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「同じことを繰り返してきた動物」

先月日経新聞で連載されていた野村證券元会長・田淵節也さんの「私の履歴書」。まわりの経営者仲間では思っていたほど面白くなかったという声も聞いたのですが、僕はかなり楽しませてもらいました。役所、特に大蔵省に対する批判は、野村證券の後輩たちのことを考えると、あれ以上は書けないでしょうし、ソフトバンクの孫さんをはじめとするバブル期以降の経営者に関するコメントもおもしろいと思いました。

手元に新聞がないので間違っているかもしれませんが、戦後、アメリカの庇護の元で成長してきた日本のことを、「アメリッポン」なんていう表現があることを、最終回で初めて知りました。先日夕食をした某・外資系金融出身で、今はヘッジファンド会社を経営している知人も初めて知った言葉だと言っていました。

田淵さんが書かれていたように、人間は「同じことを何度も繰り返してきた動物」かと思います。僕ら一人ひとりにとっては初めての経験であったとしても、長い人間の営みの中では、すでに何度も繰り返されてきた逸話のひとつにしか過ぎないこと。

動物との比較で言えば、人間は動物以上に手に負えないところがあります。人間は感情を持ち、嫉妬を持ち、そして正義感を持っています。嫉妬は時に逆恨みとなり、正義感は、しばしば自分勝手な正義感であり、それを強く振り回す人(あるいは国)は、まわりの人間(あるいは国)にとっては、大きな迷惑になります。動物のほうが自然の秩序の中で本能に従って生き、そして死んでいく、地球の生態系の維持という面から考えると、人間よりもずっとやさしく、謙虚な存在かもしれません。

田淵さんが最後に書かれていたもう一度行ってみたいというブラジル。実は、リオ・デ・ジャネイロは僕ももう一度行ってみたい町です。20年前、夕暮れ時のリオ・デ・ジャネイロの河口で見た風景を、いつかまた体験してみたいとずっと思っています。