勢を取るようにし、適度な運動をすることが、ダイエットにつながるかと思います。
 

金本位制(40年前、グリーンスパンが言ったこと)

 FRB前議長で、今回の金融不安の張本人の一人とさえも言われるようになったグリーンスパンが、1966年、金本位制の役割と信用創造の危うさについて行った講演。グリーンスパンが、ウォールストリートに取り込まれる前の話。今また、金本位制の復活が一部で真剣に議論されるようになっています。

http://financialsense.com/metals/greenspan1966.html

ブランドの力

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これだけだと、ただのプラスチックゴミ箱。(150円くらい?!)

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メリルリンチの社長が、ゴミ箱に10万円使っていたという記事がありました。アップルのシールだけでは10万円には見えてきませんが、楽しい雰囲気にはなります。ちょっとした工夫。

ただのオプション

 今回のアメリカの金融危機に関していろいろな議論が出ています。資本主義の終焉だと言い出したり、懺悔本を出して印税を稼いでいる経済学者までいるわけですが、ボクは単純なので、根本の問題のひとつは、金融機関におけるボーナスの払い方にあると思っています。いくらかの修正はあったとしても、資本主義にとってかわる経済や会社の仕組みなんて、そう簡単には出てこないはずです。
 将来にわたって利益が実現されていく金融商品の製造、販売、あるいは売り買いにおいて、担当者は想定される利益の現在価値の何割かを、年末のボーナスとしてもらう仕組みになっています。ところが将来にわたって想定される利益は、大きく市場が変化する中で必ずしも確実なわけではありません。大きなリスクを持つ商品、別の言葉で言うと非常にギャンブル性の高い商品を作っても、一見、非常に大きな利益がでている時、金融機関はその担当者に大きなボーナスを払ってきました。ましてや、自分が作った非常にリスクが高い商品を無知蒙昧なる投資家に売り払ったあとは、知らぬ存ぜぬです。
 世界的に有名な金融機関がそんなバカなことをやっているはずないよね、なんて思うのは部外者だからで、実態は本当にずさんだったと言えます。
 個々人の社員には、実は「ただのオプション」(free option) が与えられているようなもので、会社のリスクと費用で大きな利益を上げた時にはその何割かをもらう、大きな損失を出したときには仕事を失うだけという、非常に一方的な関係がずっと成立していました。ボーナスは、現金で支払われます。ここで、ボーナスの支払いを現金ではなく、自分たちが作った商品で受け取るような仕組みにすれば、きっと金融機関に働く人間たちは商品の設計にもっと責任を持ったはずです。
 この前、大阪のクラブの女性が帰宅途中、350万円もの現金を奪われる事件がありました。水商売の人たちは、現金で給料やボーナスを取っていらっしゃるのかと思いますが、実はこの方たちのほうが、ある意味ではアメリカの金融機関の連中よりも、自分の仕事に責任をとっていらっしゃいます。ボクは夜のお仕事の詳細はよく知りませんが、お客さんがツケのお金を払わないときには担当のおねえさんたちは自腹でお店に支払いをしていると聞きます。ところが金融機関の連中は、会社にリスクを背負わせ、損をした場合にも、いっさい自腹で穴埋めをしたりはしません。
 この仕組みは別の言い方をすれば、「利益は資本主義、損失は社会主義」、あるいは「会社の利益は自分のもの、会社の損は会社のもの」という仕組みです。まさにモラルハザードです。こんなことを何年、何十年もやっている業界が、高給を取り続けること自体が犯罪的なことだと思います。メリルの前の社長は、自分の社長室を変えるのに億単位の金を使い、10万円のゴミ箱を使っていたという記事を読んだことがあります。今回のアメリカの金融危機で、1、2の例外をのぞけば逮捕された人間が出ていないことが不思議なくらいで、そんな業界が世界をリードしてきたことも、ふざけたことだと思っています。

 

「よい商品ほど広告をしなければならない。」

前佐賀市市長の木下敏之さんのメルマガに、含蓄ある言葉が紹介されていました。
「よい商品ほど広告をしなければならない。」松下幸之助の言葉だそうです。
メルマガ「夕張希望の杜の毎日」

『まぐれ』(ナシーム・ニコラス・タレブ著)

 原題は、"Fooled by Randomness_The Hidden Role of Chance in Life and in the Markets"。日本語の副タイトルには、「投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」とあります。日本語の『まぐれ』というタイトルでいいのか、少々疑問です。ボクだったら『偶然』というタイトルにするかな。
 内容は金融における確率(あるいは偶然性)を取り上げているようで、本当のテーマは、理性と懐疑をもって生きることです。サブプライムで世界経済をメチャクチャにした金融界で働くすべての人たちは、この本を読んだ方がいいのではないかと思います。
 この著者のことは、2007年、ハーバードビジネススクールのリユニオン(同窓会)に参加した際、金融の先生が特別授業の中で紹介してくれました。この『まぐれ』に次ぐ最新作品である"The Black Swan"を非常に高く評価されていました。この最新作も、ダイヤモンド社から翻訳出版される予定のようですから、楽しみにしています。
 2度繰り返して読んでみようと思うビジネスの本はそれほどないのですが、この本は再度読んでみようと思っている一冊です。
 最後にもうひとつ。著者はあとがきで、「私たちは、目に見えるものや組み込まれたもの、個人的なもの、説明できるもの、そして手に取ってさわれるものが好きだ。私たちのいいところも悪いところも、みんな、そこから湧いて出ているように思う」と記しています。ボクたちの会社が扱っている「資格」というサービスは、形のない目には見えないもので、個人的なものでもあり社会の中で認知されるものでもあり、時にその不思議さを想うことがあります。

消費は感情に左右される(なじみのお店によると)

 昨日は久しぶりに洋服を買いに。毎年バーゲンセールのときに買い物をするのですが、今年は5割引と、例年以上に値引き販売をしています。このお店とは、おつきあいが長いので、どちらかというと顔なじみです。
 で、店長のお話によると、やっぱりリーマンショックのあとの数ヶ月、昨年の10月、11月頃が最悪で、1月に入ってようやく息をつくことができたそうです。小売りは、株が下がったりすると、大きな影響がでるそうで、感情や気分の揺れに左右されるとか。「30年以上この商売をやっているが、こんなに急激に落ち込むのは、初めての経験」と、おっしゃっていました。(小売りではありませんが、この前、オフィスのそばにある東京会館に、海外からのお客さんを連れて昼食に行った時、ここもリーマン倒産のあとから、2、3割、お客が減っているとお聞きしました。)
 景「気」というくらいだから、「気」分というか、感情が与える影響は、大きいということでしょうか。

『日本の優秀企業研究_企業経営の原点6つの条件』(新原浩朗著)

 優秀企業とそうでない企業を分ける一般法則は、所属する業界の差に関わりなく見られ、以下のような6つの共通点が見られる、とする研究結果を書籍にしたもの。
1 分からないことは分けること
2 自分の頭で考えて考えて考え抜くこと
3 客観的に眺め不合理な点を見つけられること
4 危機をもって企業のチャンスに転化すること
5 身の丈に合った成長をはかり、事業リスクを直視すること
6 世のため、人のためという自発性の企業文化を埋め込んでいること

 まとめて言えば、「自分たちが分かる事業を、愚直に、まじめに自分たちの頭で考え抜き、情熱をもって取り組む」こと。

 この本の中には、ボクが尊敬している企業、企業家が紹介されています。任天堂(山内前社長)、信越化学(金川千尋現社長)、ヤマト運輸(故小倉社長)、マブチモーター、ホンダ、トヨタ、シマノなどなど。任天堂の山内さんにとっても、最初の30年は苦労の連続だったこと(トランプや花札事業にかわる新規事業として、タクシー事業、インスタントライスの製造にトライした)が紹介されています。また、マブチモーターの製品標準化の話も、おもしろかったです。
 任天堂やマブチモーターは、Big Giants になっていますが、"Small Giants"たちと同じなにかを、共有していると思います。

伊那食品工業_日本のSmall Giants(スモールジャイアンツ)

 アメリカン・ブック&シネマの新刊本「Small Giants」。おかげさまで、日本経済新聞の書評欄でも取り上げていただきました(1月18日付)。この本の中で紹介されているのは、アメリカの企業ばかりですが、日本に、Small Giantsがないわけではありません。それどころか、たくさんあるはずです。

 で、そのような日本のSmall Giantsのひとつが、この伊那食品工業なのではないかと、ロイターのHPに掲載されていた、雑誌「プレジデント」の記事から思った次第です。しっかりした哲学をお持ちの社長に感心しました。事業の深堀、地元に根付いた経営などが印象的です。

(→伊那食品工業記事

「百年に一度の世界同時好況」

 「百年に一度の不況」という言葉がはやっていますが、マスコミ関係者や政治家の先生方が使われるときには、不況のシリアスさを本当に信じていらっしゃるのか、よくわかりません。心から、百年に一度の規模の不況であると考えていらっしゃるのであれば、いまのような行動(無策というのは、言い過ぎでしょうか?)でいいのか。
 先日、新年会で知人たちと話をしていて、実は2000年のITバブル崩壊から回復し、20007年末まで続いた世界同時の好況こそが「百年に一度の好況」であって、そのことの方が、実は世界史上でもまれな出来事だったのではないかという話になりました。日本に暮らすわれわれ庶民レベルには、決して、好況であったという感じはしないのですが、この時期、確かに東京の不動産は値上がりし、「シロガネーゼ」なんて言葉が雑誌を飾りました。(「シロガネーゼ」はどこに行ったのか?!)この期間、BRICsを始めとする途上国においても、景気のいい話が多かったように思います。もちろん、EU、アメリカにおいても、不動産は大幅に値上がりし、世界的なバブル景気でした。
 ポイントは、あの時期が当然だと考えているとまったく間違ってしまうのではないかということです。高い生活水準になれてしまい、単純に言うと、身の丈に合っていない贅沢が当然みたいに思い始めると、危ないな、って。
 トヨタは、1000万台の生産レベルから一気に700万台を基準にすえて、そのレベルでもきちんと黒字になる体制を整えようとしていると聞きました。さすがトヨタだなと思います。トヨタ銀行と言われるほど現預金を持っているトヨタですが、貯金を使い果たしてしまう前に、新しい体制の確立と、マクロ経済の回復があることを期待されていることでしょう。
 1930年代の不況の克服には、第2次世界大戦が必要だったというような、悪魔的な考え方があります。局地的には戦争が続いていますが、世界的な戦争を絶対に引き起こすことなく、国際政治のリーダーたちには、この不況を解決していって欲しいです。

百年に一度の不況?

 昨日、今日と、新年会に出席しましたが、いろいろな方から、「百年に一度の不況」という言葉をお聞きしました。そう言うことが、なんとなく、この頃の挨拶代わりになっているみたいに。不況だ、不況だと言って、最初から今年もダメだというような「空気」を受け入れるのは反対。メチャクチャな借金を抱え、さらに追加の借金を背負おうとしているアメリカの方が、ずっと楽観的で、きっと不況からの回復は早いのではないかと予想しています。
 1月から、白旗をあげるなんて、最悪。

An hour with Bill Gates

 ビル・ゲイツのことを好きな人、嫌いな人、尊敬している人、さまざまでしょうが、このインタビューを観ていて、ボクは好感を持ちます。それはボク自身がこの10年ほど、マイクロソフトと仕事をさせてもらい、そのことに感謝しているということもあると思いますが、決して、それだけではありません。知的好奇心の塊であり、科学やテクノロジーへの強烈な関心、勉強家であり続ける姿勢は立派だと思っています。
すべて英語ですが、ぜひご覧ください。
インタビュー("An hour with Bill Gates")

自動車産業の影響

 大阪の某放送局の社長がご来社。以前、東京の某局の役員をされていた頃からのおつきあい。で、大阪に関する印象をお聞きしたときに出てきた話題が、自動車産業の地域に与える影響度合い。
中部地域が5とすると、関東は3、そして関西は1。大阪には名古屋、東京ほど、自動車業界の不況の影響はないのではないかということでした。
 トヨタがダメになるときは、日本がダメになるときだよねと、ほんの今年の始めくらい前まで、大勢のひとたちが考えていたと思いますが、そのトヨタが苦境に立たされているという現実が目の前に突然、現れました。
 今日は、2007年、OECD加盟国内で、日本の名目GDPは19位まで後退してしまったという記事が、
ロイターにでています。G7の中の最下位だとか。頑張れ、ニッポン!

書籍『Small Giants(スモール・ジャイアンツ)』 (yes, small is beautiful!)

