「アエラ」(3月27日号)の特集から

3月27日号の雑誌「アエラ」に、「哀しき天皇制」という特集記事がありました。この中で、以下のような皇后陛下のお言葉が紹介されていて、感動しました。

「そして生きていくために、人は多くの複雑さに耐えていかなければならないことを、私に感じさせました。」

これは、2002年9月29日に、スイスであった国際児童図書評議会(IBBY)創立50周年記念大会でなさった講演からです。このお言葉の前には、「2冊の本は、私に世の中の様々な悲しみにつき教え、自分以外の人が、どれ程に深くものを感じ、どれ程多く傷ついているかを識らせました。」とあります。

英語でなさったスピーチでは、この部分は、以下のような表現になっています。

These two volumes taught me there were many sorrows in the world that I had not known, and I learned how intensely people other than myself could feel, and how deeply they could be hurt. I also came to realize that in order to live, one has to bear life’s complexities.

民間から初めて皇室に入られた、ひとりの素晴らしい日本女性が経験されたであろう、さまざまなご苦労を思ったとき、「人は生きていくためには、多くの複雑さ=complexities に耐えていかなければならない」という言葉の重さに感動を覚えたしだいです。