『大いなる看取りー山谷のホスピスで生きる人々』(中村智志著、新潮社刊)

 以前紹介した山谷のホスピス「きぼうのいえ」そこで晩年を過ごしたひとたちの人生の断面を、週刊朝日の記者が本にしたもの。死を遠ざけ、死を見ないふりをすることが多いわれわれですが、死のことを考えてはじめて、よく生きることもできるのではないかと思います。僕の場合は、仕事でお世話になった北岡さん(TOEICの創案者)の死から教えられることが多かったです。残された北岡さんの奥さんの由美子さんは宝塚出身で、あるホスピスで時々歌っていらっしゃいます。1年に一度はお会いしますが、これからも歌い続けていただきたいと思っています。
 この本の中で、紹介されている、以下のような素敵な言葉があります。
Bach gave us God's word. (バッハは私たちに神の言葉を与えた)
Mozart gave us God's laughter. (モーツアルトは私たちに神の笑いを与えた)
Beethoven gave us God's fire (ベートーベンは私たちに神の熱情を与えた)
God gave us music, so that we can pray without words. (言葉がなくても祈れるように、神は私たちに音楽を与えてくださった)
 音楽のユニークさを表している言葉かと思います。