「そうか、もう君はいないのか」(城山三郎著、新潮社刊)

 城山三郎の死後、「小説新潮」(2008年1月号)に掲載された、妻・容子との思い出を記したエッセイの原稿。名古屋での出会いと再会の話が映画を観ているようだった。

 城山三郎が好きだったという言葉、「静かに行く者は健やかに行く 健やかに行く者は遠くまで行く」。 運命的な同伴者をなくした後、一人で歩き続けることは、きっと苦しかったに違いないと思いました。

 この本からも感じたこと、それは人生で大切なものは3つあるということ。健康、仕事、そして家族。この3つに恵まれたなら、すこしばかりおカネが足りなかったとしても、たいした問題じゃない、ってこと。