グレートイミグレーション

朝日新聞の「語る」コーナーに、探検家の関野吉晴さんのインタビュー記事が連載されている。大学の先輩。ぼくが大学生のころからの有名人のおひとり。14回目になる昨日の掲載がおもしろかった。
「グレートジャーニーについて、いまは異なる思いを抱く」という見出しのあと、以下のような考えを言われている。
旅を始める前は、人類が世界中に拡散したモーチベーションは好奇心や向上心では、と思っていた。一番遠くへ行った人は最も好奇心の強い人ではないかと。でも、一番遠いチリのナバリーノ島は狩りの獲物もいない。純粋なヤマナは90代の女性一人だけになり絶滅寸前。人口が増えて弱い人が押し出されたのではないかと考えるようになった。本当に弱い人は滅びたが、押し出された中でもフロンティアでパイオニアになったグループが、そこを住めば都にしていったのではないか。今はグレートジャーニーという名前は間違っていて、「グレートイミグレーション(移民)」なのではないかと考えている。その流れはいまも続いている。

日本にもウィグル族の人たちがかなり滞在していると聞く。なかには日本国籍を取った人たちもいるとか。彼らは政治的な理由で故郷から押し出された人たち。彼らにとって日本が「住めば都」となるのか。