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Kamikozawa House

Casa Brutus (2008年2月号)はバイリンガル特別号。といっても、英語のページは12ページほどですが。この号で紹介されている上小沢さんご夫妻に惹かれました。ご主人は1927年生まれ、医者からゲーテの「詩と真実」に出会ったことから東大の独文に再入学。現在は東京農工大名誉教授。趣味は車(フェラーリF430)と家。奥様は1915年生まれ。趣味は囲碁。

 48年前、建築家・広瀬件鎌二さんの、無駄も媚もない空間に心底共感し、設計を依頼されたそうです。住むにあたっては、さまざまなご苦労もあったようですが、「戦後日本の住宅改革に対する広瀬さんの気迫に、負け、どうしてもこの家を壊そうとは思えなかった。」とか。

 この家とともに生きていくうえでは、「いらざるものは、入れない。これがモットー。モノは最小限にして、上質でなければならず、それを見極める選択眼も必要になります。ちょうど恋愛をしている人間と同様、適度な緊張感と知的な向上心をもって生きるということです。(中略)モノがないことで精神の自由を得るのです。豊かさとは、モノが豊潤にあふれていることではなく、心の満たされた状態のこと。」

 「人は、飽食をすると滅びます。しかし何回かの氷河期を越えてきた人類にとって腹八分目でとどめるというのは困難なことで、克己心が必要となってきます。わたしはあらゆる生活の場面において、この精神を実践しようと努力してきました。余計なものは捨て、余計な買い物はせず、家の建設に心血を注いできたという人生でした。」

 この家と出会って、わたしの人生は変りました、と言えることの素晴らしさ!

 英文ページでは、"Know what is truly of value and have the courage to get rid of everything else:" By always preserving and updating the beauty of his 48-year-old modernist home, Kamikozawa makes the very act of living in it the key to understanding its aesthetic richness. と紹介されていました。