アメリカン・ブック&シネマから今年最後の本です。
この本は、2006年、フィナンシャルタイムスのビジネスブックオブザイヤー最終選考に選ばれた本です。
サブタイトルにあるように、事業規模の拡大よりも、自分たちの信じる価値を守ろうとしてきた企業14を紹介しています。
日本でもファンが多い、『ビジョナリーカンパニー』の著者、ジム・コリンズは、『本書は、私たちに大切な真実を思い出させる。「偉大」と「ビッグ」は、等価値ではないということを」という推薦をしてくれています。
 日本ではとかく大きさを誇る経営者が多いように思います。業界団体などでも、大企業であることが、その業界を代表する条件になっています。でも、規模は必ずしも、素晴らしい会社の条件ではないかもしれません。すくなくとも、十分条件では。
 かつて、ある経済学者は、Small is beautiful. という本を書きました。大企業は、beautifulなのか、さらにはgreat なのか?ボクはsmall で、simpleであることが、これからの組織には大切なポイントになるのではないかと思っています。
著者のボー・バーリンガムは、アメリカの各種ビジネス雑誌に関わってきた非常に著名なジャーナリストです。2006年グーグル社員向けに、Small Giantsというテーマで、講演を行っています。その模様は、YouTubeで見ることができます。ぜひ、ご覧ください。
 また、数ヶ月前、アメリカで発売された彼の新刊"Knack"を、来年、アメリカン・ブック&シネマでは発売する予定です。この本は、最高の起業ガイドブックです。ご期待ください。
アマゾン『Small Giants』

『松下幸之助発言集・第一巻』(PHP文庫)

 今日もベッドの上でゴロゴロしながら、本を読んでいます。(腰痛のおかげで、普段以上に本が読めます)
この前、イトーヨーカドー創業者の本のことを書きましたが、今回は、「経営の神様」松下幸之助。松下幸之助は、1989年4月に亡くなられたので、来年で没後20年になろうとしています。松下電器産業は、社名をパナソニックとかえ、大きな変革を目指していらっしゃるようです。ボクはどちらかというと、ソニーブランドがずっと好きだったのですが、ここ数年、パナソニックブランドを見直しています。大型テレビ、DVD、ハイビジョンカメラ、この3点セットが欲しくて、暇なときに、会社の近所のビックカメラでぶらぶら見てあるくことがあります。日進月歩の家電製品で、なかなか踏ん切りがつかず、いつもwindow shopping ばかりです。以前であれば、ソニー商品しか検討しなかったのですが、このごろは、パナソニック商品にも、目がいくようになっています。ボクの中では、パナソニックブランドの株は、かなりあがっています。
 で、松下幸之助です。本のサブタイトルには、「商売は真剣勝負」なんてありますが、昭和35年から38年にかけて、企業主催の研修会やセミナーなどに招かれて行った講演を集めたもので、松下幸之助の非常に合理的な考え方を、わかりやすい言葉で理解することができます。ヨーカドーの伊藤さんもそうですが、松下さんのお話も、基本に忠実で、合理的、かつ実践的です。昭和35年というのは、ボクが生まれた翌年で、1960年代前半、今から50年近くも前の話になるのですが、会社経営に関して、ほとんどすべての発言は、われわれにも参考になるものばかりです。企業や資本が社会的な存在であり、社会や国家に対する責任を持つという考え方は、現在のCSRに通ずるものがあり、また金融不況の原因の一つであるモラルハザードに関しても、松下幸之助が生きていたら、きっと鋭い発言をされていたことだろうと思います。
 また、こんな発言もあって、現在の政治を考える上でも多いに参考になります。政府支出に関して、昭和38年(1963年)、長野で行った講演で以下のような発言をされています。
 「昭和10年(1935)の時分に日本は軍備をもってましたですね。国費の少なくとも35%前後を使っとったわけです。そのほかに、まだ大きな国費を使っとった。それは何かというと満州国の建設です。あれだけの軍事費を支出し、あれだけの満州国を建設する金を国費から出して日本はやっていた。だから税金が高かったかというと、今日と比べますと非常に安いんであります。」「今日は、そういうものはいっさい要らんようになったんです。にもかかわらず、税率は倍になりました。納税者が三倍になっています。何に金を使っているんでしょうか。これはやはり行政費と申しますか、国家運営費と申しますか、そういうものに余計な費用がかかっているということではないかと思います。」「経費が国によけい要るかたちにおいて、物が安く売れるかというと私は売れないと思います。われわれのお互いの会社を、十分健全な姿に直すということに成功したといたしましても、まだ不十分である。国の経費を少なくとも昭和10年程度まで切りつめるよう合理化する。そうすれば日本はもう限りないと申していいくらい繁栄していくだろうと思うんです。」
 松下幸之助は、松下政経塾を建て、多くの政治家を輩出していきましたが、政経塾の出身者で総理大臣になったかたはまだ出ていないと思います。現総理の麻生さんは、ご自身も会社経営に携わったことがあり、経営感覚のある総理だということですが、松下幸之助のような人に、ぜひ、総理大臣を務めていただきたかったです。

CNNに取り上げられた日本航空社長

 記憶に残っているビジネススクールのケースでこういうものがあります。倒産しかかったメーカーが、一方では社員の首切りをしているのに、優秀な経営者を確保、あるいは維持するために、どれだけの給料を払ったらいいのかというもの。このケースのタイトルとか、まったく忘れてしまいましたが、とても複雑な気持ちになったことと、アメリカ人の学生たちと、ボクのような日本人とは、心情的にかなり異なる反応をしたことを覚えています。
 日米の企業を比較した時、経営者あるいは優秀な社員が、普通の社員に比較してどれだけの給料を得るべきかというテーマにおいて、日米は、非常に対照的だといつも思います。世界でもっとも平等指向の強い日本(時には弊害があるほどの平等指向!)、強烈な格差社会のアメリカ。どちらがいいとは言いませんが、両者とも、もうすこし中庸を目指した方がいいのではないかと思っています。
 CNNに日本航空の西松社長の倹約、謙遜ぶりが紹介されていて、コメントを読む限り、たいへん好意的に受け止められています。バス通勤、社員食堂の利用、年収1千万円以下。すべての面で、赤字続きのアメリカ自動車メーカーの社長たちは異なります。
 ボクは、ANAよりも、JALに乗ることが多いです。いとこや友人が多いこともありますが、初めてアメリカに行った時、1976年ですが、AFSの同期たちと、JALのチャーター便で行ったこと、そのときから海外に行くときは、JALが中心です。
 今回、このCNNのビデオを見て、西松社長を応援してあげたくなりました。このCNNのビデオは、きっと、日本航空にとって、今年最高のPRになったのではないかと思います。日本航空の広報室のホームランでは?!


Google でも人員削減をしているという記事

これまでずっと、飛ぶ鳥を落とす勢いできたグーグル本社でも、人員削減を静かに行っているという記事がでています。

http://www.webguild.org/2008/12/google-layoffs-update-3000-workers-cut-so-far.php

Let Detroit Go Bankrupt by Mitt Romney

政府に支援を求めにワシントンに飛ぶため、会社所有のプライベートジェット機を使ったということで、大手自動車メーカーの首脳たちは、マスコミからだけでなく、議員たちからも追求されているようです。(BBCビデオでその様子が見られます。先生からしかられて、にやにやしている悪ガキ以上に見えず、この人たちが本当にシリアスなのか、疑問を持ったくらいです)
共和党の大統領候補選挙に立候補していた元マサチューセッツ州知事のラムニーも、
Let Detroit Go bankrupt という投稿を、ニューヨークタイムズにしています。このなかに、彼の父親は、アメリカンモータースの立て直しを、苦労しながら行ったと出ています。
アメリカの自動車メーカーの場合は、経営側だけでなく、労働者側も過大な企業年金を放棄し、ドラスティックにコスト構造を変えない限りは、再生はありえないのではないかと言われています。GMが特に危ないのでしょうが、GMにしろ、シティバンクにしろ、過去、アメリカの代名詞だった企業が潰れそうになっているなんて、ベルリンの壁の崩壊とまでは言いませんが、かなりショッキングな状況です。

オプションは買うもので、売るものではない(われわれ素人にとっては)。

 駒沢大学、立正大学で150億円前後の運用損がでていることが報道されています。駒沢大学の場合、バランスシート全体の大きさが950億前後のようですから、そのサイズで150億円の損失とは、かなり痛い! 過去、本業の不振をカバーするために、無理な不動産投資を行って倒産した専門学校の記事をなんどか読んだことがあります。駒沢大学の場合には、そのようなことにはならないでしょうが、損失をカバーするために、銀行借り入れを行ったようなので、今後、その借り入れの返済が非常に大きな負担になってきます。
 さらに、今朝の新聞によると、サイゼリアでも140億円の為替損だとか。
 これらの記事では、損がどうしてでているのか、詳細は報道されていませんが、ほとんどが、資金運用あるいは為替取引等において、リターンをよくする、あるいはコストをすこし下げるために、銀行あるいは証券会社に対して、オプションを売っています。サイゼリアの社長さんは、ここまで豪ドルが円に対して安くなるとは思っていなかったと言っていますが、たぶん、ほとんどの人は同様に感じているはずです。でも、ただでリターンがよくなったり、コストがさがったりなんてことは絶対になく、あるいは、一般の学校法人、事業法人や個人が、プロの金融機関に勝てることは通常なく、また、金融機関は自分たちに都合のいい話以外をもってくるはずもなく(と思っていれば、裏切られたなんと思うこともない!)、われわれアマチュアが、最悪のケースを想定しないまま、オプションを売ることは、絶対にやってはいけないことだと思います。オプションを売ることは、想定以上の変化がおこった時、信じられないような損を被ることになります(実需なくして、オプションを売る取引を行うなんて、怖くてできません)。
 私立大学は資金運用のため、かなりが「財テク」を行っているはずです。駒沢、立正以外にも、実はボロボロ出ていると思います。横並びの日本社会、証券界社や銀行は、「この商品が、売れています」なんて言って、担当者を安心させてくれます。最終的な意思決定者も、ITや金融のことは、十分に勉強していないことが多く、現場に任せきりということがまだまだ多いのではないかと思います。
 ハーバード大学も、資産運用には相当力を入れていますが、彼らのところでも、かなり損失が発生しているのではないかと思います。ただしその理由は、マーケット全体が大きくさがっているからで、不用意にオプションを売っているからではないはずです。

まだまだグーグルドック利用率は低いという調査結果

 アメリカのインターネットユーザーの調査(Click Stream 社調査)で、無料のオフィス製品に対して、圧倒的にマイクロソフトのオフィス製品が使われていると結果がでています。詳細は、こちらを。→Web Guild

Web 2.0 Summit


 本日からここサンフランシスコで始まったWeb 2.0 Summit に参加しています。不況、ネットビジネスに対する悲観論などもありますが、頑張っているベンチャーもまだまだあるようです。夕食後のゲストは、あのランス・アームストロングでした。彼のファンは、ここシリコンバレーにもたくさんいます。ボクは参加しませんでしたが、ランスにサインしてもらうトレックの自転車(定価だと30万円くらいかな?)が、チャリティオークションで90万円近くで落札されました。
 詳細はこちらのサイトへ。→web2summit

 それと、昨日の大統領選挙の結果には、ほとんどすべての人たちが喜んでいるようです。朝食の席でいっしょになったマイクロソフトの女性社員は、「アメリカ人として誇れる出来事ができた」とまで言っていました。結構、そう思っている人は多いのではないかと思います。

追記
今日は、グーグルとのパートナーシップの可能性がなくなったヤフーcEOのジェフリー・ヤンも予定通りスピーカーとして参加していました。司会役のジョン・バッテルに、シビアな質問の連続を受け、気の毒な場面もありました。厳しい立場に置かれているという印象でした。
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恐慌の足音

 きのうは泊まりで新潟訪問。初めての新潟、日頃お世話になっているお取引先の方々にお会いでき、勉強になりました。新潟で泊まったホテルでは、オープン30周年記念ということでしょうか、新米のコシヒカリ(450グラム)をいただきました。新潟は、お米、魚がおいしくて、最高です。
 で、今朝8時台の新幹線で帰ってきたのですが、10時半過ぎに東京に着いて、会社の近くにあるビックカメラに立ち寄ってみると、どうも人(客)の姿が、普段の週末よりもかなり少ない印象を持ちました(午前11時前後)。その前に立ち寄った、三省堂(有楽町店)でも、立ち読みをしている人の姿も心なしか、少ない。(ここでは、今話題になっている副島隆彦著「恐慌前夜」を購入。ちなみに、三省堂のスポーツコーナーでは、『ツールドフランス_勝利の礎』(アメリカンブック&シネマ刊)が、何冊か棚に立てて置かれているのを見て、うれしくなりました。三省堂さん、ありがとうございます!)
 きのうは、ずっと新潟でお取引先を何カ所か訪問していたので、株式市場が再び暴落し、ドル円が90円台に一時なっていたことなどは、後で知りました。これだけ株が下がると、急速に心理状況が悪化しますね。海外市場が全滅状況で、相対的に傷ついていない日本に海外のお金が緊急避難先として入ってきているのかもしれませんが、輸出で支えられてきた日本の景気なので、日本の景気もこれからかなり悪くなるのではないかと思います。年末のボーナスは厳しいだろうから、ビックカメラの年末商戦も厳しくなるだろうね。
 新潟で泊まったホテルには、コリアンエアーのクルーたちの姿がありました。クルーだけでなく、韓国や中国からの観光客の姿もありました。ここ数年、日本にたくさん来ていたアジアの観光客も、これから減っていくのではないでしょうか。ラスベガスを抜いたと言われていたマカオも、客足が遠のいていると聞きます。
 世界全体、パーティ・モードから、お葬式モードに入ってきているように見えます。

バフェットからのアドバイス

以前、黒犬通信で書いた、任天堂の山内さんが座右の銘としている(とお聞きしている)、「失意泰然、得意冷然」。それと同じような意味の言葉を、ウォーレン・バフェットも言っています。ただし、こちらは投資に関してですが。"Be fearful when others are greedy, and be greedy when others are fearful."

逸話として残るかもしれない手紙

サブプライムで大もうけ。もう他人の金のために、あくせく働くのは辞めると言って「引退」するファンドマネージャーの手紙がアメリカで評判になっています。結構おもしろい内容です。
Andrew Lahde:Good-bye letter

フランクフルトブックフェア訪問

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社員のSさんと、60回を誇る、フランクフルトブックフェアを訪問し、さきほど帰ってきました。とんぼ返りのヨーロッパ訪問で、体はがたがた(腰痛!)ですが、出展している多くのブースの素晴らしさに驚きつつ、ヨーロッパの知的水準の高さ(の表れだと、ボクは感じました)に、あらためて感心しました。本を読まなくなっているのは、世界的な傾向のはずですが、ドイツの出版社および一部英米の出版社の力の入れようをみていると、東京国際ブックフェアでの日本の大手出版社のブースが、非常に寂しく思えてきます。
 幕張メッセのメッセという言葉のもとになっているフランクフルトのメッセ。数日、ここに通うだけで、フランクフルトの中心地には一度も足を踏み入れることなく、空港、ホテル、メッセしかみることがありませんでした。が、豊かなヨーロッパの出版文化にすこし触れることができたことがうれしいです。
 今週は、ヨーロッパでも、テレビを見ても、新聞を読んでも、世界の金融市場のニュースばかりでした。日頃読んでいるFinancial Timesの記事で、アメリカにおいても、格差問題を、大きな社会問題と考える人口が増えていること。自分は、持たないグループに入っていると感じている人が増えていること。そして、新しい大統領の政策いかんでは、アメリカも、ヨーロッッパ並みの規制を持つようになるかもしれないこと。そのような記事が気になりました。
 この記事の中で、アメリカにおいて、social contract、つまり(ルソーの著作でも有名な)「社会契約」が、新たに出来上がるかもしれない、という文章が記憶に残りました。日本には、われわれ国民と、政府の間に、「社会契約」というような概念があるのでしょうか? 日本の新聞で、連日のように報道されている公務員による不正記事を読んでいると、われわれ国民の税金をいったい、何だと考えているのか、それとも、考えていないのか。「契約」というような考えは、われわれの税金の使い方に関しては、まったく存在していないから、こそどろをやっても、なんら罪の意識さえもなくなっているのかとさえ、想像しています。かつての社会主義国の腐敗した役人たちのレベルのように見えてくるのが、残念でたまりません。

歯科技工士がいらなくなる日

 数日前、知人から紹介してもらった歯科診療所で、最新医療の一端を経験。虫歯の詰め物であるセラミック(修復物)を、CAD/CAMで作成するのですが、口の中の写真撮影から修復物の製作まで、短時間(約30分)。噛み合わせをチェックし、歯科医が微妙な修正してくれて、はい、終わり。ドイツのシロナというメーカーの製品で、この技術をずっと研究している先生にお世話になりました。歯科技工士による作業が完全に不要になります。さらに患者としては、来診が一回分減り、精度の高い修復物をえることができます。保険外診療ですが、非常に値段もリーズナブルで、驚きました。(その晩、いっしょに夕食をした取引先の方たちにこの話をしたら、その値段のリーズナブルさに、皆さん、驚いていました。)
 世の中でお世話になりたくないことのひとつは、歯の治療ですが、このような最先端の技術を使う歯科医が増えていくことは、大歓迎です。
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シロナHP

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Is this the selling climax?

