『田舎暮らしに殺されない法』(丸山健二著、朝日新聞出版刊)

 ちょっとドキッとするタイトルですが、中身を読むともっとドキッとします。定年退職後、田舎暮らしに淡い夢と希望を持っている人たちに、冷水どころか、ハンマーで殴り掛かるくらいショックを与えると思います。厳しいリアリズムに基づく忠告の連続です。丸山さんはストイックな生き方をされてきた作家なので、あまっちょろい団塊世代には我慢もならないのでしょうか。(団塊世代だけでなく、ペットのような人間すべてに我慢がならないのでしょうが)

 これから田舎暮らしを始めようとする人たちだけではないと思います。ちょっと真剣に生きることを模索しているひとすべてへのメッセージかと思います。参考までに、各文章のタイトルだけあげておきます。
- その前に、「自立」しているかを問え
- 確固たる「目的」を持て
- 「自然が美しい」とは「生活環境が厳しい」と同義である
- 年齢と体力を正確に把握せよ
- 「田舎暮らし」を考えるなら、まず酒と煙草をやめよ
- 「孤独」と闘う決意を持て
- 「妄想」が消えてから「現実」は始まる
- 田舎は「犯罪」の巣窟である(これはショッキングでしたが、ほかの方の話を聞いていても確かなようです)
- 田舎に「プライバシー」は存在しない(これは僕の育った田舎もそうですね)
- 「付き合わずに嫌われる」ほうが底が浅く、「付き合ってから嫌われる」ほうが数倍も根が深い
- 「第二の人生」について冷静に考えよ
- 「老後の現実」を直視せよ
- あなたを本当に救えるのは、あなた自身である (以上)
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