女性とコンピューター

アメリカでも女性のコンピュータ・サイエンス(CS)専攻者の数が減ってきているというブログを、ティム・オライリーが書いています(オライリー・レーダー4月21日付け)。 1985年、CS学位を受け取った人全体の38%だった女性が、2003年に28%まで減っているそうです。ただし、女性に限ったことではなく、男性においても、CS専攻者の数が減っていくのではないかという危惧も紹介されています。

原因のひとつは、CSがつまらなくて、変ったオタクたちの勉強である、というイメージが強すぎるのではないか?そのイメージを払拭するために、コンピューターと社会のかかわり、コンピューターがどれだけ世の中を変えていく力を持っているのか、一人ひとりの個人がやりたいと思っていることとコンピューターがどのように関わっているのか。そういう、全体像を考えさせること、教えることを、もっと進めていかないといけない、としています。

(僕個人のことですが、高校生のとき、物理にまったく興味が持てず、赤点すれすれで単位を取りましたが、違う教え方をされていたら、物理をもっと楽しめたのではないかと、ずっと思っています。それから、法学部に入ったのに、法律の勉強が苦痛で、これも抽象的な法律学ではなく、ケーススタディに基づいた、身近に考えることができる教え方をされていたら、法律の勉強に、もっと関心が持てたと思っています。)

日本も、プログラマーやSEの仕事が、3K仕事みたいになっている、という話をよく聞きます。そのせいで、IT業界でキャリアを築きたいという人も減っているとか・・・いろいろと批判はあるでしょうが、ホリエが残したプラスの面のひとつは、ITに携わる若い世代が、社会にインパクトを与えうるのだ、ということを示したことだと思います。

ウェブ2.0が流行り言葉になり、バブルだ、という意見もあります。でも、ウェブ2.0を支える根本的な思想のひとつは、民主主義ということです。その意味で、ウェブ2.0は、特に日本において、重要性を持っていると、僕は思っています。教育とウェブ2.0、政治とウェブ2.0、行政とウェブ2.0、地域社会とウェブ2.0、ビジネスとウェブ2.0、など、あらゆる分野で、ウェブ2.0が、既存のやり方に問題提起をしています。コンピュータを勉強する、ITを仕事にする人たちにも、自分たちのスキルやテクノロジーを使って、社会を良くしていくことに、関心を持っていただきたいです。

コンピューター・サイエンスの重要性を広めていくこと、ウェブ2.0の意味を考えていくこと。結構おもしろいテーマではないでしょうか?