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『キケロ_ヨーロッパの知的伝統』(高田康成著)

こういう本を読むと、いかに自分たちのヨーロッパ文化の理解が浅薄で間違ったものになっているのか、読むべき本をわかっていないのか、と思い知らされます。キケロなんて、名前程度で、そういえば岩波文庫にあったけど、特に読んだことなかったな、くらいの無知さ加減からこの本を読み始めたので、とても面白く読みました。
特に、最終章(第5章)の「西洋学の遠近法」の章からは、改めていろいろなことを教わったように思います。

・ 日本ではギリシアがローマよりも重きを置かれているが、西洋文明に大きな影響を与えたのはローマであること。
・ 日本人の読書傾向もローマの文人たちよりも、ギリシアの文人たちに偏っていること。
・ 明治の時代に出会ったヨーロッパ、その時ヨーロッパでの流行りに多大な影響を受けていて、その流行りに至るまでに積み重なっているヨーロッパにおける文化の伝統への理解が乏しいこと。

もう上げていくとキリがないほどですが、以下のような文章は、ぼくのような人間には一撃となってこたえます。

 「米英文化の輸入超過は、映画からポップ・ソングまで、あまりにも明らかであり、その根底には英語を媒介としたアメリカン・カルチャーの遍在ということがあるだろう。そして、「キャピトル・ヒル」を首都にもつ国の文化を、その根底にまでたどって、カピトリヌスの丘をもつ文化との関連で見る人は、少なくともわが国では、少数派に属する。」

日本が、あるいは日本人が、まっとうな西洋理解にたどり着けるまで、あと何世紀かかるのだろうかというのが読後の感想の一つですし、西洋だけでなく、東アジア各国の理解さえも怪しいのではないかという恐ろしい気持ちにもなってきます。

8月15日は大切な日だ。

1945年のこの日、太平洋戦争が終わった日。15年戦争とも言われる負け戦。戦った人たちは決して愚かではなかったけど、戦いそのものは愚かな戦さだったと、今からみると、そう見えてしまう。どうしてあれだけの国力の差がある国々に立ち向かっていったのか、どのグループたちが開戦への道を突き進もうとしたのか、これからもずっと考えていかないといけないこと。
総計で310万人の日本人が命を落とし、アジアの国々でも多くの人たちが亡くなった。ぼくは宗教性のある靖国には行こうとは思っていないけども、戦争で亡くなった人たちへの気持ちは持っていると思っている。

8月6日の朝日新聞朝刊のインタビューに、千鳥ヶ淵戦没者墓苑奉仕会会長の津島雄二さん(元自民党代議士)が、宗教色なく、戦没者に限定せず、国のために尽くした記憶に残したい人を弔う場としの千鳥ヶ淵の将来像を描いていた。津島先生とはまったくひょんな事で、何度かお目にかかったことがあって、もうすぐ90歳になられようかというお年なのに、ぴんと背筋が伸びた姿勢で歩かれる様子を拝見して、それだけでも敬意を持ったのだけど、このインタビュー記事を読んでとてもバランスのとれた、また国際感覚あるご意見に共感した。(国際性というのは、先生が大蔵省に在籍していた頃のフランスでの勤務が大きく影響しているようだ)

津島先生のインタビュー記事の後は、翌日7日に、歴史学者の吉田裕先生(一橋大学名誉教授)が同じコーナーに登場されていた。吉田先生が書かれた『日本軍兵士』は昨年読んだ本の中でとても記憶に残っている本のひとつ。20万部売れたのはとても良かった。この本で知ったことの一つは日本兵士の多くが最後の1年の間に亡くなったこと、戦闘ではなく、栄養失調で亡くなった兵士が多いこと、日本政府は死亡の時期や原因などをきちんと公表していないこと。政府の隠蔽体質はまったく変わっていない。(日本のエリートたちは自らの失敗を指摘されることを恐る小心者たちが集まっているのか?)それとも調査能力も、調査しようという意志もないのか?
日本軍は「兵隊は世界一、将校は世界最低」(表現は違っていたかもしれませんが)というような言われ方をされていたと、どこかで読んだことがある。今の日本の組織にも言えることだろうか。

もうこの辺で止めよう。戦争のこと、今の日本社会があの戦争からどれだけのことを学んだのか、リーダー(エリート)たちはそう呼ばれるにふさわしい仕事を果たしているのか、リーダーは責任を取ってきたのか?まず自分のことをしっかりと振り返りたい。
最後に4年前のこの日、海外出張から帰ってきた翌日だった2015年のこの日、愛犬が月の世界に旅立っていった。二重の意味で8月15日は大切な日。

映画「存在のない子供たち」

久しぶりに映画館でみた映画。新聞各紙では非常に高い評価を受け、紹介もされている映画ですが、ぼくが入った時間は館内はがらがらで残念な気持ちになりました。
中身は、監督の発言を引用しながらの中東を専門にするジャーナリスト、川上泰徳さんによる記事を読んでいただけるとよくわかります。
→川上泰徳 「中東ウォッチ」(検索をしてください)
また公式ホームページもあります。
映画公式ホームページ
主人公の男の子の存在がとてもたくましく、優しくて、感動的。試練が彼を鍛えていき、大人になった時、彼がどんな仕事をするのか、とても楽しみ。

熱い8月、そして映画「スター誕生」

いつの間にか2019年も8月半ばになろうとしていますね。8月はたいせつな月。わが家の最初の♀の甲斐犬カイさんも、高知の父も、月の世界に旅立っていったのはこの月。
♂の甲斐犬クウ太郎は今年11月の誕生日で16歳。あんなに元気だったクウ太郎も、年と暑さには勝てません。(飼い主も同様!)
冷房を適度に使いながら、彼(彼の飼い主も含めて)の体調管理に気をつけるようにしています。

先月は2度アメリカに仕事で行ったのですが、2度目、ニューヨークからの帰国便の機内で、映画「スター誕生」を観ました。Lady Gagaが主演している映画で、彼女のことは名前くらいであまりよく知らなかったのですが、とてもいい映画で感動しました。
共演した男優であり監督でもあるブラッドリー・クーパーが素晴らしい!ちょっとカッコよすぎるよ。終盤、悲劇が起こるけども、それを乗り越えていくであろう主人公アリー(Lady Gaga)の歌もとてもよかった。
主題歌「Shallow」はお気に入りの歌になりました。
Shallow