「ITにお金を使うのは、もうおやめなさい」

14_150_1 昨年日本で出版された本を、週末に読みました。IT業界関係者には、あまり評判がよくない本だということですが、内容はいたってまっとうです。

著者のニコラス・G・カーが、2003年にハーバード・ビジネス・レビューに発表した、"DOES IT MATTER?"がベースになって出来上がった本です。企業戦略の重要性を前提に、ITの位置づけを冷静に見ています。

デルとウォルマートを「注意深く観察すれば、競争優位の源泉が技術そのものにはないことが分かる。周到なビジネス計画を徹底的に実行することによって、それぞれの業界で大きな地位を占めることに成功したのである。」(ページ125) この本の中で一番重要なメッセージは、これだと思います。

この本の中で紹介されている、マイケル・ポーターの論文、"Strategy and The Internet" (2001)も読んでみようと思っています。