映画『明日への遺言』

大岡昇平が書き残してくれた日本人の誇り。原作の『ながい旅』(角川文庫)には、この映画の主人公である岡田資(たすく)中将の遺稿集の一部の文章が含まれています。それを読むためだけでも、『ながい旅』を買う価値はあります。

 映画は感動的です。右の人も左の人も、永田町の人も霞ヶ関の人も、あるいは丸の内・大手町の人も、組織のリーダー的立場にあるひと、リーダーたらんとするひとは、すべてが観るべきかと思います。勝者であるアメリカに姑息な態度をとることなく、死とひきかえに自分の信念を貫いた人物。

 脚本を書いたロジャー・パルバースさんとは以前仕事でよくお会いしていました。数年お会いしていませんので、近いうちに再会したいと思っています。