 日本人ノーベル賞受賞者の朗報が続いていますが、株式市場は「ボロボロ」です。弊社担当の若手証券マンは、「入社以来、初めて経験するマーケットです。」なんて言っています。いま、われわれが見ている相場は、10年、あるいは20年に一度あるかないかのマーケットです。ボクがビジネススクールを卒業した1987年にも、「ブラックマンデー」がありました。その後、90年代、日本の株式市場は10年間にわたって、「植物人間状態」でした。若いうちに、厳しいマーケットを経験すること、その中で、人間がどのような心理状況に陥り、どのような行動をとるのか、しっかり観察すること。それがいい勉強になるはずです。
 今日の日本の株式市場(終値は、9203円)に関して、麻生総理は、「普通じゃない。想像を絶する。」と言ったとか。英語にselling climax という表現があります。定義は、A period of very high volume and sharp downward movement in the stock market. A selling climax generally signals the end of a prolonged bear market. Also called climax. あとから振り返ってみた時、定義通り、パニック売りの終わりの段階だったのかどうか。それは、only time will tell. (時間がたってみて、わかること)
ピンチはチャンスになりえます。ボクらも、このピンチを新しいチャンスに変えていきたいな。

オリーブオイルでパンを食べる

 トーストにバターやジャムではなく、オリーブオイルをつけて食べるのが好きです。
今年一度だけ開いた丸の内起業塾の参加者のお一人に、小林もりみさんという、素敵な方がいます。すでに会社を始めていらっしゃるのですが、イタリアからオリーブオイルを輸入し、日本で販売されています。いくつか小林さんのところで取り扱っている商品を試してみましたが、トーストにつけると、とてもおいしいんです。
日経ビジネスで紹介されていたのですが、「長寿時代のスーパースター」(と、これは僕が勝手に言っていることです)、聖路加病院の日野原先生は、健康の秘訣のひとつとして、毎日、オリーブオイルをスプーン一杯分飲んでいるということです。
小林さんのHPは、こちら。→カーサ・モリミ
「オリーブ・オリーブ」

追記

会社概要のところに、小林さんの紹介があります。「英・仏・伊語でコミュニケーションが可能。」という表現が、ちょっと控え目で、いいなと思います。

リーマンブラザーズの破産法申請に思う(その2)

 今日は大阪に日帰り出張で、途中、まったくネットにアクセスすることもなかったので、昨日書いた「リーマンブラザーズの破産法申請に思う」に普段の3倍くらいのアクセスがあったことを自宅でみて、ちょっと驚きました。おかしかったのは、「リーマンブラザーズX年収」とか、「リーマンブラザーズX給料」というキーワードで検索された方がたくさんいること。人気商売の外資系金融の給与水準に関心がある人が、多いのでしょうか。

 日本ではそれほど目立ちませんが、証券会社同様、あるいはそれ以上に、給料がいいのが、KKRとかBlackstone に代表される、プライベートエクイティという投資ファンドです。日本はそれほど、売り案件が多くないので、新生銀行(元長銀)とか、東京スター銀行(元東京相互銀行でしたっけ?)など、数えるほどしか大きな案件はありませんが、アメリカでは、バンバン、会社の売り買い、上場企業の非上場化と新たな上場などが行われています。(いや、行われてきました、と過去形にすべきでしょう)
 僕は決して、プライベートエクイティの存在を、「ハゲタカファンド」などと言って、すべて、悪者だとは思っていません。逆に、今の日本の上場企業の動き(例えば、株の持ち合いの復活)を見ていると、もっともっと、アメリカ的な資本主義の実践が必要なのではないかと思っています。
 でも、リーマンは破産、メリルはバンカメに身売りなんてなると、「だからアメリカの金融なんて、マネーゲームばかりでダメだ」という議論が、日本では強くなり、結局、これまでのなれ合いや隠蔽体質を変えようとしない結果につながっていくのではないかと、ちょっと心配しています。

 (法律違反さえしなければ)へまをしてもクビになる程度で、個人責任を問われることなんてないのに、成功したときに得られる、べらぼうなボーナスを別にすれば(この一方的なリスク・リターンの関係から、いわゆる「モラルハザード」というような態度が出てくるわけですが)、リーマンをはじめとする証券会社が、実物経済をダイナミックに再構築していくために果たして来た役割には、たいへん大きなものがあります(もちろん、失敗もたくさんあるでしょう)。でも、日本では、日本がもっとも必要としているリストラやM&Aにしても、さまざまな理由でまだまだ活発には行われていないのが、残念です。
 大阪から羽田空港に着いたとき、バンカーズトラストで同じグループにいた、リーマンの日本代表の桂木さんがテレビ画面にでていたので、ちょっと足を止めて見ました。声は聞こえませんでしたが、これからしばらくは、関係者の方々も、たいへんな日々が続くのではないかと思います。
 次は、日本でも大きな存在を持っているAIG(保険グループ)が、市場の関心になっています。どこの段階で、アメリカ政府が踏み込んだ救済に入るのか、あるいは入らざるをえないのか。フィナンシャルタイムでも読みながら、社会勉強させてもらいます。
 

  

リーマンブラザーズの破産法申請に思う

 リーマンブラザーズ証券が破産法申請をしました。海外の銀行からうまく金を引き出すのかと思いましたが、結局、アメリカ政府が公的資金を出さないということで、誰も「ババを引こう」とはしませんでした。(日本政府は、かつて、日本長期信用銀行の買い手探しの際、公的資金を差し出すことで、ようやくアメリカのプライベートエクイティの金を引き出しました。そのとき、金を出した連中は、大もうけをし、アメリカからのファンド進出の先駆けとなりました。)
 もう過去のことなので、記憶している人はすくないかもしれませんが、ライブドアがフジテレビを買収しようとしたときに、資金調達を手伝ったのが、リーマンブラザーズの東京オフィスでした。バンカーズ・トラストで働いていた頃の同僚が、あの案件を進めていましたが、一段落した頃、別のグループにいる元同僚の話では、ライブドア案件のせいで、一部大手日本企業からひんしゅくをかったというようなことを聞きました。
 リーマンブラザーズという会社は、日本とは、過去においても関わりがあります。現在在籍している社員には、まったく興味がないことでしょうが、日露戦争の時、日本政府の資金調達を助け、日本がロシアとの戦争に勝つことを、金融面からサポートしました。リーマンはもともとユダヤ資本で、ロシア国内でユダヤ人が迫害されていることから、日本を支援しようとしたと言われています。でも、現在のリーマンブラザーズと、この頃のリーマンブラザーズに、会社として、あるいは経営として、どれだけの継続性があるのか。単なる歴史的な出来事の一つということでしょうか。

 リーマンブラザーズだけではありませんが、アメリカの証券会社はあまりにもやり過ぎですよね。住宅バブルで儲け、僕らの感覚からすると、メチャクチャの金をとっています。日本の証券界社のトップの人たちがどれだけの年収があるのか知りませんが、2年前、ゴールドマンのトップは、ボーナスだけで60億円を越える金をとっていました。一般社員も含めた平均年収が、数千万円なんていう、信じられないような話です。(→黒犬通信バックナンバー
 僕自身、金融の世界で働いていましたが、残念ながら、こんなおいしい話はまったくありませんでした。率直に言うと、日本法人の人たちも含めて、リーマンや今年前半に倒産したベアスターンズなどで働いていた人たちには、「みんな、いい給料もらっていたんだから、それなりのリスクは覚悟しているよね。」という風に思っています。が、金融は虚業だからどうでもいい、というほどには世の中、割り切れず、日々、こつこつと働いている製造業、サービス業にも、これから急激に影響がでてくるのではないか、それを心配しています。

本のない世界

 きのう来社した知人から聞いた話です。全国的に有名なある書店では、今年夏のボーナスはなかったそうです。よく行く書店で働く人たちのことが、頭に浮かびました。
書店は、万引きと立ち読みが、大きく足を引っ張っています。ただでさえ売り上げは伸びず、利益率が低い商品なのに、万引きされては、利益なんて吹っ飛んでしまいます。
今朝の朝日新聞には、「月刊誌_冬の時代」という記事が大きく出ていました。雑誌の休刊は、これからも続くのではないかと思います。
確かに、読書には、時には苦労もありますし、あたりはずれもあるのですが、これだけ安上がりで、長く楽しむことができる、「読書という商品」は少ないと思います。その楽しさを世代から世代へと、つなげることがうまくできていないのでしょうか。
一部のベストセラー作家をのぞくと、ほとんどの作家たちは、生活の苦労が多いと聞きます。どんどん居場所がなくなっている動物たち同様、本も、パチンコやテレビ、インターネット、ケータイに、殺されていくのでしょうか?

秋田のS君が大切にしているキーワード

先週末、秋田で再会した同窓のS君が、「大切な原理原則だと思うのですが」と言って教えてくれた4つのキーワード。(キムイルゴン著『東アジアの経済発展と儒教文化』から)

 「生産における勤勉」
 「消費における倹約」
 「流通における誠実」
 「分配における共生」

エコノミストでも取り上げられた島耕作

知り合いの方から教えていただきました。島耕作が、イギリスの雑誌「エコノミスト」で紹介されています。現実の日本では、島耕作のような人物が大企業の社長になることは、ありえないはずだ、とされています。英語の勉強がてら、読んでみては?
"A Question of character: What Kosaku Shima, Japan’s most popular salaryman, says about Japanese business"

名ばかりのMBO

すかいらーくの創業家が、議決権の9割を握るファンド株主に解任されたという記事が出ています。これは当然のことではないかと思います。まず、MBOといいながら、2割近く持っていた持ち株を、MBOの過程で3%まで売却し、多額の売却益を得ていたという話には、呆れてしまいました。このことからして、「ルール違反」だと思います。本来、MBOとは、経営陣がリスクを取ってエクイティ投資し、ちょっと大げさに言うと、経営陣の根性に火をつけて、経営にあたるというのが前提。なのに、2割から3%に持ち株比率を減らしていたなんて、MBO本来のありかたの正反対です。

マスコミには、MBOとか、LBOなどのアメリカで過去30年ほどの間にすすんだ金融手法に批判的なトーンで記事を書く方が多いように思います。でも、MBOやLBOを通して、短期間で金儲けできるほど、アメリカも甘くはないです。すかいらーくのようなケースをしっかり勉強していただき、どのようなMBOが「善」なのか、MBOがなぜ「善」なのか、きっちりとしたリサーチや研究に基づいた話を、もっと広めていただきたいです。

以前、日本電産の永守社長が、自社株の値段が安いという経営者は多いが、有価証券報告書を見ると、たいした自社株を持っていない。本当に安いとは思っていない証拠だ。本当に思っているのであれば、経営者は自社株を(借金してでも)もっと買うべきだと、日経金融新聞に書かれていたことが記憶にあります。すかいらーくの創業者たちがやったことは、(いろいろとご事情はあったのかもしれませんが)、これとはまったく反対のことで、まさに名ばかりのMBOだと思います。

任天堂Wiiのしたたかな広告

Nintendo_wii

昨晩、大阪から東京に帰ってきて、有楽町駅構内で撮った任天堂の広告。
「Wii Fitを利用する50代男性の59.7%が配偶者と一緒に利用」というアンケート結果を広告にしたもの。40代男性の巻もあって、子供たちと一緒に利用しているというようなメッセージだったと記憶しています。
任天堂は、ゲームを一部のおたくやマニアのためではなく、すべての人に広げようとしていて、そのビジネス戦略にはまったく脱帽します。ゲームに熱中する子供たちが、食卓での会話をまったく行わないことが、親たちの心配のたねだとすると、Wiiが家族間の会話を作っていくというメッセージは、実にうまいなと思います。

Fuji Xeroxのロゴが変更されている

 富士ゼロックスのロゴが変更されていることに、新聞広告を見ていて気づきました。フォントのタイプが、なんとなく、NTTドコモのロゴタイプに似ているのでは?全体として受ける印象は、AT&Tにも似ているかな?同じ時代の流行をなんとなく、感じます。

 会社のHPを拝見すると、今年の4月1日に変更されています。

富士ゼロックス
at&t
ntt docomo

資源高は永遠には続かないけど

 昨日は、高崎にある専門学校のトップの方を訪問。昨今の学生事情をお聞きしましたが、「モンスターピアレンツ」の話にはあらためてあきれます(差し障りもあるから、具体例は書きませんが)。昨晩は、テレビでも、まさに「モンスターピアレンツ」という番組名のドラマが始まったとか。
 振り返ってみると、バブル経済まっさかりの1980年代後半から始まって、戦後の日本社会のモラルの空洞化や劣化は、この20年で、相当進んでしまったんだろうと思っています。心のありかた、家族関係だけを見れば、今の日本って、江戸時代なんかではなく、戦国時代の乱世だと思うんだけど。
 1970年代の狂乱インフレのことをまだ覚えているからかもしれませんが、石油をはじめとする資源の値上がりは永遠に続く訳ではないと、ある意味、腹が据わっているつもりです。自動車が乗れなくなれば、自転車に乗るからね!
 でも、モンスターピアレンツ、モンスターキッズの話みたいな、心の話はちょっと心配。「野村ノート」ではないけども、多くのことは、気持ちの持ち方、考え方、心のあり方から始まるものだから。
 「忙しい」という字は、「心を亡くす」ということを表しているけど、日本はカネ儲けだけで来たので、まさに心をなくしてしまたのかもしれない。(なんてことを書くようになると、僕自身、年をとった証拠かな?!)
 一度、アブダビとかドバイに行ってみたいと思っています。今の資源高に浮かれている中東マネーが、バブルのときの日本のように、どんな愚行を行っているのか、それとも賢く将来に備えて投資を行っているのか、自分の目で見てみたいです。

