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松岡正剛さんのベスト

2003年7月から始まった松岡正剛の「連塾」が昨日の夜で終わった。計20回にわたってさまざまなゲストを招いてのトークショーだった。松岡さんは、「千夜千冊」を見ればわかるように、博覧強記というか、ものすごい読書家で、よくこれだけ古今東西の書物を読んできたことよと思う。途中で、少々トーンダウンしつつも、昨晩の最終回まで、海外出張で東京に居なかった1、2回を除けば、参加し始めた3回目からずっと顔を出してきた。

昨晩、最後の最後のセッションで、松岡さんは、今の時代を改めて把握するための座標軸となる25冊の書籍をリストアップしてくれた。その中で、日本編としてあげられた5冊に関しては、全部読もうと思っている。(漱石の「草枕」は再読。その他は、慈円「愚管抄」、心敬「ささめごと・ひとりごと」、塩見鮮一郎「浅草弾左衛門」、長谷川時雨「近代美人伝」)

松岡さんに関して言えば、この人の専門分野は一体なんだろうかとずっと思ってきた。正直、滅茶苦茶物知りだけど、どこにオリジナリティがあるのか、よくわからなかった。でも、夕べ、ご本人が、「グレン・グールドは『草枕』を30回読み、自分の音楽の方法論を深めていったけど、自分はそこまで深く(「草枕」を)読み込むことをしてこなかった」とステージで反省されていたのを聞いて、この方はご自分のことをよくわかっているのだと思い、ボクは逆にこの人に好感を持ってしまった。

もしかして、昨晩の「連塾」最終ステージの松岡さんは、これまでのベストだったのかもしれない。ご本人がよく使われている、ご自身の「フラジャイル」な部分も含めて。

昨晩は、ゲストとして、森村泰晶、山本耀司、安田登たちがステージに上がって、とても面白かった。特に能楽師の安田さんには魅了されたし、関心を持った。松岡正剛さんの人的ネットワークの広がりにはほとほと感心する。もう「連塾」がないのかと思うと、寂しい思いがする。