ぜひ見てみたい映画『ハーブとドロシー_アートの森の小さな巨人』

機内で読んだ週刊誌で知った映画です。
サラリーマン夫婦が、お給料の中から買い集めた現代アート作品。そのご夫婦を取り上げた映画です。
静かに、深く生きている市井の人びと。そんな人たちを尊敬します。お金や名誉に惑わされることなく、ゆっくりと、静かに生きていく無名の人間のひとりでありたいです。

いま一番見てみたい映画のひとつ。


『ハーブとドロシー_アートの森の小さな巨人』

今週末(福岡、銀座)

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昨日土曜日、午前中はシンガポールでビジネスを行っているビジネスマンと朝食。午後からはアビスパ福岡のホーム最終戦を観戦するために福岡へ。写真は行きの機内から見えた富士山。

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試合は札幌相手にスコアレスドロー。なんどかチャンスがありましたがものにできず残念でした。


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今日日曜日、用事があって銀座に。そしたらミニ(MINI)の特別展示を発見!来年、CROSSOVER というミニ初の4ドアが発売になるとか。ミニって、ちょっと気になるクルマ。

恩師のこと、南宇和高校のこと 。その1

昨日、かつて母校(高校)をサッカーの全国大会優勝に導いた石橋先生(当時のサッカー部の監督)がいらっしゃった。現在は松山の高校で引き続き教員をされている。ボクは石橋先生から直接ご指導いただいたことはないのだけど、これまで一番お世話になった恩師のひとりであるY先生の近所に、現在お住まいになられていることもあって、Y先生のこと、そして離れてしまった南宇和高校の話になった。

南宇和高校は僕らが育った南宇和郡にただひとつある公立高校で、南宇和郡に育つとそこに進むことが当然のことだった。東京だったら、高校生どころか、小学生くらいから電車を乗り継いで片道1時間くらいの通学をこなすことは珍しくもないのだろうけど、田舎では通学のために、たとえば他の町にある学校に行くことなんて、到底考えられないことだった。町をでて外の進学校に行くなんて発想はそもそも我が家にはなかったのだ(たとえば宇和島東高校は愛媛のあの地域では一応進学校ということになっていたけど、バス通学1時間の距離)。

その南宇和高校も少子化の影響で一学年の生徒数が20年前とかの半分近くになっていると聞いて、なんともさびしい気持ちになった。石橋先生がいらっしゃらなくなって、南宇和のサッカー部はだんだん弱くなっていき、この数年、全国大会にも出てこない。東京で働いている同窓のH君と、駒沢公園であった岐阜の代表チームとの試合の応援に行ったのは何年前だったろうか。今年の愛媛代表は52年ぶりに宇和島東が出場するそうだけど。

石橋先生との昼食はとても楽しかったのだけど、田舎のことを思うと、とても複雑な気持ちになった。東京に出てきている僕ら地方出身者たちは、老いていく父母、疲弊していく地域経済のことを思うと、重い気持ちになってしまうのではないだろうか。

石橋先生から、つい最近Y先生のお母様が104歳で亡くなられたという話をお聞きしたばかりなのに、今日は早速Y先生からそのお知らせをいただいた。はがきの宛先には、「出張勝也君」とあって、「あ、先生と僕らの関係は、死ぬまで先生と生徒だよね」と思った。それは懐かしくもあり、ありがたくもあり、ずっと大切にしていかないといけない関係だなと思う。正直言うと、田舎との関係、その中には先生たちとの関係も含まれるのだけど、それを断ち切りたくって東京に出てきたはずなんだけど、今となっては、自分のルーツというか、育ててくれた「ゆりかご」は、生まれた高知の南西部や育った愛媛の南予(「なんよ」。この言葉はIMEでは出てこない!)だと、すごく感じる。

