岡本太郎作「明日の神話」を見る

急逝される前の岡本敏子さんとは、ある集まりで、何度か、お話させていただいたことがありました。訃報を新聞で読んだときのことは、この『黒犬通信』でも書きました。

岡本太郎が、メキシコで制作していた幻の壁画「明日の神話」が、復旧されて、汐留にある、日本テレビの広場で公開されています。これは、岡本敏子さんが、メキシコで探し続けて、ようやく見つけたもので、「復旧して日本に持ち帰りたい」ということを、強く訴えていらっしゃったものです。

岡本太郎は、文章や写真も上手だったし、もちろん、絵もおもしろいアーティストだった。1970年の大阪万博での「太陽の塔」は、戦後日本のある時期を代表する象徴的な作品だとも思います。

「明日の神話」をめぐる表のストーリーには、主人公がふたりいます。一人は、岡本太郎、そしてもうひとりは岡本敏子。「裏のストーリー」として、僕は、岡本太郎に、この作品を依頼した、メキシコの実業家のことを知りたいです。このメキシコの実業家は、ホテルのロビーに、岡本太郎の作品を飾るつもりだったようですが、途中で、資金が尽きて、このホテルは完成されなかったそうです。(そのせいで、「明日の神話」の行方が一時、わからないくなっていた) 

メキシコには、リベラ、オロスコ、シケイロスなどの素晴らしい歴史的な画家がいて、彼らもたくさんの壁画を残しています。そんな画家たちが存在したメキシコで、日本の画家・岡本太郎に依頼してきたメキシコの実業家に感謝すると同時に、その依頼者がどのような人だったのか、ちょっと知りたいなと思います。

「明日の神話」公式サイトは、こちら

プロジェクトAのニクブロでもご覧ください。最初に映っているのは、中国からの研修生のチェン・チェンです。