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田淵行男記念館、まだ「戦後」が若かった頃。

テレビで知った田淵行男という写真家、自然観察者に関心を持っています。先週、安曇野にある田淵行男記念館に行き、彼が残した山の写真や彼が描いた安曇野周辺の高山で見られた蝶たちの絵を見てきました。戦争末期、疎開のために移り住んだ安曇野に戦後も残り、1989年、84歳の誕生日を迎える数日前に亡くなるまで安曇野で写真を撮り続けた人です。
彼が残した写真集はすべてが絶版になり、いまでは古本を入手するか、図書館で見るしか方法がありません。
田淵行男記念館にはかなり傷んでしまった写真集数冊が置いてありました。
また、記念館には彼が使っていた古ぼけたカメラが展示していて、道具を大切にしていた人だという印象を受けました。
1940年代、あるいは50年代の安曇野、浅間、八ヶ岳周辺の写真集が素晴らしいです。

昨年末高知に帰った時、高知県立美術館で篠山紀信のポートレート写真の展覧会を見に行った時、1960年代か70年代だと思うのですが、紀信を特集した雑誌の記事に、当時の紀信のオフィスの住所や電話番号などが記載されていました。
田淵行男の写真集にも、彼の自宅住所や電話番号などが記載されていて、いまのようにプライバシーの心配をする必要がなかった当時の「のどかさ」に驚かされました。

写っている風景とともに、「戦後」がまだ若かった頃の日本の一コマかと思います。