Pursuit of Happiness by Maira Kalman




YouTube: And the Pursuit of Happiness, Maira Kalman - 9781594202674


先週アメリカに行ったとき、サンフランシスコのボーダーズで買ってこようと思いつつ、荷物が重くなるので諦めた、アメリカの歴史を取り上げた絵本。著者の声と、著者のイラストで、本の一部について知ることができます。ベンジャミン・フランクリンが朝と夕に自分自身に問いかけたという質問は人生のヒントになります。
I wanted to buy this book when I found it at SF's Borders last week, but it would have been too heavy to bring back home (I already had too much stuff with me). I will order it at Amazon. The morning question and the evening question of Benjamin Franklin are still so valid and useful for all of us: "What good shall I do today?" "What good have I done today?"

アメリカも大学生の就職は厳しい。

 アメリカに出張中ですが、こちらで何人かの人たちから聞いた話しです。
 大学生のインターンは、履歴書に書く職歴が欲しいという学生が多いため、過去、「お給料」にあたるものを払っていた会社もいっさい金銭による報酬を払わないというケースが増えたと聞きました。アメリカでも非常に就職戦線は厳しいようです。
ただ終身雇用でないからでしょうか、考え方に、日本と違って柔軟性があるように思います。今は苦しくても、役に立つ職業経験を積むことが大切だというように考えることができるのが前向きでいいなと思います。
 日本の場合には、大学卒業と同時に、「いい会社、有名な会社、大きな会社」に入れなければ、サラリーマン人生万事休すのように思い込んでいたり、親御さんたちも、そのような会社に入れないのであれば、就職しなくてもいいくらいのことを言う人がいる(それは極端な例だと思いたいですが)と聞きます。日本企業の新卒優先採用はこの意味では非常に悪い影響を学生や社会に与えているように思います。
 日本社会も相当混乱してきているのに、大企業や役所を中心として新卒採用にこだわる、それも一時期にまとまって採用活動を行う。リクルートを中心とする就職斡旋企業の功罪もありますが、企業側も横並びの採用方法を見直してもらいたいです。うちの会社のように歴史のない、まだ小さい会社は、優秀な人であれば、第二新卒であろうと、いつでも求めています。

『趙紫陽・極秘回想録』

 サンフランシスコであるWeb 2.0 Summit に来ていますが、それについてはまた別途書きます。今日、ホテルで読み終えたのが、天安門事件(1989年)でデモ学生たちへの対応が甘いとして失脚した、当時中国共産党総書記だった趙紫陽が、生前残していた回想録。共産党の指導者たちの間での権力闘争のすさまじさをかいま見ることができる本です。
 晩年の趙紫陽(2005年自宅監禁のまま北京で死去)は、西側民主主義政治制度を高く評価していたようです。(「二十世紀に、世界にさまざまな政治制度があったが、やはり西側の議会制民主主義に生命力があることが明らかに示された。この種の制度は、現在、実現しうる中では比較的いいものであり、民主を具現化し、現在の要求にかなった、成熟した制度ではないかと思う」)
 これからはアメリカだけでなく、中国のことももっと勉強しておかないといけないかと思っています。中国語(北京語)もすこしぐらいは理解できるようになりたいもの。

『大地の咆哮』(杉本信行著)

 副題は「元上海総領事が見た中国」。2006年末期肺がんにかかっていることが分かった著者が、遺書のつもりでお書きになられたであろう本。尖閣諸島問題についての言及も含み、中国の国内問題、日中関係、靖国問題、ODAの意義などを考えるに参考になりました。
 「咆哮」=猛獣などが、ほえたけることだそうですが、咆哮するのは中国の大地?

John Sculley On Steve Jobs

かつて一時期アップルの社長だったジョン・スカリーが語ったスティーブ・ジョブス。
John Sculley On Steve Jobs

以下、オライリーのメルマガでの紹介文。

"the full interview text is fascinating reading. Sculley gives Jobs full respect, and his insights make for very interesting reading. It’s okay to be driven a little crazy by someone who is so consistently right. What I’ve learned in high tech is that there’s a very, very thin line between success and failure. It’s an industry where you are constantly taking risks, particularly if you’re a company like Apple, which is constantly living out on the edge. Your chance of being on one side of that line or the other side of the line is about equal."

