人材の流動化

なんども繰り返しでてくるテーマですが、人材の流動化、とくに大企業が抱えて、十分に活用されていない人材を、新興企業やリストラを必要とする企業に、もっと流せないものかと思います。

今月の11日にソニーフィナンシャルホールディングスが東証に上場します。その取締役で、傘下のソニー銀行の社長を兼ねる石井さんという方は、10年前に破綻した山一證券出身です。山一、長銀、日債銀など、破綻した大手金融機関出身の方たちの中には、新しい職場や起業を通して、活躍されている方たちが、かなりいらっしゃいます。「終身雇用」という、人材の飼い殺し(少々強い言い方になりますが)という側面を持つ日本の大手企業に見られる制度から逃れるのは、個人にとってかなり勇気を必要とすることかとも思います。だから、倒産という天災のような出来事がないと、ほとんどの人がふんぎることができないのでしょう。

他の会社経営者の話を聞いていても、必ず出てくる話題は人材のことです。これは100%の経営者から出てくる課題です。マクロ的に見たとき、人材の適正配分ができていないことが原因になって、新しい価値の創造がなかなか進まないのが、日本社会の問題の一つかと思います。こうやって書いていると、評論家の話のように聞こえるかもしれませんが、他人事ではなく、人材の流動化がひとつの推進力となって、人材の多様化、人材の専門化をもっともっと進めることができれば、うちの会社にもプラスになると考えています。