『ビジネスに「戦略」なんていらない」(平川克美著、洋泉社刊)

 実際に会社を経営されてきた「実務家」の書かれた本。論を深めるという点では、不満に思う読者も多いかもしれませんが、机上の空論とは違い、実体験から生まれた考えが書かれています。僕も共感する点が多い本です。

 友人に内田樹(神戸女学院大学教授、「私家版・ユダヤ文化論」で小林秀雄賞受賞)がいて、彼との対談もこの本には含まれています。内容は、大きな視点からビジネスをとらえ、人間の営みとしてのビジネスのおもしろさを説いています。ビジネスの始まりには、「交換」=コミュニケーションがあること、モノであれ言葉であれ、交換過程のはじめにあるのが「与える」ということ、それに対する返礼、反対給付が続いていくことがコミュニケーションの基本であること。さらに、ビジネスにおいて交換されるものはモノやサービスとお金であり、さらに、技術や誠意といったものが満足や信用といったものと交換されていること。その二重の交換が、ビジネスであることを熱心に説いています。
 大学生の頃読んだ文化人類学、経済人類学の本を思い出させてくれました。会社の経営者は、顧客や社員などの「ステークホールダー」と、商品やメッセージ(言葉)を通して対話を進めていかないといけないこと、対話そのものが実はビジネスの大きな目的であり、その中にいきがいや、やりがい、あるいは自己実現といったものが見つけられるのではないかと思いながら、本を閉じました。

アオテンストア

日本には新幹線がある

 朝から名古屋に行って、小社のパートナー企業として試験の実施にご支援いただいているPCスクールや派遣会社を訪問。日ごろのご愛顧、ありがとうございます。10年ほど前、某・派遣会社に新入社員として入社されたばかりの頃、一度お目にかかった方が、現在では人材開発部の次長というポジションに立たれていて、時のたつことを実感。

 ところで、いつも感じているのですが、日本の新幹線はすごいと思います。スピード、正確さ、時間厳守、安定性、こんな乗り物は世界中探してもありませんよ。名古屋にトヨタがあって、名古屋経済を支え、さらには日本経済もかなりの部分でささえているわけですが、「トヨタイズム」が一つの基準として、日本のビジネスの模範とあることの意味は大きいと思います。

 同様に、日本の新幹線は、僕はビジネスのひとつのベンチマークだなと思っています。この新幹線の正確さやスピードが、僕らが社会に期待するもの、社会に自分たちが提供しないといけないものの、ひとつの基準になっていて、それが故に、日本の社会はまだある程度の規律をもって動いているのではないかとさえ、思うのです。

 新幹線があてにならない存在になったとき、きちんとしたオペレーションが崩れたとき、その時こそ、日本経済は終わっているはずです。

久しぶりに出会った、イノベーション商品

 Riseandmuller

同じ勉強会の方がお持ちの自転車です。このコンパクトな、折りたたみ式の自転車で、平地でも40キロ程度のスピードを出すことができるそうです。彼はホノルルセンチュリーライドをこの折り畳み式自転車で走ると言っています。

 ドイツのダルムシュタッド工科大学の学生だったふたりが1995年に発表した自転車。掃除機のダイソン以来、久しぶりに出会った画期的な商品です。社名は、ふたりの名前をとって、リーズ&ミューラー。(→会社のHP

 もうイノベーションなど起こりえないと思われている成熟産業(掃除機とか、自転車というような)で、このような画期的な商品を開発する発明家や起業家を尊敬します。

二分化する消費

アメリカの知り合いで、世界に家を何軒か持っていて、パリのオルセー美術館そばに持っているアパートのAVルームの改造費に、数千万円使ったという人がいます。アメリカにわたって成功した人です。(日本人ではありません) その人が持っているかどうか、知りませんが、以下のようなオーディオ商品があります。

 世界のオーディオファンに熱狂的に受け入れられているオーディオ分野のベンチャーが登場しているそうです。約2000万円ほどのスピーカーセット(!)を作っています。社名はアヴァンギャルド・アコースティック。日本では、TEACが代理店をやっているようです。(→TEACのHP

 世界の90%(適当な数字です)は数万円のiPod、10%弱はこれまでのオーディオセット、そしてほんの一握りは、われわれ平民の家と同じ桁の金額のオーディオセットを買うような人間がいるということでしょうか。2000万円のスピーカーセットを購入する人は、たぶん、同じくらいの金額のアンプやプレーヤーをそろえていて、数十億くらいする家に住んでいるということでしょうか?

 一度、このスピーカーから出る音を聴いてみたいです。(普段はiPodで音楽を聴いている黒犬!)

海外からのゲスト/タバコの話

 日曜日の夜から今日の午後まで、海外からのお客さんたちが6名。フィリッピン、シンガポール、マレーシア、オーストラリア(2名)、そしてインドからの6名の方たちと、今年勉強会を始めています。ビジネスマンとして、経営者として、悩みや楽しみには共通するものが多いものだと感心します。国境を越えて、ビジネスはビジネス。微妙なところでは違いがあり、時にはその微妙な違いが大きな意味を持つこともあると思いますが、でもビジネスはビジネス。だって、人間として、共通することの方が圧倒的に多いわけですから。今回の「東京ラウンド」のホスト役、ちょっと疲れました。初めて日本に来る複数の人たちのお世話はたいへん。ツアーコンダクターの方々のご苦労も想像できます。


 で、まったく違う話なのですが、ビルの中にあるタバコの自動販売機を久しぶりに注意してみました。タバコを全くすわないので、どうでもいいのですが、驚いたのは、健康に良くないという警告が正面に大きく出ていること。そして、キャメルのデザインはいいなということ。ガソリンやアルコールにかけられている税金は下げてもらいたいですが、タバコはもっと税金かけて1000円くらいにしてもらっても、大賛成!(喫煙家の皆さんには、申し訳ありません)

レーシック、顧客紹介で4万円

 先日、レーシック手術を受ける社員が増えていると書きました。
昼食時、社員から聞いた話です。ほとんどの社員が手術を受けていて、とても繁盛している某病院では、お客さんを紹介すると、紹介者に4万円支払ってくれるそうです。さらには、顧客が地方からくる場合には、交通費に1万円補助があるとか。
検査、アフターケアをあわせて、20万円弱の手術で、そのうち、顧客紹介と交通費のために、最大5万円まで払ってくれるということです。レーシック手術の利益率はかなりのものということでしょうか?

保険料の60%が手数料

先週だったでしょうか、主要各紙に、ネットで生命保険を販売するベンチャー企業、ライフネット生命の一面広告がでていました。この会社の社長は、日本生命の国際業務部長まで務めた出口治さんという方です。5月12日号の日経ビジネスに、「営業員ゼロ、ネット生保始動」という記事があります。この記事によると、われわれが払っている保険料のうち60%前後が手数料ということです。日本の生保は給料よし、商品は規制されているので各社間で十分な差別化なし、つまるところセールスの女性たちの活躍によっているところが大です。業界全体がもっと効率化され、保険料が半分くらいになってくれることを期待しています。

「白馬の王子」広告

Photo先日電通通りで見かけた「白馬の王子」広告、東京駅地下でも発見。こちらのコピーは、「白馬に乗った王子様は、話題の再開発ビルにも、あんまりいない」。出会い系サイトの広告ですが、渋谷、新宿、六本木などの都内主要盛り場には、出しているのではないかと想像しています。

『理解されないビジネスモデル-消費者金融』(時事通信社)

あまり普通の人は読まない本かもしれません。ただ、日本社会の病理を理解するには、この業界のことを理解しておく必要があると思います。先日ご紹介した、『反貧困』(岩波新書)とも関連してきます。(もうひとつ、理解すべき業界の一つとして、パチンコ業界もあります。)

この本は、貸金業法の改正に関して、消費者金融業界の人たちの意見や反省を集めたものです。すべての業界には、光と陰があります。消費者金融ももちろん例外ではありません。それどころか、多重債務者問題のように、恐ろしいほどの陰が一部では存在しています。80年代後半のバブル時期大ベストセラーになった、漫画『ナニワ金融道』を読めば、ものすごい勉強になります(漫画を読まない僕ですが、この作品は全巻読みました)。

もうひとつ、面白い話がこの本にあります。貸金業法の改正にあたった金融庁の担当の方が、インタビューにでています。借り手のリテラシーの低さが、多重債務者を生んでいる背景にあるとされています。ご自身も、2%の金利でも、長期の住宅ローンの返済において、奥様から指摘されるまで、金利負担の大きさをよく考えていなかったというお話をされています。ある意味、監督にあたる役人の方々が、金利感覚をお持ちになられていない、あるいは実務に基づいた感覚をお持ちではないことが、滑稽であると同時に、恐ろしいことだと思いました。(株式投資をやらない方が、証券ビジネスの監督にあたることと同じように。) 頭のいい人たちであればあるほど、現場の感覚が大切ですから。

アオテンストアby amazonに、黒犬通信で取り上げた本をまとめてあります。

イベントの日米比較

午後、1時間ほど、東京ビッグサイトで行われているIT関連のイベントをのぞいてきました。

日米でビジネスのやり方の違いを感じるものに、このイベントがあります。アメリカのイベント経験は限られていますが、イベント業を商売にしている人の話もあわせると、以下のような違いがあるように思います。

1 日本は知らない人同士の間の会話、コミュニケーションズがあまりうまくない。出展側も、参加者側にも共通して言える。
2 イベント会場で、商談が進むのが、欧米。日本はあまり商談がすすまない。理由は、来ている人間が、その場で話をすすめる権限を持っておらず、本社で構えているおえらいさんたちには最新の知識も少なく、稟議書にはんこを押すプロセスに時間がかかる。(そういうことで、日本のイベントに参加した欧米企業は、失望するところが結構あるということを聞いたことがあります)
3 コンパニオンのお姐さんたちの存在。コスプレに近いものがある日本のコンパニオン。モーターショーならいざ知らず、IT系のイベントでもたくさん見かけます。Web2.0 Expoなどでは、まったくいません。社員がTシャツ着ているだけです。
4 日本のイベントは、いたるところで、でかい声を上げている。電車の中の、うるさいアナウンスメントを思い出します。
5 無理にパンフレットを押し付けてくるし、役にも立たないグッズをあげるから、名刺を残していけという。アメリカのイベントもグッズをくれますが、名刺をくれないとあげない、というようなことはあまりないように思います。

 日本のイベントは形式的な要素がより強くあって、アメリカのイベントは、より単刀直入に、ビジネス指向が強い。そんな感じがします。

工場現場でのKYとは?

先週高知でお会いした元川崎製鉄(今のJFE)から退職された初老の方いわく、「工場現場ではKYと言えば、危険予知(Kiken Yochi)のことだった。いったい、いつから正反対の意味=空気が読めない、になったものやら」。

福山、京都、浜松

昨晩夕食をご一緒した、福山のベンチャー企業の方からお聞きしたこと。福山、京都、浜松は、日本のユニークなベンチャー企業発祥の地だとか。京都、浜松は知っていましたが、福山もそうだとは、お話をお聞きするまで、知りませんでした。人口あたりの上場企業の数が、日本でも有数だとか。山、海も比較的近い位置にあり、自然に近いということですので、一度、行ってみたいところになりました。

(男からすると)せつないサイト

別れたボーイフレンドにもらったジュエリーのオークションサイト。日本にはコメ兵があるから、必要ないかな。

http://www.exboyfriendjewelry.com/

仕様書の話_辻井喬・堤清二回顧録「叙情と闘争」から

 読売新聞土曜版の朝刊に連載されている、堤さんの回顧録。毎週楽しみに読んでいる読み物のひとつです。5月10日で16回目になりました。

 ビジネス、文学、複雑な人間関係が織りなす、お話が続いています。西武百貨店の再建にあたる堤さんのお話の中で、70年代、政財界の重鎮のひとりだった桜田武の以下のようなコメントが紹介されています。

「清二君、シアーズ・ローバックというアメリカの百貨店を知っているか」。「いや、大した会社だ。きちっと仕様書を作ってね、こういった布をこの値段で製造して欲しい、その場合には何万フィートは買い取る、と言ってくる。そして間違いなく実行するんだ。小売業もあそこまで行けば製造業をリードできる。」

 ものづくりを行っている人たちは、この仕様書を作ることに優れています。それに対して、目に見えないもの=サービスを作っているソフトウェアの分野では、往々にして、この仕様書作りに十分な時間と知恵をかけていないように思います。

 スピードは大切なのですが、「急ぎの仕事だから、ゆっくりやってくれ!」ということが、実は前提にならないとだめだと思います。

経産省による「ベンチャー失敗学」

ベンチャー企業がなぜ失敗したのか。経産省がまとめた失敗学、「ベンチャー企業の経営危機データベース」。

経産省

『会社の値段』(森生明著、ちくま新書)

 やさしい言葉で、会社の価値や企業統治に関して、考えるヒントを提示してくれている本です。書かれたのは、2005年末のようですが、この本のなかで提示されている著者の意見や疑問は数年後の今も日本の現状には当てはまります。

 

 例えば、普段なにげなく使っている、「企業価値」と「株主価値」の違いを説明できる人、これらについて、自分なりの考えを持っている人がどれだけいるでしょうか?  著者の指摘の通り、日本で使われる「企業価値」は漠然と使われています。「株主価値」のように、数字で明確に示しうるものではないように思えます。そのあいまいさの陰に日本の経営者たちは逃げ隠れ、株価で表される企業の価値を上げていく努力を怠ってきたと言えます。隠れた価値を見つけだし、安く買い高く売ろうとする「ハゲタカファンド」に対する感情的反発からは、自信のなさと努力不足をそのままにした「嫉妬」を感じます。

 

 先日、外資企業が、本国の株式を使いながら、日本にある子会社を通して日本企業を買収する、いわゆる三角合併は、法律で可能になって以来、まだ一件しか成立していないという記事を読みました。日本の資本市場の閉鎖性の一例でしょうか。

「即戦力」はアリガタイ(有り難い)