FT記事へのコメントにお返事をいただく。

最近読んだFinancial Times の日本関連記事を書いたライターにメールを出したところ2回とも返事をいただき、驚きました。
一度は、週末版の"Slow Lane" というコーナーで読んだ、日本の知る人ぞ知る偉人・福岡正信を紹介する記事、もう一度は日本の国債市場の将来見通しに関しての記事。それぞれ、Harry Eyres、Henny Senderというライターから、短いですがお返事をいただきました。
FTのほとんどの記事には、ライターのメールアドレスがついています。会社の方針なのかどうか存じ上げませんが、たとえ簡略なものとは言え、きちんと返事をされる姿勢に驚きます。日本の新聞では考えられないです。

→"We reap what we have sown" (by Harry Eyres、福岡正信紹介記事)
福岡正信とは
"Worse still to come after Japan’s lost decades" (by Henny Sender)

福島県只見町の吉津耕一さん。

昨日11月6日の朝日新聞夕刊一面の「人脈記」に、今年アイデアエクスチェンジにご登場いただいた福島県の吉津耕一さんが紹介されていました。とても真摯な姿勢の方だったことを記憶しています。その際にはお世話になりました。

Mr. Kitsu, one of the guests on my pod casting "Idea Exchange" this year, was on the front page of the Asahi Newspaper's evening edition yeterday.

アイデアエクスチェンジ「吉津耕一さん」

"Kan" must learn to love business.

 フィナンシャルタイムズに、"Obama must learn to love business" という論評がでていた(John Gapper 記者)。10月28日付け(アジア版)のFTにでていた記事で、中間選挙での民主党の敗北予想を前提に書かれたものだった。僕はまったく同じ内容のことを管政権および日本の民主党の方たちに贈りたい。
 アンチ・ビジネスからはなにも生まれてこない。これは僕が「経営者側」の人間だから言うのではなく、社会の問題の多くが経済問題であり、問題解決のために「経営力」「マネジメント力」が必要だからだ。民主党政権の中枢にいる方たちは学生運動と労働運動の出身者たちが多いようだけども、ビジネスのことを愛するところまでいかなかったとしても、理解してもらいたい。ビジネススクール出身者なんていないのかもしれないけども、前にも書いたけど、ドラッカーくらいきちんと読んでもらいたい。
 富の分配についてと同じ程度に富の創造に熱心であって欲しい。もっと富の創造のことを勉強してほしい。
 
There was a good article by John Gapper in the Financial Times. I would like to replace Obama with Kan (our current prime minister. who knows how long he will be so!) and present the article to our ruling party. Kan must learn to love business. It is unfortunate that many of our ruling party members are controlled by the labor unions.

Obama must learn to love business
(ネットでは記事は登録しないと読めなくなっています)

Met with the US Ambassador Roos in Tokyo.

午前中、駐日米国大使のルースさんをWPO/YPOのメンバー20名ほどと訪問する機会がありました。大使の執務室があるフロアーの会議室で1時間ほどお話をお聞きし、意見交換することができました。大使館の中に入ることはあまりなく、ルース大使とお話をする機会など滅多にありませんので今日の機会に感謝しています。

I had an interesting chance to visit US Ambassador Roos in his office today.  I was with WPO/YPO members and the ambassador was kind enough to meet with us for one hour.

He used to represent the biggest technology focused law firm in Sillicon Valley. He showed a strong interest to foster entrepreneurship in Japan, which is quite natural given his background.

One of the participatns was from Hiroshima with his father and mother being the victim of the A-bomb.  He expressed his personal gratitude to the Ambassador for his visit to the annual peace ceremony in Hiroshima on August 6 this year.

I asked him a couple of questions (how he is going to measure his success as the ambassador, what he likes about Japan).

