「師」と「士」

今朝の朝日新聞の朝刊で、日本の教員の地位が国際的に見て保護されていると言えるかどうかを確かめるため、ILOとユネスコが日本に調査団を送ることになったという記事を見ました(社会面)。また、朝日ではここのところ、「ドキュメント・医療危機」というタイトルの連載を行なっていて、医療関係者、特に勤務医の現状に関して、警鐘を鳴らしています。

教員というよりも、教師という言葉のほうがなじみがあるのですが、医師にしろ、教師にしろ、「師」という漢字を含みます。広辞苑には、学問・技芸を教授する人(例:教師)、専門の技術を職業とする者(例:医師)などとあります。ちょっと気になるのは、この二つの「師」に対する評価というか、尊敬というか、それらがこの数十年の間に急速に落ちてしまっているのではないかということです。教師も、医師も、その重要性は、数字(お金)では表せないほど高いものです。

もうひとつ、職業を表す漢字で、「士」というものがあります。「士」は、なじみのあるところでは、「弁護士」、「公認会計士」、あるいは「税理士」などに入っています。いずれも、プロフェッショナルであるべき仕事かと思います。広辞苑にでているひとつの意味は、「一定の資格・役割をもつ者」、とありますが、その前には、「学徳を修めたりっぱな男子」ともあります。悪徳弁護士とか、不正に手を貸す会計士とか、あまりほめられたものではない「士」の記事を読むことがありますが、このような「士」には、高い職業倫理を求めたくなります。