仕事で専門学校や大学の先生や事務局のスタッフ、キャリアアドバイザーの方々からお話をお聞きする機会があります。学校側の皆さんのお話では、企業側は過去(バブル崩壊以前)とは比べ物にならないほど、卒業生たちが「即戦力」となってくれることを求めているという話です。そのため、多くの学校では、就職後、役立つと思われる情報を早い段階から学生に伝えていくということになり勝ち。

でも、自分自身のことや、会社を10年やってみて思うのは、そう簡単に「即戦力」は得られないということ。僕なんて、学校をでてすぐの頃どころか、数年たってさえも即戦力からは程遠かったのではないかと思います。同業他社の出身者を別にすれば、中途採用においても、入社即、戦力となることができる人材は、少ないのでは?(業界、職種によりますが)

新卒の場合は、とにかく明るくて(大きな声で挨拶ができる)、礼儀正しく、素直な態度を持つこと。職場の先輩やお客さんたちにもかわいがられるので、本人に勉強意欲がありさえすれば、きっと1、2年のうちに、ある一定の、限定された範囲内で、すこしずつ、戦力になっていくのだろうと思います。

新卒に関して気になるのは、即戦力とかなんとかよりも、生命力や覇気のない学生が多くなっていること。安藤忠雄が、東大の入学式で、親たちの子離れを求める発言をしたとか読みました。いつまでも子供を自分のそばに置きたがる親、正直、気持ち悪いです。(子供の覇気を奪っている大きな原因なのでは?!)そんな気持ち悪い親が、増えているというようなことを、学校関係者からよくお聞きします。(「お客さん」の親御さんには、そんなことは言えませんが)

バブル崩壊とその後始末で、人を育てていくプロセスそのものも、ガタガタになった企業が増えてしまいました。とは言え、事業の復活とともに、新たな時代に即しつつ、人を育てることには時間がかかるという認識に立った上で、人材の育成に取り組んでいる会社も、再び増えてきているような印象を持っています。人材の育成、企業戦略、仕事と生活の調和、付加価値の高いサービスとしっかりした利益の確保、そして人材育成への再投資。これらの要素がうまく回転している会社が、継続性のある優良企業なのかと思います。オデッセイコミュニケーションズも、「優良企業」でありたいと思っています。

ワークライフバランスの専門家を訪問

30年にわたって、ワークライフバランスと現在呼ばれているテーマについて調査、研究を続けてきた、某大学の先生とご面談。IT時代における企業と社員との関係はとても面白いテーマ。仕事の分担や管理の方法、人と人のコミュニケーションの仕方が変わっていくことで、これからの企業社会がどのように変わっていくのか、楽しみ。また経営者としては、変えていくという意思を持つことも大切かと思う。ITリテラシーの向上と、個人の自立と自律は、その前提条件のすべてではないとしても、一部となるはず。

エドはるみさんとMOT

エドはるみさんという、吉本の芸人が、芸能界に入る前、マイクロソフトのトレーナーの資格(Microsoft Official Trainer=MOT)を取っていたことを知りました。(バラエティ番組を見ないので、吉本の芸人などほとんど知らない、黒犬です) 意外なところに、MOT取得者がいるものです。

お正月は全国休みにすべし!

今朝の日経新聞・朝刊によると、「大手家電量販店のケーズも、ヤマダ電機についで、元旦休業」だとか。でも一気に、3日まで、お休みにすればいいのに!日本中、モノがあふれ返っていて、大体、どの家でも不要なものがたくさんあります。我々日本人はどう考えても買い物しすぎ。(一番のエコ対策は、モノをまず買わないということだと思っています)

ネットのお店もあって、時間と場所に関係なく、買い物ができるようになっています。だから、リアルのお店は正月3日までは、お休みにしてくれたほうが、我々消費者も、落ち着いて家にいられます。かつての、お正月らしさが懐かしい!

コクヨからユニークな電子暗記カード「メモリボ」

コクヨグループの会社が、電子暗記カードの新商品を販売していて、マイクロソフトオフィススペシャリストの準備にも使えるコンテンツを提供されています。→記事

丸の内起業塾開講します

今年も丸の内起業塾を開講します。中小企業庁長官賞をもらってますます元気になっている塾長の須賀さんです。

詳細はこちら→丸の内起業塾

永守社長の正論

日本を代表する経営者のお一人として、日本電産の永守社長を尊敬しています。数年前、ハーバードビジネススクールの夕食会でお話させていただきました。それ以来のファンです。日経ビジネスのサイトで発言されています。あまりにも正論過ぎて、正面から反論することができない直球勝負。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080325/151031/?P=1

「人と同じことをしていたら」

今月の「私の履歴書」は、潮田健次郎氏(トステム創業者、現在の住生活グループ)。お父さんから教えられた、「人と同じことをしていたら、人と同じ結果しか得られない」という言葉が、繰り返し、繰り返し、出てきます。なぜ、日本企業の利益率が低いのか。それは他社との差別化が十分ではないから、ということに尽きるように思います。

青野さんお薦めの、松下幸之助

 

産経新聞に連載中の「同行二人ー松下幸之助と歩む旅」という、作家・北康利さんによるノンフィクションを愛読しています。生誕から企業人としての松下幸之助の歩みを紹介してくれています。これを読んでいると、人間・松下幸之助の魅力と経営者・松下幸之助の偉大さを感じます。

 松下幸之助は、常日ごろ、「素直な心」を説いていたそうです。

 「素直な心」というのは、単に道徳やお説教の話ではなく、「物事の実相を見誤ることなく、強く正しい聡明な人生の歩みを可能にする心」ということ。松下幸之助が作ったPHP研究所から、松下幸之助の言葉を集めた文庫本がでていますので、おススメです。

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 この前、丸の内インターネットラジオの「アイディア・エクスチェンジ」にでていただいたサイボウズ社長の青野さんも、大学卒業後、松下電器産業のグループ会社、松下電工で働いた経験があります。そのとき、松下幸之助の本などを「読まされ」、いやでしょうがなかったそうですが、今になってみると、松下幸之助の偉大さがわかるようになり、松下電工が行なっていたさまざまな社内のイベント(たとえば、社員旅行や、社内運動会)の重要性を認識し、サイボウズ内でも取り入れようとしているというお話でした。

 松下幸之助と直接のお付き合いはなかったようですが、京セラの稲盛さんは、ある講演会で松下幸之助の話を聞いて、とても感銘を受けたということを、「同行二人」で読みました。こうやって、世代から世代へ、ひとつの想いがつながれていくのかと思います。

 

オフィスの掃除

 会社で社員に掃除をさせる会社があります。もしかして、結構多いのかもしれません。楽天の三木谷さんからも、社内の掃除は社員でやるようにしているとある朝食会で聞いたことがあります。(実際にそうしているのかどうか、詳細は知りませんが) 工場を持つメーカーなどでは、掃除がとても大切な業務の一つになっているのではないかと思います。日本の成功しているメーカーの工場は、とてもきれいです。

 僕が尊敬している経営者のお一人、日本電産の永守社長も、ダメな会社(特にメーカー)に共通している点として、社員の遅刻と汚い工場をあげていらっしゃいます。

 社内の規律や情報の漏洩、セキュリティ、社員間のコミュニケーション、そのようなことを、ずっと、いろいろと考えていて、社員(もちろん、社長も含む)が、掃除をやることのメリットはかなりあるなと思うようになりました。掃除というのは、実は奥が深い作業ではないか?!

 話が飛びますが、家の中で、掃除や皿洗いなど、子どもに手伝わせている家庭はどのくらいあるのでしょうか?子どもが自分の部屋で勉強を適当にやっていれば、大体の日本の親御さんはそれで良しとしているのでしょうか?そのような親御さんたちは、実は生きていく上で一番大切な成功の秘訣のひとつを子どもたちに教えないまま終わっていますよ!

 掃除や皿洗いを家庭でもやらないので、会社でも当然、そんなことはやらないでいい、ビル管理会社が派遣してくる清掃担当の人たちがやってくれるもの、自分はもっと「偉いのだ」と思っているサラリーマンが大半なのかもしれません。掃除をやる時間があるなら、もっと「付加価値の高い作業」を自分はやっているべきだ、と主張する声も聞こえてきそうです。

 あるいは、そのような人たちは、たぶん、「仕事をきちんとしているのだから、なんで、俺(私)が掃除なんてしないといけないのか?」となるのでしょう。そのセリフって、「勉強やっているのだから、掃除はお母さんがやってよ!」という子どもに通じるものを感じるのですが、いかがでしょうか?

 僕自身、掃除の価値を十二分に理解していませんでした。「もっと付加価値の高いことを、俺はやるべきだ!」という声の主の気持ちが分からないわけでもありません。僕もかつては結構そう思っていました。でも、実際には、掃除はすべての高付加価値作業や仕事の前提条件ですね。お寺などで修行すると、早朝から掃除をやりますが、普段の生活(家庭とオフィス)でも同じことが大切だなと思います。

 

シンガポールの活気

Singapore 昨日からシンガポールに2泊で来ています。初めてここに来たのは25年前、大学4年生のときでした。それ以来、何度か仕事で来ていますが、華僑をはじめとする複数民族が必死に働くビジネスの街として、どんどん発展していくのを感じます。こちらで会う人たちが自信に溢れているのに対して、日本は短い成熟期から衰退期にあるのではないかと怖くなってきます。頑張れ、ニッポン!

台湾での日本語学習熱

今朝の朝日新聞記事(「奔流中国21」台湾いずこへ)によると、日本語科を置く大学は台湾で50を数え、学生獲得を狙った新設が相次ぐとか。日本のアニメやドラマが好きだというのが理由。日本がハリウッド映画に憧れたように、もし日本のポップカルチャーを好きな人が世界各地で増えてくれば、さまざまなビジネスチャンスが広がっていくはず。

中国最大のクレジットカード会社

Union_pay この前、野村総研の方から、中国最大のクレジットカード会社のこと(カードの発行枚数、なんと13億枚)をお聞きしたのですが、有楽町のコメ兵でも、この会社のカード、Union Payが使えることを発見。このあたりにも、中国人観光客が多い証拠か?!

投資効果が見えない広告

大学のある集まりで、日本を代表する広告代理店の社長をされている卒業生のお話を拝聴。広告代理店の方のお話をお聞きしてよく思うこと。

1 カタカナの連発で、新しいコンセプトを打ち出そうとする。でも、どこに本質的な変化があるのか、こちらの理解不足のせいか、不明。

2 大衆、分衆、固衆、あるいは生活者など、消費者にさまざまな名前をつけたりして、個人も賢くなってきたというようなことを強調されるけど、どうやって圧倒的な広告の力でモノを買わせるかという、消費を強制する対象としての「消費者」以上の見方が感じられない。

3 時代の変化で一番分かりやすいことは、インターネットが登場したこと。そして、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌の4媒体の中でテレビの力は若干落ちて、他は急激に落ち込んでいるということ。「広告費の使い道としてネットを入れましょう」。

4 そして一番肝心なこととして、広告の効果をはっきりとご説明いただけないこと。

 

教育と広告というのは、投資効果の測定が難しい。どちらも一定の期間、粘り強く行なわないといけないこと、ところがほんのちょっとしたことが大きな結果につながることもあるなど、その不確実性が高い。(「あの一言で、自分はやる気になった」ということもありますから)

 大学の同級生で、某社のO君の話では、「さまざまな求人媒体を使ったあげく、採用した人材は某大学の校門前に張っていたビラを見てきたひとだった。そのほか、採用した人材も、どの求人媒体を見て、面接に来たのか、それさえ、ろくに答えられない面接者ばかり」。求人媒体の商売をしているO君の会社にとっては、実に恐ろしい話だ、とか。

 そのほか、どの会社に面接に来ているのかさえ、はっきり自覚していない面接者の話とか、まあ、おもしろいというか、おかしくなった日本の現状の話をしながら、「こんな状況はおかしい」という彼の意見に頷いていた黒犬でした。

ルーマニアからの来客

2年前、大学時代の友人の紹介で東京に来たルーマニアのIT会社の連中が、今週、再来日しています。彼らは医療分野へのソリューション提供を得意とするのですが、彼らと話をしていて、優秀なだけでなく、我慢強いことに感心します。昨年夏、思ってもみなかったことですが、初めてルーマニアを訪問したときに、この会社の創業者と話をしていて、いろいろと勉強になりました。この方は、南アフリカ生まれのユダヤ人で、イギリス国籍、仕事でチャウチェスク時代のルーマニアを訪問し始め、ルーマニア人と結婚して、ルーマニアで創業。優秀な人材はいたるところにいるものだなと思います。

これまでの経験でいうと、国の経済は必ずしも大国規模でなかったり、何らかの理由で「遅れている」と見られていても、その国のトップクラスの人材は、日本に来ても必ず優秀なグループに入ると思うことがほとんどです。欧米はもちろんですが、いわゆる途上国と言われている国のリーダーたちも非常に優秀です。

 僕は政治を批判したり、マクロ経済を語るほど見識を持っているわけでもなく、自分の会社をしっかりやっていくことが第一。日本国内はもちろんのこと、結果を出している海外の経営者たちからも学ぶことはたくさんあります。

 

丸の内起業塾・須賀さんが起業家支援賞を受賞

Suga_1 Suga_2 丸の内起業塾・塾長の須賀さんが先週、中小企業庁長官から、起業家支援賞を受賞。会場が国際フォーラムだったので、僕も顔を出しました。須賀さん、これからも頑張ってください。(右の写真で前列右から3番目が須賀さん)

重視していないのは株主だけか?

ハーバードビジネススクールでは僕のひとつ上の学年で、現在はHBSリサーチセンター所属の江川雅子さんが、「株主を重視しない経営―株式市場の歪みが生み出した日本型ガバナンス (日本経済新聞社刊)を先日出されました。近いうちに拝読しようと思っています。

 海外の投資家からの圧力に対して、日本の経営者の多くが強い反発や抵抗をしめしています。僕が思うのは、それではこれら日本の経営者たちは、株主を重視しなかったとして、社員や取引先、あるいは環境問題や社会的な企業責任を本当に重視しているのだろうか?ということです。

 バブル崩壊後の多くの日本企業は、それまでのように社員(特に社員教育)を大切にしていないのではないか?取引先、特に下請け企業に対する姿勢は公正なのか?環境問題は本気になって対応しているのか?(いたるところにある偽装!)

