国際的に見たら日本は安くなっている

30年ほど前まで、アイルランドはヨーロッパでももっとも失業率が高く、これといった産業のない国だったと記憶しています。ビジネススクールの同級生で、アイルランドからアメリカに渡って来た友人がいるのですが、彼の兄弟姉妹も、イギリスに出稼ぎに行ったりしていました。

ところが、この20数年間で、アイルランドは大手アメリカ企業などの誘致をどんどん進め、非常に活気のある国に変身しています。信じられないことに、今では、一人あたりGDPにおいては、日本よりもずっと上になってしまっています。

で、先日ご紹介した、Mad or fit? (10月3日の黒犬通信)のイギリス人と朝食をしながら話していたら、イギリス人の彼から見ても、経済の成功によって、アイルランドの首都ダブリンはとても物価の高い都市になってしまっているということでした。

ロンドンも、この数年間で、不動産価格が高騰していて、場所によっては2倍になっているようです。知人のイギリス人は、対円でポンドが強くなっていることとあわせて、東京の物価が非常に低くなっているという印象を持ったそうです。東京の知人で、あるアパレルブランドメーカーの社長がいるのですが、その方の直営のお店にも海外の顧客が一度に何十万円という買い物をしていく人たちが、たくさんいるそうで、円での買い物が安くなっている、ということでした。

バブル崩壊後、少なくとも、経済的な意味では、日本の地位は完全にひっくり返っています。