既得権はいたるところにある

 この前ある方との話の中で、役人の民間企業への天下りのことではなく、企業グループ内での親会社から子会社への天下りの話になりました。官から民への天下りも問題だけど、同じようなことが、一部の大手企業ではまだまかり通っていて、子会社の社員たちのやる気を殺いでいるということです。過去の貢献をどのように評価し、どのように報いればいいのか。年を取ってくると、誰も、若い頃と同じようには働くことができなくなります。組織の中で新しく入ってくる人たちからすれば、たとえ過去に功績のあった人だとしても、その人たちがたくさんのお金を持っていくことには耐えられません。親会社からぽっと天下ってきた人たちであれば、なおさらのことでしょう。

 年金問題もおなじように、世代間の「闘争」になっています。高度成長期を支えた世代には、敬愛の念を捧げつつも、若い世代に自分たちの老後の問題を押し付けることは、勘弁してほしいというのが、若者たちの率直な気持ちではないでしょうか。

 いわゆる既得権はいたるところにあります。会社の中でも同じかと思います。組織の活性化は、既得権との闘いと言い換えてもいいくらいです。自分はこの扱いを受けて当然だと考えていると、いつか、とんでもないしっぺ返しを食らうのではないかと思っています。