 依然として、多くの上場企業においては、株主を重視していないだけでなく、社員をはじめとする他の関係者も重視していない企業が多いのではないだろうか、という疑問があります。80年代のアメリカでは上場企業の敵対的M&Aが増えました。敵対的M&Aにはさまざまな見方がありますが、M&Aそのものには、経営に創造的な刺激をもたらし、新しい変化を生み出すプラスの面が大きいのではないかと思っています。アメリカにおけるM&Aが生み出した価値(市場価値の増大)は、それまで企業内に隠されていた非効率を大きく上回るものである、という学術的な研究結果も発表されています。日本でもそのような調査結果が、もっと知られ、積極的な議論がされてもいいのではないかと思います。

 

地方分権の難しさ

ある中央官庁の方とITを含めた経済、経営のことをお話していてでてきた話題。それは地方における経営を担える人材枯渇の問題。地方分権や地方への権限委譲をするにも、その受け皿になる人材が地方にいないということ。そして現在、地方において政治や行政を行なっている人たちに任せてしまうと、これまで以上に利権化と腐敗がひどくなるのではないかという畏れ。

 このテーマは正面から切り出せない、ある意味タブーになってしまっているテーマかもしれません。いつの時代も、どこの組織でも、つまるところ問題になるのは、人材のこと。

アメリカ経済との「カップリング」

株式市場が世界的に大きく揺れ動いています。日経平均も昨日は1万3千円を割り込み、2年3ヶ月前の水準まで落ちています。結局、小泉さんの構造改革への期待からあがった日本株も、安倍さん、福田さんによって、すべて帳消しとなってしまいました。 

 ある証券会社のレポートを読んでいたら、2007年の為替市場を一言で表現すると、「歴史的な米ドル相場の底割れ、暴落が相次いだ年」であったとしています。さらに、2007年の米ドルは、欧州通貨や資源国通貨に対して、「現役で活躍している為替ディーラーが、ほとんど誰も経験したことのないような水準までドル安が進行した」とあります。

 日本国内だけを見ていると、歴史的な経済変動を直接感じることは難しいように思います。ポイントは、アメリカ経済と、ヨーロッパ、アジア、その他新興国の経済が、どれだけ相関関係があるのか(アメリカが不況になると、その影響で世界経済も不況になるのかどうか)、昨今はやりの言葉でいうと、アメリカ経済と世界経済全般が、カプリングされているのか、それともデカプリングされているのか。

 先週会ったシンガポール在住の日本人ファンドマネージャーは、シンガポールは絶好調で、サブプライムの影響などまったく感じないということでした。でも、僕はアメリカ不況の影響は、これからアジアにも波及するのではないか、まだまだ世界経済は、アメリカとカプリングの状況にあるのではないかと思っています。

 

 

韓国では大学生の半分が職にあぶれる

モノの値上げが続いています。昨年来の傾向ですが、昨日は、時々買う弁当の値段が10円上がっていることに気づきました。今朝の朝日新聞朝刊一面には、日清製粉グループが、業務用のパスタを40%値上げするという記事がでています。マックやスタバは昨年からすでに値上げデフレはもう過去のもの。不況下のインフレ(=スタグフレーション)の時代が近づきつつあるのかなという気もします。高価な商品の売れ行きは下がったとしてもどうでもいいのですが、生活に必要な基礎的な商品は、あまり値上げして欲しくないです。

 今年もまだ就職市場の活況は続くように見えます。新卒を採らない弊害を企業は理解したことと、団塊世代の穴埋めのために新卒採用は続くでしょうが、大学生諸君は、あまり油断しないほうがいいと思いますよ。

 隣の韓国は大学生の半分が職にありつけないそうです。英語とITの資格は必須で、すこしでも差別化できるように励んでいるそうです。日本の大学はこれから急速に変っていくでしょうが、学生たちを「お客さん扱い」するだけでなく、社会で将来活躍できるような人材としての心構え、スタミナ(精神的なものも含めて)、そして学力をしっかり学生に身に付けさせるようにしていただきたいです。

 

地方にコールセンターを持っていく効果

サイボウズ(青野社長)が、創業の地である松山市に、コールセンターをおかれるという記事を拝見。小規模とはいえ(当初は6名)、地元への「恩返し」として素晴らしいと思いました。

 通信コストの圧倒的な低下の結果、本来であればさまざまなビジネスが地方に移転したり、地方から起こってきたりしていいはずなのに、現実に起こっていることは東京と名古屋の一人勝ちです。これで関東大震災が起こったら、完全に日本沈没になってしまうのですが・・・霞ヶ関界隈もビルをどんどんと立て直していますので、かつて言われた首都移転も構造改革同様、遠い昔の議論になってしまっています。

 地方に作られてきたコールセンターから、将来、新しい会社、新しいサービスが生まれてこないものでしょうか?東京の会社は地方自治体の要請などもあって、地方にコールセンターを持っていきましたが、その中から、またその周辺から、新しいビジネスが生まれてくれば、素晴らしいことだと思います。

総理大臣に日経平均のストックオプションを与えよ

日経平均がどんどんと下がり、改革の機運が過去のものとなっている日本に見切りをつけていく海外投資家が増えています。今の政治家に最も求められる感覚はビジネス感覚ではないでしょうか。 

 嫉妬社会の日本では「暴言」となるのですが、僕は常々、日本国総理大臣に日経平均に連動した業績ボーナスを出せばいいのにと考えています。特定の業界からの献金や金集めをさせないために、また政策担当者にもっと市場に対する理解をもってもらうために、総理をはじめ、財務大臣や経済産業省の大臣の待遇が、日経平均株価に連動していると彼らはもっともっと現実の経済の動きに敏感になり、結果として日本国全体の利益につながるのではないかと思います。

 ボーナス、それも1年で10億、20億のボーナスを払ってあげても、日経平均が1万円上がれば、日本の国富は何十兆円、何百兆円と増えます。福田さんがやるべきことをやってくれるのであれば、10億円のボーナスなんて安いもので、われわれ国民全体の福祉と利益を考えると、有り余るほどメリットがあると思います。

 これは「暴論」なので、マスコミをはじめ、政治家はただで国民のために働けという方には、まったく理解してもらえない意見でしょう。実現の可能性はゼロだとわかっています。ただ、政治家は聖人君主ではないし、生きた経済の話しは、ビジネス感覚がない政治家や官僚には、わかってもらえないと思います。清貧の思想はある意味ロマンチックだけど、富の源泉をしっかり持ち、効率的なお金の使い方があってはじめて、年金を始めとする僕らの問題は解決できるはずです。

 ピーター・ドラッカーは偉かった。マネジメントは企業だけの話しではなく、国家レベル、地方自治体でもビジネスがわかりマネジメントができるヒトたちに上に立っていただきたいです。

ドル・英語・インターネット

「米中経済同盟を知らない日本人」(山崎養世著)の中で、キーワードとして何度もでてくるのが、この「ドル・英語・インターネット」。ドラッカーはかつて米・英・日・独が「マネジメント」を知っていると言ったそうだけど、今では「マネジメント」はこの4カ国の専売特許ではなく、多くの新興国がマスターしつつある。どこの国にも優秀な人たちはたくさんいて、これまで戦争やら内乱やら、あるいは専制政治のもと、それら優秀な人たちがチカラを発揮できなかっただけだと思う。1945年からこれまで戦争にも巻き込まれることなく、もちろんのこと内乱もなく、アメリカの庇護のもと、金儲けにだけ集中することができた日本のなんとラッキーだったことか。

 英語とインターネットを身につけた新興国の優秀な人材たちは、どんどんと「マネジメント」能力を身に付け、日本をはじめとする先進国に追いつき、追い越そうとしている。

グリーンスパンの「私の履歴書」

今月の日経「私の履歴書」は、前FRB議長のアラン・グリーンスパン。世界の金融界で最高の「権力」を持っていた人。その彼が最も影響を受けた人の一人が、リバタリアンのアイン・ランド。今日第8回目のお話では、アイン・ランドからグリーンスパンがなにを学んだかが紹介されています。

 グリーンスパンのような「エスタブリッシュメント」の一員が、「個人の自由を尊重し、国家の介入を厭う、今ではリバタリニズムと呼ばれる考え方が私の価値観となった」と明言すること、そんなところがアメリカの魅力の一つだと思う。彼も書いているように、アメリカは、「米国市民の財産権を守るのと同じように外国人の財産権も守る。だからこそこの国に多くの資本をひきつけている。」

 これまで日本は開かれた国になる気がまったくなく、それでやっていけたけど、これからはきっとこのままでは存在できなくなるでしょう。アイン・ランドのように自由の思想を吹き込む思想家が日本には必要ないのでしょうか?以前彼女について書いたページはこちら。→黒犬通信(2006年8月1日)

神経経済学-日経新聞「経済教室」から

12月26日の日経新聞「経済教室」で、フランス・ヴァン・ヴィンデン(アムステルダム大学教授)という方が、神経経済学という行動経済学の新しい分野について簡単な紹介文章を書かれていました。人間の決断や選択に、感情に関係した脳の領域が関係していることに注目して、人間の非合理的な経済行動を解明しようとする学問領域だそうです。

 新聞で紹介された短い文章では詳細を知るには限界がありますが、いくつかおもしろいコメントがありました。たとえば、以下のような文章です。

-現在私が取り組んでいる最も重要だと思う研究は、社会的きずな(人間と人間の結び付き)をテーマとした研究だ。

-我々の立場でいえば、社会的なきずなとは、相互作用を通じて人々がほとんど無意識に投資したストック変数であるとみなすことができる。

-社会的なきずながあるからこそ人間の選好が内生的になり、社会的な結束は外部からの影響に打ちかつ手段になりうると推測できる。そうだとすれば、例えば労働市場の流動性の増大は、感情で結ばれた社会的なネットワークを断ち切りかねないという意味で、幸福に影響をおよぼす可能性がある。

 社会的なきずな、インターネットにおけるコミュニティ、日本企業と社員の関係。関連しあう、おもしろいテーマだと思います。

マイケル・ジャンセン

定期的に読んでいるブログ(「池田信夫blog」)で、ハーバード・ビジネス・スクールのマイケル・ジャンセン名誉教授の名前を見ました。(→こちら) 僕がハーバード・ビジネス・スクール在籍中の85-87年には、他の大学から移籍されてきたばかりで、授業を取ることもありませんでしたが、その頃の僕は、この先生がテーマにしている今のはやりの言葉で言うところの、コーポレート・ガバナンスとファイナンスの問題について、あまり関心を持っていませんでした。

 実はこの先生が書かれてきたテーマこそ、今の日本で読まれるべきなのではないかと強く思います。企業は誰のものか、企業経営者の責任、企業価値の最大化など。ところがアマゾンでチェックすると、先生の論文は日本語にはまったく翻訳されていません。Theory of the Firm: Governance, Residual Claims, and Organizational Formsなど、どこかの出版社で翻訳して出してくれないものでしょうか?

ガラパゴス現象

野村総合研究所(NRI)コンサルティング事業本部 情報通信・金融戦略担当部長の吉川尚宏氏による日本に対する警鐘。(→講演概要) 敗戦後から90代後半までの成長期の約40年間でためた国力を、すこしずつ使い果たしているのが現在の状況だというのが僕の見方。バブル崩壊後の「失われた10年」は最悪の状況どころか、まだまだ余裕のある段階なのではないかと思っています。

 あと10年か、20年かの間にじわじわと疲弊していきながら、完全に底をついて食っていけなくなるまで「ゆとり教育」と「ゆとり生活」を変えないのか?それとも、底をつく前に、ハングリー精神を取り戻すのか?

 国外に売っていくことができる商品やサービスを生み出す力、売っていく力を持つ企業がどれだけ日本からでてくるのか?任天堂、トヨタなどの一部企業群だけでは、到底1億人を今の水準で食わせていくことはできないでしょうから。

 日本国内での格差問題を言う前に、日本が世界経済の格差問題の中で、負け組みに入りつつあるのではないかということに目を向けてもらいたいです。大きな枠の中で負け組みに入っているようでは、国内の格差問題(そのような問題が存在するとして)の解決はますます困難になっていきますから。

市場が教えてくれること

 これまでビジネスを行ってきてよかったなと思うことがいくつかあります。その一つは、市場が教えてくれることです。それは、すべてのビジネスは変化していくこと、それに対応して変わっていくことができる人や組織(役所や国家もこの組織に含まれます)だけがサバイブできるということ。今年はアメリカ発のサブプライム問題が、後半に入って経済に大きな影響を与えています。きっと来年もこの影響は続くことと思います。(先週夕食をしたファンドを運用している会社の社長からも、今年は苦労が多かったというようなことを聞きました)ずっとバブルだと言われながら続いてきたアメリカの不動産ビジネスの活況にも、来るべきものが来て、永遠に続くお祭りなんてないことを忘れていた人間だけが大騒ぎをしているということかもしれません。
 われわれ日本人が大好きな平家物語も、この世に不変のものがないことを教えてくれています。松尾芭蕉の「奥の細道」も、同様です。ところが、特定の状況に慣れ親しんでしまうと、いつの間にか、それがずっと続いていくもののように錯覚してしまうのが、われわれ人間の情けないところで、会社の売上げにしても、給料にしても、あるいは土地や株の値段にしても、ずっと右上がりで続いてくれるものだと勘違いしてしまうことがよくあります。

 でも、市場は勘違いしているわれわれにお灸をすえるかのごとく、突然背中を見せて去っていくことがあります。そんな時、僕らは「え、そんな馬鹿な!」って反応で、市場の「理不尽さ」に腹を立ててしまうのですが、しばらくして落ち着いてくると、自分の過ちに気づき、そして市場の変化を受入れていく人と、頭ではわかっているけれども、どうしても市場からのメッセージを受け入れることができない人に分かれていきます。少なくとも僕が生きている間には再び来ることがないであろう、80年代後半から90年代前半にかけての日本経済のバブルとその崩壊を、20代から30代にかけて経験したことが、少々大げさな言い方になりますが、世のはかなさを教えてくれました。その頃、金融市場において働くことができたことを感謝しています。

 基本的に失業の恐れのない公務員の人たちと話をしていて、ある意味気の毒に思うことは、彼らが市場の厳しさも、素晴らしさも知らないということです。僕はマクロ的に見たときには、失業や倒産があることは決して悪いことではないと思っています。もちろん、長期にわたって失業しているケースは別です。失業や倒産が、われわれ働くものたちにとって、どれだけ精神的、経済的にダメージになりうるのか、それを考えると、ミクロ的にはたいへん大きな問題です。

でも、恐れを忘れ、謙虚さを失った時、市場がそのような人間や会社に対して与える教訓が、失業や倒産という形をとるのであれば、マクロ的に見たときには、決してマイナスのことばかりではないと思います。

 僕の会社も、あるいは僕個人も、同じところに留まることのないこの世の中で、市場の声に耳をすませながら、自分たちが(少しずつでも)変わっていくことができれば、きっとその変わっていく自分たちの努力を、市場は見捨てることはないだろうと、楽観的な僕は信じています。

ネットで自動車保険を買う

初めてネットで外資系保険会社の商品を買いました。これまでは、自動車ディーラーから継続的に保険を買ってきたのですが、それは面倒臭くて、惰性にまかせたままになっていたからです。

知り合いにこのことを話しました。彼もある日本の損保の代理店になっています。ところが自分の家族の自動車保険は、今回僕が買った保険会社の保険を買っているとか!値段が理由です。

同席していた別の知人は、「事故が起こったとき、外資系はきちんと対応してくれるのだろうか?」。これだけは起こってみないとわからないです。

やってみるからやる気が出てくる?!

