「ウェブ進化論」を読みながら

ベストセラー入りしている梅田さんの「ウェブ進化論」を読みながら、日米のIT業界のみならず、日米間の「知的資源力」の差について、考えることしきりです。アメリカも、シリコンバレーの会社、それも成功しているような会社ばかりではありません。それを承知の上でですが、グーグルをはじめとするアメリカのIT企業のスケールの大きさ、見つめている視野の広さと深さ、企業経営も含めた知的活動の歴史的な進歩への野心の強さを感じ、ため息がでてきます。

この20年間、少なくともITビジネスに関しては、ずっとシリコンバレーが世界を引っ張ってきました。もう日本企業には、到底届かないところに、彼らは行ってしまっているように思います。ITビジネスは、野球ではなく、バスケットボール(NBA)やフットボール(NFL)のように、日本には基盤もなければ、相手に向かっていくことさえもかなわないスポーツみたいです。まったく世界が違うとしか、言いようのないほどの差です。

ただ、嘆いてばかりもいられません。梅田さんもこれからの人生を、はてなという日本のベンチャー企業のために役立てたいと考えているわけで、(アメリカに追いつくためではなく、すこしでも日本をよくするために)やれることはきっとあると思います。