We had to leave all the gadgets with battery (mobile phones, electric dictionary, videos, everything!) at the entrace door, which was the only unnecessary part of the visit, but overall, I had a very interesting visit.  I was lucky to be sitting very close to Ambassador Roos and had a chance to shake hands at the end.

ショッキングなこと。

 最近、ちょっとショッキングなことがあった。2年くらい行っていなかった都内のレストランとカフェが、どちらも通常営業を止めていたこと。レストランは前日まで予約をしないと食事ができず、予約がないと閉店状況。店員の数も大幅に減らし、結婚式の2次会やパーティなどに会場を貸すことを中心にしているとか。カフェは僕が大好きな映画(「バベル」!)でも使われたところなんだけど、ここもイベントやパーティなどへの貸出しの場所に変わってしまっていた。どちらも人件費や在庫などの固定費を抱えてやっていけなくなったということだろう。

 街を歩くと、「すべての商品270円」「飲み放題500円」なんて居酒屋の看板や、やたら駐車場が目立ったりする。クルマに乗る若い人は少なくなっているというのに。

 これがデフレということかと、恐ろしい気持ちになった。
 
 今朝の朝日新聞に、天野祐吉さんがケータイゲームのCMがやたら多いと書いていた。「ぼくもゲームは好きだ。ゲーム歴も長いし腕も立つ。だからケータイゲームにも、よくできたものがあることは知っている。が、CMがこんなに多いのは、やはり異常だと思う」と。

 ケータイゲーム、パチンコ・パチスロ、そして低料金の居酒屋しかはやらないなんて、異常だ。まだ経済がまわっているように見える東京でさえもそうなっているとしたら、恐ろしい状況だ。いや、もしかしたら、お金を持っている中高年やシニアには関係ない話なのかもしれない。だって、丸の内や銀座を歩いていると、日本は本当に不況なのかと聞きたくなるから。

 天野さんのコラムはこんな言葉で終わっていた。「もちろんケータイゲームにも、ゲーム仲間の連帯感を生む効用はあるだろう。が、ケータイそのものが持っている人間的な可能性を、もっと面白く感じさせてくれるようなゲームやCMはできないのか。ケータイが泣いているよ」

 カネがないと言っている若い人たちに話を聞いてみても、ケータイにはそれなりのカネを毎月払っている。ケータイないと友達を確保できないし、就活もできないということなのかもしれないけど。「なにが生きていく上で大切なのか、もう一回出発点に帰って考えようよ?!」なんて言ってると親父のお説教になってしまうかもしれないけど、日本で一人であったとしてもそれは言い続けたい気持ち。

 レストランの話から始まってケータイの話になってしまったけど、いまの日本って、かなりショッキングな状況にあるかも。それに鈍感になっているとしたら、それもまたショッキング。

『梅棹忠夫語る』(聞き手・小山修三)日本経済新聞出版社

『知的生産の技術』(岩波新書)で広く知られる民族学・比較文明学の大家が、お弟子さんに語った生き様と哲学。ご本人は今年7月に逝去されています。
 
 目次をご紹介すると、きっと多くの人は読んでみたくなるはずです。そして読んでみると、閉塞感でいっぱいの我が国の霧をはらしてくれるような爽快感があります。

 第一章 「君、それ自分で確かめたか?」
 第二章 「文章は誰が読んでもわかるように書く」
 第三章 「メモ/スケッチと写真を使い分ける」
 第四章 「情報は分類せずに配列せよ」
 第五章 「空想こと学問の原点」 
 第六章 「学問とは最高の道楽である」
 第七章 「知識人のマナー」 
 第八章 「できない人間ほど権威をかざす」
 第九章 「生きることは挫折の連続である」
 エピローグ 「つねに未知なるものにあこがれてきた」
 
 ビジネスマンにも参考になるヒントや励ましがいっぱい。なによりもこういう生き方がありうること、それに勇気づけられる。