Dscf1166 無精なこともあって、あまりお掃除が得意でないのですが、無理にでも掃除をしてみると、すっきりしてきて、ちょっとうれしくなってきます。それがお掃除をもっとすることにつながっていきます。

最近、「やる気があるからやる」ではなく、「やってみるからやる気が出る」というのが、案外正しいのではないかと思うことがあります。上の掃除の例もそのひとつです。仕事もとにかくまず行動に移してやってみることが必要だと思います。

経済の話ですが、「経済のファンダメンタルがいいので、カネが流れてくる」ということだけでなく、「カネが流れてくることによって経済のファンダメンタルがよくなる」ということも実際起こります。今の日本で、海外、特に中東の石油産出国からお金を呼び込むのが大切だという話を、今夜、金融界の人と食事の席で交わしました。

先週末訪れたマカオは、まさにカネが人とさらなるカネを吸い集め、経済が過熱気味なほど成長している状況です。写真はマカオタワーから見た市内の風景。

人間関係のメインテナンスコスト

アメリカの経営者の話を聞いていても、必ずしも長時間働いているというわけではなく、朝早く(たとえば、7時とか、7時半とか)出社、6時には帰宅、なんて人が多いようです。翻って、なぜ、こんなに日本のビジネスマンは、長時間、会社に拘束されているのでしょうか?どうも社内、社外の人間関係の(時間的な)メインテナンスコストが高いように思えてなりません。

問題解決の手段は、「飲みコミュニケーション」という人が多いようです。人間関係はビジネスの基本。でも、飲みコミュニケーションは、あくまで潤滑油で、本質的な問題解決にはなりえない。「商品開発であり、マーケティングであり、技術開発であり、もっと自分の頭でしっかり考える時間を作っていかないといけないね。」そんなことを、某社のCIOの方と話しながら、おいしい食事をごいっしょさせていただきました。

「24時間戦えますか?!」

バブルのピーク時に流行ったリゲインのCMコピーが、これ。時任三郎がでていたと記憶しています。今月連載中の、田淵節也元野村證券会長の「私の履歴書」を読んでいると、まさにこの「24時間戦えますか?」を彷彿させます。いくら仕事が好きとはいえ、毎晩宴会を済ませてまた会社に帰り、11時過ぎに田淵さんの家に立ち寄って、翌日の営業戦略を話して家路に着いていた豊田善一さん(元・野村證券副社長、その後国際証券社長)なんて、このCMそのもの。

今、このCMを生きているのは、トヨタのひとたちかな?

追伸 このCMに関して、懐かしんでいるひとたちが結構僕の周りでもいますし、ネットでもこんなページがありました。CMソングの歌詞もネットで見ることができます。懐かしい。でも今これを読んで多くの人はどう感じるのでしょうか?

「ニッポンIT業界絶望論」

先日書いた「若い人に人気のない産業は衰退する」に関連する記事。コメントの多いこと。

ニッポンIT業界絶望論

自己否定の可能性

お世話になっている先輩ビジネスマンから、企業の成功に関して、自己否定ができるかどうかということについて、以下のようなコメントをいただきました。

  • 「マイクロソフトやアップルの成功の元になっているのは、自分たちの技術や業績、成功を常に疑い、否定し続けてきたことにあるような気がしています。」

自己否定を恐れず、自分を革新していくこと。難しいけど、これを続けていくしか、企業も個人もないのかなと思います。

「若い人に人気のない産業は衰退する」

ミラクルリナックスの役員の方が書かれたブログ「ユメのチカラ」(「若い人に人気のない産業は減衰するを読んでいて、ここに書かれていることはIT業界だけの話ではないなと思います。政治、農業、漁業、役人の世界にしたって、今、その業界で働いている人たち自身が、夢を持って働いているのか、現状を変えていくための努力をしているのか(努力はしているけども、力が足りないケースも多々あると思います)。制度疲労という言い方がしばしばされますが、制度にがんじがらめにされ、創意工夫ができない状況がいたるところで見られます。そんな業界には、若い人たちは入っていかない。だから、新陳代謝も起こらない。

そんな日本の業界に入っていく必要なんてないのでは?IT業界の「重鎮」と言われている人たちの意見(@ITの記事)を読んでいても、この人たちがいる限りは駄目だなと思います。決して、銀行や大企業のシステムを作ることに価値がないと思うのではありません。でも、それら以外にもっと新しいITサービスや価値を作っていくことはこれまでも機会があったし、これからもあると思います。NTTにしろ、日立にしろ、日本の優秀なエンジニアたちの集団であるにも関わらず、シリコンバレーのようなダイナミックな新事業創出が出来てこなかったことが残念です。

僕自身は、ギークでもなく、エンジニアでもなく、野球をやったことがない人間で、球団経営を論じているようなものかもしれませんが、変革が必要なとき、その業界の人間には、必要とされる変化を起こせないということが多々あると思います。日本の課題は、異なる業界の間でのコミュニケーションがないことです。いつまでも同業の村社会の地位から外に出て行こうとしない業界の重鎮たちが、さまざまな業界の沈滞を招いています。その中には、マスコミ(新聞、放送)も含まれます。

そういう意味で、先日参加したグロビス主催のSILC(Service Industry Leaders Conference)のようなイベントには価値があります。

ここで書いたことって、実は会社にも言えます。僕の会社だって、若い人たちに、夢を持ってもらえる会社にならないと、これまで以上の発展はないと思っています。

2008年はもう始まっている

先日、『オデッセイマガジン』最新号を関係各位にお送りしました。一橋大学ビジネススクールの石倉先生から、僕が添付した手紙に書いた、「2008年はもうすでに始まっている」という言葉が心に響いた、というメールをいただきました。

「一年の計は元旦にあり」といいますが、その元旦を迎えるための準備はもうすでに始めないといけません。急に物事が変わるわけではなく、自分自身だって急に変えられるわけではないです。日常の継続的な努力が一番大切かと思います。2007年残りの時間の中、2008年のための助走開始!

5%のカイゼン(あるいはちょっとした「背伸び」)

われわれ庶民には、貯金すると利子が付くということを忘れてしまうほど、この10年以上、超低空飛行の利率しかないという状況が続いています。だから、「複利の力」なんて言われても、「それなんのこと?」という反応が当然かと思います。でも、利子の上にさらに利子が付く、複利計算を続けていると、いつの間にか、ものすごい差が出てきます。

今のような変動期の時代には、われわれ働くものは、これまで以上に、頑張っていかないと、世の中を乗り切っていけないのは確かで、銀行の利率と同じ調子で働いているようでは、サバイブなんてできないです。

貯金では、5%なんて金利は当面、無理ですが、僕らが仕事で、「毎月5%ずつ仕事のカイゼン(改善)を行っていく」としたら、1年後、どれだけ「カイゼン指数」(僕が勝手に使っている言葉です)があがるかというと、複利計算では、約1.8倍になるのです。毎月、仕事において、5%程度の背伸びをしてみる。ちょっとハードルが高いかなと思っても、5%くらいなら、「カイゼン」していく余地は誰にもあるはずです。

5%のカイゼン率を続けていくと、1年後、2年後には、その努力をしていない人の2倍、3倍の仕事力になっています。ちょっとこの差って、すごいと思いませんか?トヨタ自動車のすごいところは、この「カイゼン」を、たゆまず続けてきたことかと思います。僕はトヨタのクルマには乗っていませんが、この姿勢だけは、絶対に「買いだ!」と信じています。

名古屋経済が元気な証し

名古屋経済が元気なことは知れ渡っていることですが、こんなところにもその証しがみられるのではないかと思います。

クレジットカード会社が発行する月刊誌には、必ずレストラン紹介ページがあります。基本的に、これらはレストラン側の広告として、成り立っているはずです。僕のところに送られてくる、ある航空会社系カード会社の雑誌を見ていたら、東京のレストラン紹介が6つ、大阪1、京都2、福岡1、札幌3、横浜1、そして名古屋は東京と同じ6つ。

経済が潤うことで、名古屋にもおいしいレストランが増えていることもあるのでしょうが、広告は元気度のバロメーターでもあります。こんなところにも、名古屋経済圏が元気であることが表れているように思います。

BizInnovation 2007

0058 午前中に、東京ビッグサイトで開催中のイベントに立ち寄りました。「ビジネスのイノベーション」を感じるお話しは、あまり聞けませんでしたが、アスキーと日経BPの本を買ってきました。

パソコン「自作派」の広がり

[E:pc]パソコンのハード、ソフトのビジネスは、この10年間ほどで大きく変わってきましたが、こんな記事からも、それを感じました。(9月28日日経産業)

パソコンの自作派(必要な部品を買いそろえて組み立てる自作パソコン市場)が広がっているという記事です。自作パソコン用の部品は今年1月以降、前年期を上回っているそうです(BCN調べ)。パソコン市場全体に占める自作パソコンの比率が、昨年9月の15%から、今年7月には17%にアップ。こんなところにも、パソコン市場の変化を感じます。

仕事、健康、家族のバランス

朝日新聞夕刊の「ニッポン人脈記」で過剰なほど勤務時間の長い職場の話がでています。この10年ほどで急成長した人材派遣会社で、ある社員が、食事も睡眠もとらず、20キロもやせるほど働いたというのは、異常です。(この派遣会社の多くの社員がそのような働き方をしているのかどうか、それは記事からはわかりませんんが)

仕事、健康、家族との時間、それらのバランスが取れないと、長期安定的に仕事を続けていくことは難しいのではないかと思います。もちろん、短期的には、集中してやらないといけない時期もあります。それは当然なのですが、会社しかない人生で、いいのでしょうか?会社の経営者である僕が言うのもおかしな話かもしれませんが、会社のためだけ、言い換えると、会社に利益をあげるためだけの人生なんて、ごめんこうむりたいです。社員のひとたちには、当然、ベストを求めますが、かつてバブルの頃に使われた言葉で言えば、「社畜」なんかに、絶対、なってほしくないです。

われわれには、生きていくためには会社が必要ですし、会社は利益を上げていかないといけません。でも、仕事、健康、家族のバランスが必要だし、仕事の生産性を挙げていくこと、ユニークな商品やサービスを提供することで、価格だけ、労働時間だけの競争に陥らないことが大切です。蛇足ですが、家族をばらばらにするという意味で、日本ではめずらしくない単身赴任は、決して、ほめられた話ではないと思っています。

正解にたどり着くために、まず行動する

今よりも若かった頃、「正解がわかるまで行動に移れない」という時期が、僕にも長くありました。頭だけの勉強だけの弊害かと思います。でも、考えただけで正解が分かるほど、僕は頭がいいわけでもないし、想像力や洞察力があるわけでもありません。それに気づいていなかったわけでもないのですが、ただ、行動に移して失敗することを恐れていたのだと思います。

うちの会社にも、「答えがわかるまで行動できない」という人が結構いて、よく言えば、慎重な性格で、完璧主義なのかと思います。でも、頭で考えただけで、正解が分かる人は、本当に少ないのが、この世の中ではないでしょうか。僕ら凡人は、ある程度、行動してみて初めて、正解にたどり着くきっかけやヒントが見えてきます。

それに考えた末に正解が見つかったときには、すでにビジネスチャンスを逃していることもあります。考え始めたときとは異なる状況が生まれていて、別の正解を新たに求めないといけないなんてことも多々あります。時に、マーケットは瞬時に変わってしまいます。

ビジネス(つまり、現実の社会)においては、行動なくして正解がわかるほど、僕らは賢くはない。正解にたどり着くためには、まず行動。

「携帯・ネットなし」

雑誌「日経ビジネス」の新人記者が、「携帯・ネットなし」の仕事生活に数日間挑戦した記事が、9月24日号にでています。取材には、ネットやケータイがなくても大丈夫だったけども、困ったのは、使っていない本人よりも、その人の周りで仕事をする人たちだったかもしれない、とありました。また、取材先のグーグルのある社員が、「携帯なし、ネットなしデーを社内で設けたら面白そうね。うちもやってみようかしら。」

国際的に見たら日本は安くなっている

30年ほど前まで、アイルランドはヨーロッパでももっとも失業率が高く、これといった産業のない国だったと記憶しています。ビジネススクールの同級生で、アイルランドからアメリカに渡って来た友人がいるのですが、彼の兄弟姉妹も、イギリスに出稼ぎに行ったりしていました。

ところが、この20数年間で、アイルランドは大手アメリカ企業などの誘致をどんどん進め、非常に活気のある国に変身しています。信じられないことに、今では、一人あたりGDPにおいては、日本よりもずっと上になってしまっています。

で、先日ご紹介した、Mad or fit? (10月3日の黒犬通信)のイギリス人と朝食をしながら話していたら、イギリス人の彼から見ても、経済の成功によって、アイルランドの首都ダブリンはとても物価の高い都市になってしまっているということでした。

ロンドンも、この数年間で、不動産価格が高騰していて、場所によっては2倍になっているようです。知人のイギリス人は、対円でポンドが強くなっていることとあわせて、東京の物価が非常に低くなっているという印象を持ったそうです。東京の知人で、あるアパレルブランドメーカーの社長がいるのですが、その方の直営のお店にも海外の顧客が一度に何十万円という買い物をしていく人たちが、たくさんいるそうで、円での買い物が安くなっている、ということでした。

