作家・井上ひさしさんの話

もう日付が変りましたので昨日になりますが、ある小さな集まりで、作家・井上ひさしさんのお話をお聞きしました。本をめぐる井上さんの個人的なお話を、質疑応答も含めて2時間半以上にわたって聞かせていただきました。小さな集まりでしたので、すぐそばで井上さんのお話をお聞きすることができ、とてもありがたい時間でした。

ちょっとびっくりしたのは、井上さんが後悔していることのひとつとして、若い頃に、世界文学全集や日本文学全集をじっくりと読みこなさなかったとおっしゃっていたこと。大江健三郎さんや丸谷才一さんたちは、若い頃にそれらの全集をお読みになられていて、彼らと話をしていて「ついていけないことがある」とか。

でも井上さんは、市川のご自宅が13万冊の蔵書の重さで床が抜けたほどの読書家。また最近病気で入院されたときには、あらためて世界文学全集を読みこなしたとか。

僕も本は好きなほうなのですが、1万冊もないでしょうね。もしかして5、6千冊はあるかもしれませんが・・・・僕も世界文学全集のつまみ食いはしているのですが、フルコースで読んだものはありません。反省しています。

井上さんからのアドバイスのひとつ。速読の秘訣は、まずじっくり読むことだそうです。特に小説は最初の数ページが肝心だとか。じっくり読みこなし、作者の世界が見えてくると、どんどんスピードがあがるので、速読するにはじっくり読み始めることが大切だとお聞きしました。

それから、今日は、10数年ぶりに、バンカーズ・トラスト時代の知人からお電話をいただきました。先日J-Waveのラジオ番組を聴いていただいたこと、黒犬通信を読んでいただいたこと、そしてその方がぜひ翻訳したいと思っているアメリカの絵本のことなどをお聞きしました。

あまりマスコミにでるようなことは希望もしていないのですが、長くお会いしていないような方からご連絡をいただくのは、マスメディアの力かと思います。