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仕様書の話_辻井喬・堤清二回顧録「叙情と闘争」から

 読売新聞土曜版の朝刊に連載されている、堤さんの回顧録。毎週楽しみに読んでいる読み物のひとつです。5月10日で16回目になりました。

 ビジネス、文学、複雑な人間関係が織りなす、お話が続いています。西武百貨店の再建にあたる堤さんのお話の中で、70年代、政財界の重鎮のひとりだった桜田武の以下のようなコメントが紹介されています。

「清二君、シアーズ・ローバックというアメリカの百貨店を知っているか」。「いや、大した会社だ。きちっと仕様書を作ってね、こういった布をこの値段で製造して欲しい、その場合には何万フィートは買い取る、と言ってくる。そして間違いなく実行するんだ。小売業もあそこまで行けば製造業をリードできる。」

 ものづくりを行っている人たちは、この仕様書を作ることに優れています。それに対して、目に見えないもの=サービスを作っているソフトウェアの分野では、往々にして、この仕様書作りに十分な時間と知恵をかけていないように思います。

 スピードは大切なのですが、「急ぎの仕事だから、ゆっくりやってくれ!」ということが、実は前提にならないとだめだと思います。