意味のない討論番組

 知り合いが何人かでていたこともあって、久しぶりにNHK「日本の、これから-大丈夫ですか?日本人の学力」を見ました。さまざまな視点を提供しようとしているのかもしれませんが、大騒ぎをするだけで、3時間もの長き番組の最後に、なにかが得られたという感じがまったくしませんでした。この番組だけではありませんが、多数の人間が参加するこの手のテレビ番組の作り方はずっと変っていないように思います。残念ながら、感情的なコメントを主張しあうだけになっています。

 ここ数年の変化と言えば、視聴者の声も同時中継的に反映させるために、電話、ファックス、あるいはメール(PC、ケータイ)で、投票させて、番組中に紹介するということだけのように思います。視聴者参加、民主的ですよ!というアピールでしょうか?

 昨晩の番組でも、参加者をもっと絞っていただき、政策決定に関係している方たちにもでていただきたい。また、あまり子どもたちの意見を聞いても意味はないのではないかとも思いました。(「なぜ勉強しないといけないのか、分からないのに、勉強できない」なんて発言で、大人たちがうろうろする必要はまったくない)3時間もあって、どうして議論が深まらないのか? 

 コメント内容と議論の仕方が傑出していたのは、杉並区和田中の藤原さん。実社会におけるビジネス経験、学校の実情もよくわかっていらっしゃるので、いたずらに理念的になることもなく、「べき論」と「現実」のバランスを考えていらっしゃるように思いました。

 この手の討論番組を、どのように行なっていけばいいのか。その方法論を研究されている方はいないでしょうか?テレビの力を考えると、せっかくの機会をもっと意味あるものにするためにも、研究成果を番組制作に生かしていただきたいと思います。

追伸: 同じNHKでも、教育テレビの「一期一会」の方が、30分で、ずっと中味のある討論番組になっています。