映画「ダーウィンの悪夢」、ゴールドマンのボーナス

今日の朝日新聞夕刊にふたつの目を引く記事がありました。

ひとつは、アメリカの証券会社ゴールドマンサックスが過去最高の利益見通しで、会長のボーナスは63億円だという記事。数日前のファイナンシャルタイムスにも、同様の記事があって、この会長、セントラルパークウェスト(ニューヨークのセントラルパークの西側の通り。ダコタハウスをはじめ、超高級アパートが並ぶ)の30億円超のアパートに移り住むことになっているとか。蛇足ですが、僕のアメリカの友人の何人かも、このセントラルパークウェストに住んでいます。

もうひとつは、23日から公開される映画「ダーウィンの悪夢」。日本にも輸出されていた白身魚ナイルパーチをめぐる、タンザニアの「地獄」(映画評論家の言葉)の記録。この映画には、ナイルパーチによる繁栄の裏で、その富に無縁な人たちの、地獄のような暮らしがでてくるそうです。たとえば、娼婦、ホームレスの少年、隣国との戦争を望む安月給のガードマン、裸足で働く女たち、等々。

この映画紹介の最後で、評論家は、「これは我々の日々を形作るグローバリズムについての映画である。グローバリズムとは、世界の反対側にある地獄と、我々の生活がひとつにつながることなのだ。」と記しています。

63億円のボーナスをもらう証券会社の会長と、構造的な貧困の中で暮らすタンザニアの人間。地球の反対側に住むだけでなく、天国と地獄と言えるほど違う世界に暮らすように見えるこの二つの人間は、進行するグローバリズムの中で、ひとつにつながっているのでしょうか?もしつながっているとしても、どのようにつながっているのか?