立花隆の宮沢評

立花隆の故・宮沢元総理の評価を読んで、考えさせられました。宮沢さんは、日本のエリート官僚の中で、もっともエリートのお一人だったと思いますが、日本経済の舵取りを大きく誤ったことにおいて、バブル崩壊後の日本経済の混迷(特に政府の借金を重ねていったこと)に大きな責任を持つのかと思います。

宮沢さんのようなエリートの方たちは、自分たちこそが、民をリードしていくべきというお考えだったようですが、日本のエリートたちの経験や考え方では、もう政治はおろか、経済さえもリードしていけないのではないかと思います。戦後60余年、前半は機能していた日本の「官僚資本主義」は、バブル以降の後半においては、その弊害のほうが圧倒的に大きくなってしまったように見えます。

全体としてみたとき、どのような形をとるのかは予想もできませんが、いつか、日本の仕組みはハードランディングして崩壊する可能性を感じます。そのとき、一時期から惰性で動いている日本のさまざまな仕組みは、一度、リセットされるのでしょうか?そのときの解決方法として、一握りのエリートの「指導」よりも、大勢の人間たちが参加し、知恵を競い合うマーケットメカニズムこそが、問題解決のための方向性を示してくれるのではないかと信じています。