バブル崩壊後、少なくとも、経済的な意味では、日本の地位は完全にひっくり返っています。

ダイエットの方法論とビジネス

『いつまでもデブと思うなよ』がきっかけで、社内の何人かと、レコーディング・ダイエットを始めています。つまりその日食べた食事を簡単にメモしていくことから始めるダイエット方法です。僕は一週間になろうとしていますが、今のところ、一キロ強の減量効果がでています。(分母からすると、ほとんど意味をなさない減量です)

このレコーディング・ダイエットのポイントは、自分が口に入れているものが何なのか、その事実関係を忘れないようにしましょう、きちんと把握しておきましょう、ということです。それをメモに書いて、時々見るようにします。

この方法論、ビジネスにも大いに役立つ話で、なにをやっているのか、さっぱりわからなくなったときには、まず事実関係を冷静に把握すること、自分がやっていることを客観的に視るクセをつけることかと思います。鍵となるいくつかの数字を記録してき、一定の間隔で振り返ってみると、たいした努力をしていないな、と気づくことがしばしばあります。一方、食事のほうは、毎日こまごまと、カロリーの高いものを口にしていることに気づきます。

ダイエットもビジネスも、物事を複雑にしないで、事実から本質を取り出して、行動に移していくことが大切なだなと感じています。社内では、Make it simple (物事をシンプルにする)ということを掲げています。

競争が自分を育ててくれる

ニートやフリーターに関するある本の中で、「犠牲者のでない競争はないんでしょうか?」という発言を読んで、複雑な気持ちになりました。それは僕自身が、これまで恵まれた、ラッキーな人生を送ってきている、どちらかと言えば、「強者」の立場の人間に属すること。この発言者の気持ちが十二分に汲み取ってあげられないだろう人間が、このような意見に対する、批判的なコメントは控えるべきかとも思うから。

でも、残念ながら、この世の中で、「敗者」のない競争はない。100メートル走をみんなで同時にテープをきりましょうなんて話は、子供に悪平等を教えること。世の中で生きていくことを学ばないといけない子供たち、学生たちに、そんなことを教えていても、プラスになることなんて、何一つない。古今東西、人類は、「適者生存」で生き抜いてきたのだから。

ただ問題は、「敗者」にも存在していくための最低限の水準の生活は必要だということ。その最低限の水準がどのあたりなのか、これも定義が難しい。

これまでも人類は競争を経て成長してきたし、これからもそうでしょう。日本の産業も国際的に競争しているところだけが生き残るでしょう。保護された業界や会社の正社員に、これまで同様の終身雇用なんて、ありえないです。ニートやフリーターの方たちの中には、「正社員になるのが夢だ」という人たちがいるようですが、政府や業界内の自主規制で自分たちを守っている業界は、これから先、終身雇用を維持できることはないですよ。そんな会社の正社員になっても意味はないことが、これからますますはっきりしてくるのではないかと思います。

グローバル化を直視しないで、規制や保護を強めたとしても、競争力のない産業、会社は守りきれないです。これから地方自治体を始めとして、守られてきた組織の倒産や破産がでてくるでしょう。そんな中で、どうやって自分の力をつけていくのか。政府なんて、一番頼れないと僕は思っています。

(お金儲けが得意でなくても、社会に貢献すること、自分の個性を生かせる方法は、他にもあることは覚えておいたほうがいい。それが多様性ということだから。競争の種類は、お金儲けだけじゃないから。もちろん、自分が生活していくお金を稼ぐ力は、言うまでもなく、身につけないといけないけど。会社の中も、営業の得意なひとも必要だし、人付き合いはヘタだけど、商品開発が得意な人、我慢強く事務作業をやっていく人も必要。多様性は組織の存続のために大切なことだと、10年間会社をやっていて実感します。)

ついに時価総額3位

7月14日の黒犬通信で、任天堂の株価のことを書きました。一時、下降しましたが再び、上昇気流に乗り、ついに一株6万円の半ばになろうとしています。そして時価総額は9兆円を超え、日本で3番目の時価総額の会社になっています。あえて挑発的ないい方をすれば、かつて「花札」を作っていた、たかがゲームの会社が、NTTや東京電力、キャノン、三菱商事といった大企業を抑えているのです。任天堂の上をいくのは、トヨタ自動車と三菱UFJフィナンシャルグループの2社のみです。

任天堂の作り上げたビジネスモデルやサービスには、「ブラボー!」の一言あるのみです。ちなみにネット企業の代名詞、ヤフーは時価総額3兆円で、31位です。(10月10日現在)

日本政府こそ、最大の円キャリ・トレーダー

昨日(10月5日)の日経新聞『経済教室』に、「外貨準備を考える」というテーマで、早稲田大学の谷内満さんが、明快な論旨を展開されていました。僕はこの方のご意見に賛成の立場です。なお、内容のすべては、こちらのサイトに掲載されています。

以下、要約。

1 外貨準備とは、民間からの借入れで政府が投資・保有している外貨資産である。外貨準備の為替リスクはヘッジされておらず、政府による円キャリトレードである。

2 これまでのところ、運用純益の累計が評価損を上回っているが、今後もし円高になれば評価損が拡大するリスクがあり、その場合は、国民の負担になる。

3 政府による為替相場への介入の結果、外貨準備が起こっているが、介入が為替相場に与える影響は非常に小さい。政府の介入は大きな意味を持たない。

4 これまでの介入の結果として、日本が保有する外貨準備は他の先進国と比べ、金額だけでなく経済規模に比べてもケタ違いに大きい。

5 外貨準備は民間の資金を借りて政府が運用している資産であり、民間が資産運用するより政府がやるほうがうまくいくというようなことはない。

6 現在の外貨準備の8割を売却し、現在の5分の1ほどの水準にすることを提案する。現在、円は主要通貨に対して大幅な円安の水準にあり、外貨準備を売却する好機である。

人材の流動化

なんども繰り返しでてくるテーマですが、人材の流動化、とくに大企業が抱えて、十分に活用されていない人材を、新興企業やリストラを必要とする企業に、もっと流せないものかと思います。

今月の11日にソニーフィナンシャルホールディングスが東証に上場します。その取締役で、傘下のソニー銀行の社長を兼ねる石井さんという方は、10年前に破綻した山一證券出身です。山一、長銀、日債銀など、破綻した大手金融機関出身の方たちの中には、新しい職場や起業を通して、活躍されている方たちが、かなりいらっしゃいます。「終身雇用」という、人材の飼い殺し(少々強い言い方になりますが)という側面を持つ日本の大手企業に見られる制度から逃れるのは、個人にとってかなり勇気を必要とすることかとも思います。だから、倒産という天災のような出来事がないと、ほとんどの人がふんぎることができないのでしょう。

他の会社経営者の話を聞いていても、必ず出てくる話題は人材のことです。これは100%の経営者から出てくる課題です。マクロ的に見たとき、人材の適正配分ができていないことが原因になって、新しい価値の創造がなかなか進まないのが、日本社会の問題の一つかと思います。こうやって書いていると、評論家の話のように聞こえるかもしれませんが、他人事ではなく、人材の流動化がひとつの推進力となって、人材の多様化、人材の専門化をもっともっと進めることができれば、うちの会社にもプラスになると考えています。

全面安の米ドル

新聞を見ていたら、いつの間にかカナダ・ドルが、米国ドルに対して、ほぼパー(対等)になっていることを知り、知らないうちに本当にいろいろな変化が起こっているものだと、自分の無知ぶりに愕然としました。僕はカナダ、オーストラリア、ニュージーランドには行ったことがないので、米国ドル以外のドル通貨(オーストラリア、ニュージーランド、カナダ)にはまったく「土地勘」がありません。オーストラリアやカナダの通貨が高くなっているのは、資源国への投資が増加し、信認が高まっていることの表れかと思います。

過去、カナダ・ドル1.5が、米国ドル1くらいのこともあったように記憶しています。それが、パーになっているというのですから、カナダ・ドルにとっては、歴史的な高値ということではないでしょうか?

米ドルは、円を除く、すべてのメジャー通貨に対して、大幅な安値になりつつあります。先日、FRBが金利を下げたことから、インフレ懸念が高まっていて、一層のドル安を予想する声もでています。その中で、日本の円だけが、ドルに対して値上がりしない状況が続いています。原因は、個人投資家の外貨建て通貨への投資のため、円売りの圧力が引き続き強いということだそうですが、日本とアメリカ両国、西側先進国のなかで、1番と(いちおう)2番目の経済大国の通貨が弱くなり、EUやその他資源国、新興経済国の通貨が強くなりつつあるというのは、国際経済において、大きな変化が進みつつあることの象徴なのかと思います。

「買い負け」

「買い負け」なる言葉をこの頃よく聞きます。この20数年間、戦後の円高傾向と、国内価格が高めにあったことで、日本から海外の商品や資源を買い付ける業者は、世界市場におけるドルベースでの買い付けで、他国よりも高めの値段を提供することで、「負ける」ということはそれほどなかったのが、ここ数年、他の欧米先進国に対してだけでなく、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国などの新興国)などにも、「買い負ける」ということがしばしばみられるようになってきた、という話です。

トヨタに代表される自動車産業が、日本を支えてくれているのはよくわかりますし、それらのメーカーにとっては円安のほうがいいということなのも、わかります。でも、いつまでも円安がいいといっていては、海外の商品や原料の調達は、これからだんだん難しくなっていくのではないかと思います。資源は限られています。「買い負け」が頻繁に起こってくるのがちょっと心配です。

円高、サービス・金融業の国際競争力強化が、黒犬の「持論」です。

以下の記事は、僕が高校生の頃、1年間生活したアメリカ・アイオワ州あたりの話です。資源をめぐる争いは、これからもずっと続いていくように思います。

日経ネット記事

もう、インフレじゃないの?

まだデフレから脱却できていないと言っている人がいますが、身の回りで起こっていることやメディアで見ることは、値上げの話しが多くなっています。オデッセイのオフィスが入っているビルのあるここ丸の内界隈でも、契約更新時の値上げは当然のことになっています。マクドナルドも、すかいらーくも、そして伊藤ハムも値上げ。どうしても金利を上げたくない、円安に維持したいという、「守旧派」がまだまだ多いのでしょうか?日本経済って、糖尿病状態って感じがします。

高度化する必要があるのは

経産省が、「高度IT人材」の育成の必要性を訴えているのですが、この「高度」という言葉、わかったようでわかりません。そして「高度化」する必要があるのは、人材よりも、市場のありかた、ビジネスのあり方自体ではないかと思います。

IT産業だけでなく、国内市場だけで競争している企業や産業が、非常に特異な発展の仕方をするのが、日本市場の特徴かと思います。ケータイはその一例です。その特異さが無理や無駄をしばしば生んでいます。これは、海外市場との比較をしてみないとなかなか分からないのですが、自分で自分の首をしめているとしか思えないようなことが起こっています。結果、日本でだけ通用することが多くなります。

これは僕の持論なのですが、もう政府には、できることはあまりないのではないかと思うのです。「高度化」しようとして、政府がいくら笛を吹いてみても、一体、人材の高度化なんてできるのか?それよりも、政府自体が、まずITサービスの調達を「高度化」していって、大手IT企業との付き合い方そのものを根本的に変えていくことで、市場や業界の仕組み自体を高度化していくことこそ、政府にやってもらいたいことです。ゼネコン業界同様、2次請けどころか、3次請け、4次請け、最悪7次請けなんてことがあるようですが、こんなことをやっている業界がサバイブすることそのものが、おかしなことだと思います。「あらためて衝撃――日本のソフト産業を統計分析するあらためて衝撃――日本のソフト産業を統計分析する」という記事を読みながら、憂鬱な気分になりました。

戻りの遅い日本株

サブプライム・ローンの影響をもっとも受けた市場のひとつが日本の株式市場。そして、欧米諸国でいくつかの対応策がアナウンスされても、戻りの勢いが一番弱いのが日本市場。その根本的な理由は、日本の構造改革が遅々として進まないことへの大きな失望かと思います。日本の新聞で好意的に取り上げられているブルドッグソースに関する裁判所の判決なんて、海外の投資家にとっては大きな失望でしかありません。

できるだけ今のままの企業ガバナンスを維持しようとする動きや、日本のユニークさを強調する動きなどは、日本にとって、プラスではなく、圧倒的にマイナスになっているのではないか?

大学の1年生のとき、同じフランス語クラスだった、そして卒業後、郵政省(現・総務省)に入ったT君という同窓が、最近、携帯電話のビジネスモデルの変革を提言していて、ちょっとした有名人になっています。ケータイは、日本が力を持っているのに、日本だけのビジネスモデルを作ってしまったため、国際市場でまったく競争力を持ちえない、不幸な業界になってしまっています。

小泉・竹中路線に対する批判はいたるところで聞かれます。彼らのとった経済政策が、プラスかどうか、僕は判断できるほど、知っているわけでもないし、考えたことがあるわけでもないのですが、構造改革が遅れていくことは、日本に対する期待を失わせていき、ますます東アジアにおける中国の台頭と日本の没落を進めていくことになるのかと危惧します。

少なくとも、日本の株式市場だけを見ていると、あまり前向きな気分にはなれません。日本人自身も、日本株に投資しないで海外市場の方を見ているようでは、海外の投資家も、いつか日本へは期待しなくなるのではないかと思います。

一ヵ月後に新聞を読む楽しみ

今年は一週間程度の出張(シュッチョウです、デバリではなく)がほぼ毎月のように入って、読めない新聞が山のようになっています。この週末も、7月半ば頃の新聞を読んでいたら、7月17日付けの日経産業新聞の「マーケットウォッチ」のコーナーで、ひよこさん(ペンネーム)という専門家の方が、「先週火曜日、米国のサブプライムローン問題に対する懸念が再燃して主要国の株価が全面安となるなかで、投資家のリスク回避姿勢が強まった」という一文から始まる文章を書かれていました。

で、読み進んでいくと、「実は、サブプライムローンの延滞率は2005年に既に上昇し始めており、それほど目新しい問題ではない」とされ、最後には、「基本的にサブプライムローン問題に関するニュースに対する市場の反応は、今後ますます小さくなっていく可能性が高い」と締めくくっています。

ほんの一ヶ月前に、サブプライム問題に関して、このようなコメントを出していたプロもいたのかと、過去の新聞記事を読むたのしみを見つけた気分になりました。ちなみに、僕の友人で、熱心に株式投資をやっている金融業界の人がいます。この2週間ほどの間で、サブライムローンのせいで、マンション一つ分くらいのお金が飛んでしまったと、電話で自虐的に笑っていました。